雨樋の種類と素材を解説!交換・修理時に確認したい雨樋基礎知識
更新日 : 2024年11月05日
更新日 : 2024年11月05日
こんにちは!東京都を中心に数多くの雨樋交換・修理の対応実績を持っている街の屋根やさんです!
雨樋にも種類があるのをご存じでしょうか。
その種類(形や素材)によって価格はもちろんのこと、特徴も異なります。
雨樋の修理や交換の際、「安く済ませたい」と考える方も多いでしょう。しかし雨樋は意外に重要な役割を持っています。「きちんと家を守ってくれるか」という観点も大事です。
これをきっかけとして頑丈で使いやすい雨樋を選んでみませんか?きっと、今後の安心に繋がるはずです。
「強風で雨樋が突然外れた!」
「雨降りの日に見上げると雨樋から大量の水が漏れている」
このような場合にはできるだけ早めの修理をおすすめします。
雨樋の交換や修理を検討されている方へ、雨樋の種類、形状や素材による違いをご紹介していきます。ぜひご参考にしてください。
目次【表示】
近年ますます増え続けている大型台風や集中豪雨。
そんななか、
雨樋が割れてしまった
雨樋から水があふれてきて困る
街の屋根やさんではこのような雨樋に関するお問合せも多くいただきます。特に長く使用している雨樋では、強い風や大量の雨に耐えられず破損してしまうケースが少なくありません。
雨樋はご存じのように、流れてくる雨水を受け止め地面の方へと向かって排水するものです。住宅を守るために意外と重要な役割をもっています。雨樋交換をお考えの方は、単に「交換できれば良い」ではなく、長くしっかりと機能してくれるように種類や素材を見直してみましょう。
雨樋の種類を検討される際には大きく分けて次の2つを知っておくと良いです。
半円型(半丸型)
角型
リバーシブル型
特殊型
内樋型(箱樋型)
塩化ビニール樹脂(塩ビ)
スチール
ガルバリウム鋼板
銅
アルミ、ステンレス
その中でも一般住宅によく使われる種類はこちらです。
最もポピュラー:半円型(半丸型)
雨樋の中でも一番よく知られている形状の種類が「半円型」です。「半丸型」とも言い、筒を半分に切ったような形をしています。
一般住宅の雨樋として長く使われてきた形状ですから、ご自宅の雨樋が半円型という方も多いでしょう。
形状がとてもシンプルで、コスト面でもリーズナブルな種類です。雨樋交換の選択肢としては定番中の定番です。
大容量でおすすめ:角型
角ばった断面をしている「角型」の形状の雨樋は、かつて主流だった半円型に代わって、近年よく見られるようになりました。今後の定番になる雨樋の形状と言えるでしょう。
角型の雨樋は、半円状の雨樋よりも受け流す水量が多いという特徴を持っています。(※サイズによっては大容量の半円型もあります。)大容量ですから、豪雨の際でもしっかりと雨を受け止めて排水してくれるので安心感があります。デザイン的にもスマートに見えるので最近の新築にも多く使われます。
現在半円型の方も、是非検討してほしい形状です。
半円型と角型のいいとこどり:リバーシブル型
半円型と角型の形状が半分ずつ混じった「リバーシブル型」もあります。断面を見ると、一方が丸みを帯び、逆側が角ばっています。どちらを表面に出すかは自由です。
「丸みのある形状がいいけれど、流水量もほしい」というときの選択肢として選ばれる形状です。
雪国仕様:特殊型
雪国で採用されることがあるのが「特殊型」です。
雪が多い地域の場合、屋根の雪が溶けて雨樋内部に流れ、それが低温で凍って雨樋が破損することがあります。覆いを設けた特殊型は、雨樋本体内部へのダメージを防いでくれる形状です。屋根の雪下ろし時や、屋根上の雪が落ちた時などに傷つくことを防ぐような構造となっています。
ただ、流水量はあまり確保できず、降雪リスクがない地域では候補にあがるケースはあまりありません。
内樋型(箱樋型)
雨樋を外側に見せず、屋根の内側に隠すような形状が「内樋型(箱樋型)」です。すっきりとした印象になることから、デザイン性の高い外観を重視したい人によく選ばれます。
ところが詰まりなどでもしオーバーフローを起こし屋根の内側を傷めても分かりにくいことがあります。「詰まりから排水不良を起こしていないだろうか」「想定外の場所から雨水が漏れていないだろうか」という確認が通常の雨樋以上に必要になるでしょう。
内樋型の雨樋から通常の吊りタイプへの交換も可能ですが、かなり大掛かりな工事となります。
雨樋は、素材にもバリエーションがあります。形状と同じように「どんな素材の雨樋か?」によって特徴が異なります。
塩化ビニール樹脂(塩ビ)
雨樋の素材のなかでも、よく選ばれているのが塩化ビニール樹脂製のものです。
代表的な製品:セキスイ「エスロン雨樋」
塩化ビニール樹脂製の雨樋の大きなメリットが安さです。他の素材と比べると安価で、豊富なバリエーションからご自宅に合ったタイプのものが入手できます。
樹脂特有の柔軟性があるので多少負荷がかかってもすぐに曲がるようなことがありません。
塩ビとも呼ばれる塩化ビニール樹脂は、柔軟性があって施工しやすく、さまざまな建築素材として使われています。
しかし耐熱性と耐衝撃性に乏しいため、紫外線や雨風といった自然の影響を受けやすい環境に長くあると劣化しやすいというデメリットがあります。経年で柔軟性が失われたところに強い風を受けて破損…というケースも少なくありません。
価格的には魅力があるものの、耐用年数が短いのが難点です。
スチール
スチール(鋼)の心材を樹脂で覆ったタイプの雨樋が人気です。パナソニックでは一部の雨樋にこのスチールと樹脂のハイブリッドタイプを採用しています。
販売製品:パナソニック「アイアン」
腐食しない樹脂で覆われていますから錆びにくく、それでいてスチールの強さを併せ持った雨樋です。見た目にも優しい印象でカラーラインナップも豊富です。
価格は塩ビ樹脂製のものよりやや高額ですが、強度とのバランスが取れています。
ガルバリウム鋼板
屋根材として注目度の高い素材の「ガルバリウム鋼板」は、雨樋としても使われることがあります。
代表的な製品:タニタ「ガルバリウム雨とい」
屋根材や外壁材では近年ますます普及しつつあるガルバリウム鋼板。アルミニウムと亜鉛でめっきされていることで錆びにくく、耐久性が高い金属素材です。その高耐久性は雨樋としても発揮されるでしょう。
金属特有のシャープさも魅力です。
塩化ビニール樹脂素材と比べると、価格的には高めな点がデメリットと言えるかもしれません。「耐久性があって長持ちする」という特徴を総合的に考えると、施工時に材料や施工費で高額と感じても、長い目で見るとおすすめの素材と言えるでしょう。
銅
光が反射するときらきらと輝くような美しい色味の銅は、その美しさが特徴の素材です。豪華な印象があるため、お寺などの雨樋として使われる傾向にあります。
独特の光沢を持つ銅製の雨樋は、意匠性の高さがメリットです。和風のお住まいなら、豪華で煌びやかな雰囲気が感じられるでしょう。
長年使っているうちに酸化によって独特の緑青が生まれるのも魅力で、あえて酸化を進めさせることもあります。
銅は金属の中でも錆びにくく耐久性もあり、素材の風合いの変化を楽しみつつ、雨樋を使い続けることができます。銅板屋根のお住まいなら、統一感のある見た目になるでしょう。
本来であれば錆びづらく丈夫な銅製の雨樋ですが、近年問題視されている「酸性雨」によって穴あきのリスクがあります。雨が滴り続ける箇所を中心に、酸性雨の影響を受ける部分に穴があいてしまうケースがあります。
しかし穴が開きにくいよう加工された以下のような製品もあるのでおすすめです。
パナソニック「匠シリーズ」
…ステンレス素材に銅をめっき
タニタ「スーパー銅雨とい」
…内側を特殊塗料でコート
ほかの金属と比べると高額になります。ただ、金額的に高いとしても耐久性に優れているのは魅力点となるでしょう。
アルミ、ステンレス
熱の影響を受けづらく、錆びに強い「アルミ」、錆びづらく耐久性の高い「ステンレス」の素材の雨樋もあります。高耐久という特徴を持ちながらも、ほかの素材の雨樋と比べると価格面で高額のため、一般住宅ではほぼ使われることがありません。
ご存じのように、雨樋はいくつかの部品がつながって構成される「雨水の排水システム」です。そのため、傷みや劣化がある箇所を部分的に修理(交換)することもできます。
この場合、既存の部分とつなぎ合わせる必要があるため、基本的には今あるものと互換性のある形状のものに交換します。
ただ、全体的に経年劣化がある場合なら、全交換がおすすめです。特に塩ビ樹脂製なら20年を過ぎた頃には寿命と言われる雨樋。部分交換をしても、ほかに“破損予備軍”のような箇所があるはずです。費用をおさえるために部分交換をしても、すぐにほかの箇所も破損する可能性が高い状況と言えるでしょう。
寿命を迎えつつある雨樋は、
「紫外線で色褪せている」
「割れている箇所がある」
「ゆがんで形状が不自然な部分がある」
などの症状が見られます。
全交換をすると費用がかさむと思うかもしれませんが、これからも住み続ける家であれば、お住まいの寿命を高めるという意味でも効果的です。
雨樋交換の費用
部分交換の場合
破損した箇所のみ修理(交換)の費用
→数万円程度~(+足場代)
足場仮設が必要な場合はこれに足場代としてさらに数万円~(足場面積による)が加算されます。
全交換の場合
すべての雨樋を新しいものに交換する費用
→約10万円~60万円(+足場代20万円程度)
雨樋の種類によって金額は大きく変わります。また、2階建て以上ならほとんどの場合足場が必要になります。
足場代はそれなりに高額なので、せっかく足場を仮設するのであれば、雨樋は部分交換ではなく全交換してしまった方がお得かもしれません。屋根葺き替えやカバー工事をするときには軒の出などが変わるため基本的には全交換が望ましいです。
「我が家は全交換した方がいいの?」とお悩みのときは、街の屋根やさんにぜひご相談ください。
雨樋についてこちらもご覧ください。
雨樋に葉っぱなどが入りやすくよく詰まってしまう場合には、「落ち葉除けネット」が効果的です。雨樋交換の際にはご検討ください。
→雨樋の詰まりは落ち葉除けネットで解決
雨樋の詰まりは水漏れや破損のリスクを大きくします。雨樋清掃や対策についてご案内しています。
→雨樋詰まりの原因と対策
雨樋交換実例と手順
樹脂製雨樋からパナソニック「シビルスケア」へ交換
雨樋が流れず水が溜まってしまうということでお困りでした。タキロン半丸105という樹脂製の雨樋ですが、歪みや汚れから長年使用されている様子が分かります。点検の日、雨は降っていませんでしたが、軒樋には水が溜まっている状態でした。古い雨樋ということで、全て交換いたします。
雨樋と支持金具を撤去し、金具の穴を変成シリコンでふさぎます。固定力の観点から、前の場所とはずらして新しい支持金具を設置するのが基本です。
雨樋には水を流すために傾斜を付けます。軒に目安となる水糸を張り、それに沿って金具を設置していくのです。実は、この金具の間隔(ピッチ)は地域ごとに違います。一般的に使われるのは900㎜、600㎜、450㎜で、積雪の多い地方ほど間隔は狭くなります。間隔は狭い方が軒樋は丈夫になりますが、その分金具が多く必要になります。適切な提案ができる業者を選びましょう。
新しい雨樋はパナソニック「シビルスケアPC50」という、芯にスチールが使われている種類で丈夫な雨樋になりました。内側から吊るタイプで金具が表面に出ないので見た目にもきれいになり職人の丁寧な仕事にご満足いただけました。
・軒樋
軒先に取り付けられる「軒樋(のきどい)」は、屋根の雨水をはじめに受ける部分です。建物の横方向に沿って付けられます。
・集水器(集水枡)
軒樋に流れる雨水を竪樋へと流す連結部です。
・竪樋(縦樋)
集水器で集められた雨水は、垂直に取り付けられる竪樋へと流れ、地面方向へと向かって排水されます。
・曲がり
軒樋の角をつなぐ連結部です。特に外曲がりは負荷を受けやすい部分です。
そのほか、軒樋の継ぎ目となる「軒継手」、軒樋の端へ取り付けて水を止める「止まり」、曲がる箇所に角度をつける「エルボ」などといった、さまざまな部材により構成されます。
普段は目立たない雨樋ですが、実はお家を陰ながら守ることに大きな力を発揮しています。ちょっとした不具合なら「少し様子を見てみよう」と軽く考える方もいますが、お住まいの寿命とも関わる重要なものですから、不安を感じたときが交換時期と言えるでしょう。
雨樋交換の際には、形状や素材の種類にも着目してみてください。価格に目が行きがちですが、丈夫さにもこだわることで大規模自然災害でも安心できるでしょう。
色やデザインを変えれば、お家のイメージチェンジにもつながります。
街の屋根やさんでは、ご自宅の状況を無料点検にて確認し「雨樋を交換したほうが良い?」「どんな種類の雨樋が良いか?」についてご提案いたします。
落ち葉除けネットなど詰まり対策、自然災害で破損した場合の火災保険の活用などのご相談もお受けしております。
雨樋の修理・交換も街の屋根やさんへまずはお問合せください。
雨樋の種類と素材を解説!
交換・修理時に確認したい雨樋基礎知識まとめ
●雨樋には形状や素材など種類の違いがあります。交換の際にはご検討ください
●一般的に角型の方が排水量が高く、近年のゲリラ豪雨や大型台風対策におすすめです
●塩ビ樹脂製の雨樋は安価ですが耐用年数が短いデメリットがあります
●耐久性の高い雨樋なら価格が上がってもスチールやガルバリウム鋼板が使われているものをおすすめします
●長く使用している雨樋なら、部分交換より全交換が安心です
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