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上の話は決してフィクションではありません。悪質な訪問業者がいる限り、誰にでも起こるトラブルなのです。このような方法を点検商法と言います。まず「無料で点検を行う」といい、その後、虚偽の報告で不安を煽り、高額な屋根リフォームの契約を結ぶというものです。
街の屋根やさんには「訪問してきた時は屋根が変だと聞いて不安になってしまい、点検してもらったが冷静に考えてみるとおかしい」とご相談を受けることがたびたびあります。
実は現在、街の屋根やさんへのご相談の23%が「訪問販売業者と高値で契約してしまったので何とかならないか?」、「訪問販売業者に頼んで工事をやったら手抜き工事で雨漏りするようになった」、「実家の両親が訪問販売業者に強引に営業されている」、など、訪問販売業者に関することなのです。
そしていざ点検してみると、何も問題がなかったということで済む場合もあれば、とんでもないことになっていることもあります。不自然な形で屋根材が壊れていることがあるのです。
訪問業者は恐らく屋根に対して専門的な知識のない素人でしょう。彼が屋根にのぼれば故意にではなくても屋根材を破壊してしまうことは充分に考えられます(専門的な知識のない人が人様の屋根にのぼること自体、こういった可能性があるので罪だと思いますが)。
中には故意に傷つけたり、壊したりしたのではないかと疑いたくなるような屋根もありました。
撮影した写真がすぐその場で確認できる、デジタルカメラが普及して約20年になります。世の中、本当に凄い時代になりました。
何が凄いかというと、ネットでダウンロードしてきた画像をカメラに保存しておいて「貴方の屋根、こんなに酷いことになってますよ」と見せる業者もいるというのだから驚きです。
ご自宅の最上階の屋根の上、しっかりと見たことがない人がほとんどではないてしょうか。だから、こんな芸当ができるんですね。中にはビデオで見せてくれる業者もいるらしいです。
数年前、弊社にご相談くださったお客様の中に「本当に屋根にのぼって点検してくれるのなら、写真を数枚でいいから撮ってきてほしい」と真剣に頼んでくる人がいました。
「弊社ではいつも行ってることですから」と告げ、屋根にのぼり、写真を撮りました。降りてきて、写真をご覧いただくと「あー、やっぱりー」という声です。
事情を詳しく聞かせてもらいますと数日前、「屋根を無料で点検します」と訪問業者が来たそうです。
断ろうとすると、ビデオカメラを持ち出し、「屋根の様子をしっかりビデオに納めてきます」ということなので点検を頼んだそうです。そのビデオを見せてもらったら、屋根の色が記憶していた色とどうも違う。確か薄めの緑なのに、何故か濃い緑の屋根が映っている。
色褪せで屋根の色が薄くなることはあるだろうけど、濃くなるなんて…とかなり疑問に思っていたそうです。この訪問業者、どこでこのビデオを手に入れたか知りませんが、これまでこの方法でかなりの人を騙してきたのではないでしょうか。
デジタルですけど、現物まがい商法(商品を見せて販売はするが現物の変わりに預り証などを渡す)に似てますね。
訪問業者に言われるままに契約してしまったという方も慌てないでください。契約日から8日以内ならクーリングオフできます。
やり方は簡単です。郵便局の窓口で発信日が証明されるサービスを使って契約解除の通知を送るだけです。
証明されるサービスは特定記録郵便、簡易書留、書留、内容証明の4つがあります。
リフォームの場合、高額なので内容証明がよいでしょう。内容証明は発信日が証明される他、書留扱いにもなり、書面の記載内容、差出人、宛先を謄本により証明できます。書式が決まっており、縦書きの場合は1行20字以内・1枚26行以内に納めなければなりません。横書きの場合は1行26字以内・1枚20行以内となります。
内容証明用紙が市販されていますが、パソコンを使ってA4用紙で作成しても構いません。通知する文書を3通(2通はコピー可)作成し、郵便局へ提出します。
クレジット契約を結んだ場合はクレジット会社にも同様の通知を送らなくてはなりません。不安な方はまずは各都道府県の消費生活センターなどに相談してみましょう。
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この記事の監修者
富田 功義
▼保有資格
2級建築施工管理技士・雨漏り診断士・一般建築物石綿含有建材調査者
20,000棟以上の施工実績を持つ『街の屋根やさん』多摩川支店の支店長。
赤外線カメラを使用した雨漏り調査など、幅広いお悩み事に対応可能なリフォームアドバイザー。
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