屋根の点検商法に注意!事例とトラブル回避方法
更新日 : 2023年12月20日
更新日 : 2023年12月20日
無料点検と偽り、頼んでもいない屋根の点検や修理工事をあおる、点検商法が近年急増しています。
「近所の屋根工事のついでに挨拶に来ました」
「屋根瓦がずれていないか点検に来ました」
「屋根が剥がれかけているのですぐに修理が必要です」
「近くで工事をしていて、屋根の板金が浮いているのが見えたので」
突然の訪問で、このような言葉をかけられたことはありませんか?
点検商法は、おもに60代以上の高齢者をターゲットにした極めて悪質な詐欺の手口です。
屋根工事の契約を迫られたことのある方をはじめ、一人暮らしの高齢者や築古物件に住んでいる方に向けて、実際の被害事例とともに、【100%】屋根の点検商法に遭わないための方法をご紹介します。
→ご相談メールフォーム
目次【表示】
近年、消費生活センターに寄せられる「屋根の点検商法」に関する相談が急増し、詐欺被害やトラブルが後を絶ちません。
全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO-NET)によると、2022年度の相談件数は2,885件と最多でした。2018年度に比べ約3倍と急激に増えていることがわかります。
2023年度も8月の時点で1,346件と非常に多く、今後も増加していくことが予想されます。
実際に契約してしまったという方は、60代〜80代が8割以上を占めており、特に高齢者が被害に遭いやすい実態が明らかになりました。
点検商法とは、アポなしで突然訪問してくるため、とっさの判断や拒否が難しく、そのまま家に入れてしまったり点検をさせてしまったりすると強引に契約まで持ち込まれてしまう恐れがあります。
頼んでもいないのに屋根に上り、故意に屋根を剥がしたり壊したりして写真を撮ると、「このままだと雨漏りしてしまう」「すぐに修理が必要」などと不安を掻き立て、高額な工事契約を迫ってくるのが点検商法の代表的な手口です。
巧妙な営業トークと執拗に契約を迫る悪質なやり方で、一人暮らしの高齢者や築30年以上の古い住宅をターゲットにしています。
点検商法の相談件数と屋根工事の占める割合
※2023年度は8月31日までのデータ
参考:https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20231011_1.pdf
点検商法が悪質な詐欺の手口とわかったものの、恐らくほとんどの方は、自分の身には起こらないだろうと安易に考えてしまいがちです。
点検商法には、どのようなものがあるのでしょうか。
特に多くのトラブル・相談が寄せられている「屋根の点検工事」を例に、実際にあった被害事例を5つ紹介します。
事例1
相談内容 | 業者を名乗る若い男が突然来訪。 「屋根が雨漏りしそうになっている。今契約すれば、明日の朝から工事できる。」とまくし立て、言われるがまま屋根の修繕工事を契約した。 翌日、男性宅に通うヘルパーが工事を不審に思い、ケアマネージャーを通じて家族へ連絡。 家族が「クーリング・オフしたい」と申し出たが、業者は応じてくれない。 |
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契約金額 |
約 80 万円 |
事例2
相談内容 | 2人組の業者の人が突然来訪。 「近くで工事をしているが、屋根の瓦がずれているようだ。写真を撮って点検する。」と言って、屋根に上り、瓦の写真を見せられた。 「このままでは雨漏りする。今なら割引できる、工事は早いほうがよい。」と勧められ契約したが、クーリング・オフしたい。 |
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契約金額 |
100 万円 |
事例3
相談内容 | 近所で屋根工事をしているという業者が突然来訪。 「屋根に浮いているところがある。」と言われ、「無料で点検する」というので了承した。 業者が屋根に上り、撮った写真とともに「このままでは雨漏りする。早く修理したほうがいい。」と言われて工事を契約したが解約したい。 |
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契約金額 |
200 万円以上 |
事例4
相談内容 | 業者がアポなし訪問。 「近所で屋根工事を行っています。」「屋根の瓦がずれている。雨漏りはないか。」とセールストーク。 その日は断ったものの、後日再訪。 スマートフォンで撮った写真を見せられ、ずれた瓦や野地板の腐食を指摘された。 自宅の屋根かどうか疑わしくなり他社に見積もりを取ると、相場より高いことがわかったため、契約をキャンセルしたい。 |
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契約金額 |
約 250 万円 |
事例5
相談内容 | 屋根の無料点検をしているという業者が突然来訪。 屋根の工事を契約した後、外壁や屋根裏、床下など家中のあらゆる不具合を指摘され、勧められるがままに契約してしまった。 工事の半年後に外壁に新たなひびを見つけ、業者に問い合わせたが「都合がつかない」と言われたまま連絡が途絶えた。 |
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契約金額 |
500 万円以上 |
どの事例も、ありもしない屋根の損傷を偽ったり、屋根に上って撮ったとされる写真を見せられたりしたことで、事実と信じてしまい言われるがままに契約してしまった点検商法のよくあるケースです。
500万円以上もの高額な契約をしてしまった事例5は、屋根工事の契約に加え、短時間で次々に高額な契約を迫られた極めて悪質な事例といえるでしょう。
複数の業者に指摘されたら?
また最近点検商法の報告事例として多いのが、屋根の不具合を指摘して一度は帰り、後日また別の業者が同じ場所を指摘する、というケースです。前にも同じことを言われたから本当なのかもしれない、と思ってしまいがちですが、実は業者同士がつながっているのです。
屋根の点検商法でよく使われるセールストーク
一度契約してしまうと相手から目を付けられ、不要な修理や工事をどんどん追加される恐れもある点検商法。
業者を名乗る人物が突然訪問して来たら、決して家の中には入れず、きっぱりと断ることが大切です。
とはいえ、業者と思われる人物から屋根が壊れている写真を見せられ、間髪入れずにひたすら不安にさせるような言葉をかけられれば、冷静に考えられずサインしてしまう方も少なくありません。
続いては、屋根の点検商法に騙されないために、知っておくべきよく使われるセールストークを紹介します。
工事のついでに挨拶に来た、というのは、屋根の点検商法の常套句です。
私たち屋根の修理業者がアポなしで突然挨拶に伺うことは、まずありません。
第一声でこの言葉を言われたら、点検商法を疑って間違いないので、即座に断ることが大切です。
近所の工事をしていたら屋根が剥がれているのが見えた、というのも点検商法で非常に多いセールストークです。
相手の言葉をそのまま信じてはいけません。
驚いて心配になり、そのまま無料点検や工事契約に持ち込まれる可能性が高いので注意しましょう。
屋根瓦がずれているから無料点検、と指摘されたら、それは間違いなく点検商法なので絶対に応じないでください。
私たちのような修理業者は、お客様からの相談や依頼があって初めて無料点検に伺います。
依頼もないのに突然訪問したあげく、瓦がずれているなどと言って強引に点検や工事を勧めることは、絶対にないということを頭に入れておきましょう。
修理や工事を急がせたり、執拗に不安をあおったりするような場合も、点検商法である可能性が高いです。
事前に用意した写真を自宅のものと偽ったり、故意に屋根材を壊して写真を撮ったりするといった悪質なケースも少なくありません。
営業や接客経験のある方なら、お客様が望んでいない商品を強引に売りつけるのはおかしいことであるとわかるでしょう。
点検商法は、迷ったり悩んだりしているお客様を不安にさせ、無理やり契約させるのが目的です。
「○○しないと××する」「今すぐに○○が必要」とたたみかけてくる場合は、特に注意しましょう。
点検商法には、若い職人を装って、親方から言われたと話し始めたという事例もあります。時間を置いて、本当に親方と名乗る人物が現れるケースもあり、手口はどんどん巧妙化してきています。
冷静に考えればおかしいと思えるような状況でも、いざその場に遭遇すると混乱し、判断力が鈍ってしまうものです。
「親方」のワードが出てきたら、点検商法を疑い、勇気を出してきっぱりと断りましょう。
契約や振り込みといった消費者の選択を急かすのは、詐欺にありがちな手口です。点検商法は、相場より高い金額を提示した上で、「割引価格」を引き合いに出し、その場で契約するよう迫ってきます。
多くの方にとって、車や住宅など高い買い物ほど、じっくり検討して買うのが当たり前なはずです。
「割引」という言葉に流されそうになったときこそ、一呼吸おいて冷静に判断しましょう。
屋根以外の修理や工事を次々に持ちかけられるような場合は、100%点検商法であると思って間違いないでしょう。
騙す側は、巧みな話術を駆使して不安をあおり、なんとか契約させようと誘導してきます。
一度契約してしまうと騙せるターゲットとみなされ、追加工事を迫られて被害が大きくなってしまう恐れがあるため注意が必要です。
点検商法や悪質なセールスについて、こちらもご覧ください。
「屋根の板金が浮いていますよ!」こちらもよくある点検商法のセールストークです。突然訪問されたら?本当に浮いていたらどうする?実例とともに解説します。
大きな台風や地震の後には、点検商法を含む悪徳業者による便乗商法の報告例が多くなります。防ぐことができない自然災害だからこそ、被害に遭ったときには落ち着いて対処しましょう。
街の屋根やさんへの点検商法お問合せ例
瓦を故意に外された?点検事例
訪問業者から屋根瓦について指摘を受け、今すぐ屋根修理をしないと家がつぶれてしまうかもしれないなどと言われたとのこと。
屋根に上がってみると、不自然に抜けているのし瓦がありました。訪問業者が故意に抜いていった可能性もあり、怖いですね。
写真を撮ってお客様にもご確認いただき、該当箇所の補修工事を行なうこととなりました。
では屋根の点検商法の被害に遭わないためには具体的にどうするべきでしょうか。
100%、騙されない方法があります。
それは、とにかく「話を聞かない、断る」ことです。
インターホンを鳴らされ、もし玄関先に出てしまったとしても、上記のような文句が出てきたらその場で断り、帰ってもらいましょう。
いろいろと話をされるかもしれませんが、耳を傾けず、とにかく断ること、これが100%点検商法に遭わない方法です。
点検商法は、最初の対応が肝心です。しかし「自分は大丈夫」と思っていらっしゃる方が意外と多いもの。点検だけならと屋根に上げてしまうのはもってのほかです。
「知り合いに見てもらうから大丈夫、お帰りください」と毅然とした態度で「帰ってほしい」意思表示をすることが大切です。それでも説明を続けるようなら、警察を呼んでも構いません。(「不退去罪」)
一人暮らしの方は特に注意
高齢者の一人暮らしは点検商法に特に狙われやすいです。離れて暮らすご家族には普段から「話を聞かない」「断る、帰ってもらう」という対応方法について話し合っておきましょう。
前述したように、日にちを空け別の業者を装い訪問することもあります。こちらから頼んでもいないのに訪問されたものは全て同様です。
屋根の点検商法は、梅雨の時期や豪雨、台風、大きな地震の後に増える傾向があります。
実際に雨漏りしていたり、屋根が一部壊れてしまったりしていたときは要注意です。
屋根についてご心配な時は
断ったけれど、もし本当に屋根に問題が発生していたら?
ご心配になったら、街の屋根やさんへご相談ください。
悪質な訪問業者は名刺もホームページもない、というところが多いです。屋根の点検は、ご自身でお近くの信用できる業者を呼び、見てもらうのが一番です。
私たち街の屋根やさんにも、通常のご依頼のほかに、点検商法と思われる相談が多く寄せられています。
ご相談をいただいた際には、屋根やお住まいを点検し、必要な工事を、ご希望も伺いながらご提案させていただきます。
点検商法は、多くの高齢者を狙った特殊詐欺のひとつであり、立派な犯罪です。自分は大丈夫、と油断している方こそ危険なので、突然の訪問客には十分注意しましょう。
もし望まない契約をしてしまった場合、8日以内であれば文書やメール、FAXでクーリング・オフが可能です。
自分や家族が万が一被害に遭ってしまったら、直ちに以下の相談窓口に連絡しましょう。
点検商法被害の相談先
消費者ホットライン | 188 |
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国民生活センター「平日バックアップ相談」 | 03-3446-1623 |
公益財団法方住宅リフォーム・紛争処理支援センター 「住まいるダイヤル」 |
0570-016-100 03-3556-5147 |
屋根工事の契約を迫られたことのある方をはじめ、一人暮らしの高齢者や築古物件に住んでいる方に向けて、100%屋根の点検商法に遭わないための回避方法を、実際の被害事例とともに紹介しました。
点検商法は、実に巧妙なセールストークで不安を煽り、高額な工事契約を結ばせようとする特殊詐欺のひとつです。
被害に遭わないためには、相手のペースに飲まれず、毅然とした態度できっぱり断ることが重要です。
万が一契約してしまったときは、速やかに消費者ホットラインまたは国民生活センターなどに相談し、クーリング・オフを申し出ましょう。
点検商法で指摘されたことで、何とも思っていなかった屋根に不安が生じてしまったという場合には、屋根工事のプロである街の屋根やさんへご相談ください。
現地調査と無料点検のご依頼は、専用フォームから24時間いつでも問い合わせ可能です。
「屋根瓦を指摘されて心配になった」「雨漏りの危険があると言われたからみて欲しい」など、屋根の不具合にお困りなら、私たち街の屋根やさんへご相談ください。
屋根の点検商法に注意!まとめ
●点検商法による被害は2018年から4年で約3倍に増えています
●点検商法による被害の8割以上は60~80代の高齢者です
●屋根の点検商法は梅雨や台風の時期、大きな地震の後に増える傾向にあります
●屋根点検商法の被害に遭わないために
・とにかく話を聞かない
・訪問されても屋根に上がらせない
●点検商法かも?屋根は本当に大丈夫?とご心配になったら、街の屋根やさんの無料点検をご活用ください
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