江東区北砂にお住まいのE様より、近隣で工事をしていた業者から「瓦にズレが見られるため点検が必要」と指摘を受けたことをきっかけに、「街の屋根やさん」へご相談をいただきました。
対象の屋根は、左右の傾斜面が合わさる切妻屋根で、いわゆる三角形の形状をしています。
また、屋根の途中で棟の高さや位置が切り替わる「棟違い」と呼ばれる構造となっていました。

瓦屋根で特に指摘を受けやすいのが棟部分です。
実際に確認したところ、築40年以上が経過し、これまでメンテナンスが行われていなかったため、漆喰にはひび割れや剥離といった劣化が見られました。

さらに、漆喰の欠損に伴い内部の葺き土が流れ出ている箇所も確認されています。
棟はこの葺き土を基盤として成り立っているため、土が失われることで強度が落ち、崩れの原因となる恐れがあります。
加えて、棟瓦の一部にはテープで固定された跡があり、過去に訪問業者による応急処置が行われていたようです。
漆喰の劣化や銅線の切断によって固定力が弱まり、ズレが生じやすい不安定な状態でした。
棟は台風や地震の影響を受けやすい箇所でもあるため、早めの点検・補修が重要です。

屋根材として使われているセメント瓦は、陶器瓦と違い表面に塗膜が施されています。
この塗装が経年により劣化して剥がれてしまうと、瓦自体が水分を吸収しやすくなり、耐久性の低下につながります。
今回の屋根も築50年が経過していることから、塗膜の剥離が広範囲にわたり確認できる状態でした。

瓦を一部取り外して防水紙の状態を確認したところ、縮みや破れといった不具合は見られず、良好な状態が保たれていました。
瓦屋根は構造上、強風時に瓦の隙間から雨水が吹き込むことがあるため、防水紙に劣化があると雨漏りの原因となります。
工事の提案
調査内容を報告し、今回は軽量な金属屋根への変更をご希望とのことでしたので、屋根葺き替え工事をご提案をいたしました。
なお、葺き替え工事の費用は税別998,000円からご案内しております。
※屋根の面積等により施工費用は変動するため、あらかじめご了承ください。
工事期間中は、作業に伴う音などで近隣の皆様へご不便をおかけしてしまう可能性がございます。
そのため、「街の屋根やさん」では施工前に近隣へのご挨拶を行い、あらかじめご理解とご協力をお願いしております。
施工開始
瓦撤去作業

屋根葺き替え工事では既存の屋根材をすべて取り外し、新しい屋根へと交換していきます。
まずは既存の瓦の撤去作業から開始しました。
今回の屋根面積は約60㎡で、瓦は1㎡あたり16枚ほど使用されているため、全体ではかなりの枚数にのぼります。
撤去した瓦は昇降機を使って地上へ搬出しました。
人の手だけで運ぶと大きな負担となりますが、機械を活用することで作業の効率化と負担軽減が図れます。
その結果、スムーズな作業進行にもつながり、工期の短縮にも貢献します。
野地板重ね張り作業

こちらは野地板の重ね張り作業の様子です。
既存の下地はバラ板が使用されており強度に不安があったため、上から構造用合板を重ねて補強していきます。
葺き替え工事のタイミングは、下地の状態を見直す絶好の機会でもあるため、野地板の補強も併せて行いました。
使用したのは厚さ12㎜の構造用合板で、施工時には垂木に向けてビスでしっかりと固定し、安定した下地を作っていきます。
防水紙の敷設

今回の施工では、防水紙に三島工業株式会社の改質アスファルトルーフィングを採用しています。
屋根カバー工事の場合は既存屋根材にタッカーが効かないため、粘着タイプの防水紙を用いるのが一般的です。
一方で葺き替え工事では、新たに設置した野地板の上に防水紙を敷設するため、タッカーでしっかり固定することが可能です。
そのため今回は、粘着式ではなくステープルで留めるタイプの防水紙を使用しました。

防水紙は、雨水の浸入を防ぐために施工手順が非常に重要です。
下側の軒先から上部の棟に向かって、順番に重ねながら敷いていきます。
重ね代はおおよそ100mm以上確保し、水が入り込まないようにします。
雨水は棟から軒先へ流れるため、この向きを守らず逆に施工してしまうと、重なり部分から水が入り込む恐れがあります。
雨漏り防止のためにも、正しい方向での施工が欠かせません。
これで防水紙の敷設が完了です。
万が一この後に雨が降っても、防水層ができているため室内への浸水の心配はありません。
新規屋根材の設置

軒先や妻側には、「水切り」と呼ばれる板金部材を取り付けていきます。
屋根材と同様に、これらの役物にもガルバリウム鋼板を使用しているため、耐久性が高く安心してご使用いただけます。

今回の屋根工事では、アイジー工業の「スーパーガルテクト」を採用しました。
カラーは落ち着いた印象のシェイドチャコールをお選びいただいています。
スーパーガルテクトは、防錆性に優れたガルバリウム鋼板を使用し、内部に断熱材を一体化させた屋根材です。
さらに表面には遮熱塗装が施されており、断熱材との相乗効果によって高い断熱性能を発揮します。

スーパーガルテクトの施工を進めていきます。
屋根材の取り付けは、防水紙と同様に軒先から棟へ向かって順に行います。
この屋根材は横葺きの嵌合タイプとなっており、上下左右をしっかりかみ合わせたうえでビス固定を行うため、固定力が高く、強風時にも安心できる仕様です。
あわせて、落雪対策として雪止め金具も設置しました。
一般的に外壁の真上付近に取り付けるため、今回は2段目と3段目に配置しています。
ガルテクトは表面が滑りやすく、積雪時に雪が一気に落下して雨樋などを傷めてしまう恐れもあるため、こうした対策を施しておくと安心です。
棟板金の設置

スーパーガルテクトの施工が完了しましたので、続いて棟板金の取り付けを行います。
今回は下地材として樹脂製の貫板を採用し、ビスでしっかりと屋根へ固定していきます。
貫板には木製と樹脂製の2種類がありますが、いずれも使用可能です。
中でも樹脂製は水分による劣化が起こりにくく、木製に比べて耐久性が高い点が特長です。

貫板の取り付けが完了した後は、その上から棟板金を被せ、側面からビスで固定していきます。
使用しているのはパッキン付きのビスのため、固定部から雨水が入り込む心配もなく、しっかりと防水性を確保できます。
施工完了

これにて屋根葺き替え工事が無事に完了しました。
施工後にはお客様にも仕上がりをご確認いただき、大変ご満足いただける結果となりました。
なお、本工事には10年間の施工保証をお付けしておりますので、今後の点検やメンテナンスについても安心してお任せいただけます。
私たち「街の屋根やさん」はこのような屋根の葺き替え工事だけでなく様々なご相談を受け付けております。
お困りごとがありましたらお気軽にお問い合わせください。

































































































































































































































































