防水性能No.1!FRP防水をおすすめできる5つの理由
更新日 : 2024年02月27日
更新日 : 2024年02月27日
ベランダやバルコニーからの雨漏りでお困りの方、二度と雨漏りさせたくない方、そんな方にご紹介するのがFRP防水です。
このページでは、
・ベランダやバルコニーの雨漏り対策を検討されている
・防水工事の施工方法で迷っている
・業者からFRP防水をすすめられた
という方に向け、FRP防水の特徴や魅力、他の防水方法との違いについて解説します。
また現在FRP防水でメンテナンスをお考えの方もご参考にしてください。
目次【表示】
現在のお風呂、その浴槽のほとんどはFRPが使われています。FRPは見た目や触った感じがプラスチック樹脂のようなもので、ほとんどの方が目にしたことのあるものです。
お湯(水)を大量に溜められるくらいですから、そこから漏水してくることはまずありません。浴槽にも使われるFRPで防水層を作ってしまうのがFRP防水なのです。
FRPとは
FRPとは、Fiber Reinforced Plasticsの略称で、日本語にすると「繊維強化プラスチック」です。
繊維とプラスチックの複合材で、繊維が内包されることによってプラスチック単体では耐えることができない引っ張りなどに耐え得る材料になります。
FRP防水とは
FRP防水は、ガラス繊維マットと液状の不飽和ポリエステル樹脂を重ねていくことで防水層を形成します。
日本では1960年代から発展し、特に90年代以降多く使われるようになりました。
FRP防水を使うメリット
FRP防水は硬化するとプラスチックのように硬く強くなり、耐久性、耐熱性、耐摩耗性に優れています。上を人が歩いたり重いものを載せたりしても問題ないので、洗濯物を干すために毎日使うベランダやバルコニーはもちろん、大型施設の屋上駐車場にも使われている防水方法です。
FRP防水の基本的な施工手順
1.防水面を整えた後プライマーを塗布
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2.硬化剤を加えたポリエステル樹脂を塗り広げる
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3.ガラスマットを敷く
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4.再びポリエステル樹脂を塗り広げ脱泡ローラーで空気を抜く
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5.③④をもう一度繰り返す
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6.硬化したら表面を研磨し整える
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7.中塗り、上塗り(トップコート)を塗布したら完成
耐用年数とメンテナンス
FRP防水の耐用年数は一般的に12~20年程度です。
5年ごとにトップコートを塗り替えることで長持ちしますが、大きなひび割れや剥がれ、膨れなどが出てきたら注意が必要です。
FRP防水はDIYできる?
FRP防水の施工や補修をご自身で挑戦してみようという方もいらっしゃいますが、FRPは材料も施工方法も特殊で技術が要ります。
また失敗した時にはやり直すために全て剥がす必要があることもあり、そうなると費用も手間もかかってしまいますね。
FRP防水の施工、補修などはプロにお任せください。
1.貯水槽、プール、浴槽と水を大量に溜めるものに使われている
FRPは一般家庭の浴槽の他、自動車や鉄道車両の内装や外装、モーターボートやヨットなど小型船舶の船体、貯水槽や浄化槽などにも使われています。
またFRPは深海で調査活動を行うしんかい6500の外郭、人工衛星の素材としても用いられました。
水を漏らさないという性能についてはさまざまなところで証明されており、折り紙つきということなのです。極めて雨漏りしにくい防水方法と言えるでしょう。
2.継ぎ目がないシームレスな防水層を形成できる
FRP防水はメンブレン防水と呼ばれる施工方法です。メンブレンとは「膜」という意味で、この場合は塗膜防水という意味で用いられます。
基本的に防水する場所に繊維となるガラスマットを敷き、液状のポリエステル樹脂を塗布して硬化させます。シート防水などのように継ぎ目ができず、複雑な形状のところにも防水層を形成できます。
しかも同じ塗膜防水であるウレタン防水に比べて圧倒的に硬化が速いのもFRPの魅力で、工事が1日で終わることもあります。
3.屋上駐車場の防水層に使われるほど頑丈
深海や宇宙に対応できるほど、FRP自体が頑丈です。人の歩行はおろか、自動車の走行にも耐えられるほどの強度があります。
低層の大型ショッピングセンターで、屋上が駐車場として利用されている場合、ほとんどがFRP防水と言われています。屋上緑化にもFRP防水は用いられており、植物の根にも屈しない強さを持っています。
4.錆びないし、腐食しない
水が浸透しない材料として金属が知られています。ガルバリウム鋼板などは防水性を高めるために水切り金具としても用いられますが、こちらは年月とともに錆などが発生し、腐食していき、最後は崩れてしまいます。
それに対してFRPは錆などの酸化と無関係ですから、腐食しません。ただし、紫外線などによって劣化はしていきます。
5.軽いから使う場所を選ばない
仕上げや仕様にもよりますが、通常のベランダの軽歩行仕上げの場合、1㎡で3kg未満です。その重さを気にせず、どんな場所にも施工できるということです。軽いと言われるガルバリウムなどの屋根材でも1㎡で約4kgですから、その軽さが際立っていることが分かります。
リフォームで重ねて施工しても建物の構造にかける負担が少なく済みます。
FRP防水のデメリット
1.FRP防水に向いていないケースもある
FRP防水が向いている場所
・人の出入りが多い場所
・それほど広くないベランダやバルコニー
・鉄骨造やコンクリート造の建物
FRP防水が向いていない場所
・木造の屋上(広い場所)、広いバルコニー
FRP防水は硬くて頑丈なことがメリットです。そして硬化が速く施工の際には工期が短く済むので、普段から人の出入りが多い場所、長く封鎖できないような場所におすすめできます。
しかしFRP防水の利点である硬さは弱点になってしまうこともあります。それ故にFRP防水が向かない場所というのも存在します。
FRP自体の特性として伸縮性がほとんどないことがあげられます。縮みにくいし、伸びにくいのです。建物は強風や地震の際にどんなものでも変形しており、その変形量が少ないつくりのものと多いつくりのものが存在します。
伸縮性がほとんどないFRPによる防水は変形量が少ない鉄骨造やコンクリート造の建物に向いています。しかし、変形量が多いとされる木造住宅で特別に大きなベランダやバルコニーとなると、FRP防水は不向きとなるのです。変形量が多い建物の場合、地震や強風などの建物の変形時にFRP防水は縮まないし、伸びないので、ひびが入ったり、割れたりする可能性があります。
また、FRP防水自体に変化が無かったとしても、下地から浮いてしまったり、FRP防水層と壁や床の間に隙間ができてしまったりということが起こりえます。
2.他の防水方法と較べると費用が高い
シート防水やウレタン防水に較べると平米あたり500~1500円高くなります。
一般的な戸建ての場合、ベランダやバルコニーの面積は10㎡程度でしょう。総額で5,000~15,000円程度、高くなるということです。
上記はあくまで防水施工にかかる単価目安です。下地処理などにかかる費用や諸経費など含めると、10㎡のベランダで約8万円~15万円程度、床の張替えや補修まで必要なケースではそれ以上かかると覚えておきましょう。
雨漏りを起こした塩ビシート防水を剥がしてFRP防水を施工した例
施工期間 3日 面積 24㎡ 費用 38万円
築20年、1階のリビングに雨漏り症状があり、天井が落ちてしまったとのこと。ベランダ床に敷かれたタイルをめくるとその下に施工されていた塩ビシート防水がよれていて、機能をほとんど果たしていない状態でした。
一度全て剥がし下地のベニヤから貼り直し、FRP防水を施工いたしました。
FRP防水のメンテナンス方法
基本的に約7~10年ごとにトップコートを塗り替えて紫外線による劣化を防ぎます。表面がすり減ってきた、細かいひび割れが目につくようになった、などの症状があればトップコート塗り替えを検討しましょう。
トップコート塗り替えにかかる費用目安
環境と立地にもよりますが、メンテナンスをした場合の寿命は20年程度です。寿命を迎えた場合でも表面の状態が良好ならば、その上に再度、FRP防水層をつくることも可能です。
FRP防水5年目のトップコート塗り替え例
施工期間 2日 面積 12㎡ 費用 約4万円
5年前に施工したFRP防水をメンテナンスして長持ちさせたいとのことで、トップコートの塗り替えを行いました。ドレン周りを定期的に掃除されていたおかげで防水として目立つ問題はありませんでしたが、工事前には高圧洗浄、取り切れなかった汚れもしっかり削り落としてから塗り替えを行いました。
前回と同じグリーンのトップコートでピカピカになりました。また安心してご使用いただけます。
FRP防水の劣化症状
トップコートの塗り替えをせずに放置してしまった場合、FRP防水が寿命を迎えてしまった場合などには以下のような症状が現れることがあります。
大きな亀裂、ひび割れ
防水層の剥がれ
膨れ、浮き
雨漏りの危険性もあるので早めに点検、補修をご依頼ください。
症状がひどいケースでは防水層を一度全て撤去する、床(下地)から造りなおすなどの必要があります。
大きな亀裂、ひび割れ
細かいひび割れがやがて大きな亀裂になることがあります。トップコートが割れFRP防水層まで雨水が入り込んでしまっているかもしれません。
防水層の剥がれ
表面が剥がれて下に茶色く繊維のようなものが見えてきたらそれはFRPのガラス繊維ですから要注意です。剥がれた部分を除去してFRP防水を補修したり、上からウレタン防水を施工し直すこともあります。
膨れ、浮き
FRP防水の表面に膨れが起こってきたら、放置厳禁です。
下に水分が入り込んで逃げ場を失っている状態です。
FRP防水を施工した時にすでに下地が水分を含んでいたか、劣化した部分から水分が入り込んでいるかしているので、雨漏りになる可能性があります。
このような状態になったらまずは点検をご依頼ください。
適切なメンテナンス方法をご提案いたします。
また最近では、ベランダ・バルコニー壁面側のサッシとFRP防水立ち上がりとの取り合い(継ぎ目)から漏水するケースが増えています。床面だけでなく全体を見渡しチェックしてみてください。
FRP防水の部分的な浮きを切除し補修した例
住宅塗装工事のタイミングで、バルコニーFRP防水の浮き修理のご相談をいただきました。
バルコニー全体を確認し、問題があるのは一部だけと判断、該当部分のみを切除して新しいガラスマットを施工する部分補修工事を行うことになりました。
切り取った部分に新しくFRP施工、段差を無くすためのパテも埋めていきます。
最後に全面的にトップコートを塗りなおすことで施工跡もほとんど分からなくなりました。
FRP防水に限らず、一般的に防水工事には下地と防水層を密着させる密着工法と、下地と防水層の間に通気層を設ける通気緩衝工法(絶縁工法)があります。下地と防水層の間の湿気を排出できる通気緩衝工法の方が耐用年数は長くなりますが、施工費用もやや高くなります。
防水工事のことを調べていて「うちのベランダにはどっちの方がいいの?」「出来るだけ安く済ませたいのだけれど密着工法ではダメ?」とお悩みの方もいらっしゃるかも知れません。それぞれ特徴と、どのような場合に使われるのかを解説します。
密着工法
新築
下地の状態が良い場合のリフォーム
文字通り、下地の床に防水層を密着させて施工します。シンプルな工法で、多くは新築の際に用いられます。
通気緩衝工法(絶縁工法)
下地に雨漏りなどの問題がある場合のリフォーム
下地と防水層の間に通気用のシートを挟み込むことで下地からの水分、湿気を排出させることができます。防水層のリフォームの際にはよく採用されます。既に雨漏りしていて水分を含んでいる場合には特に、密着工法にしてしまうと水分の逃げ場がなくなり防水層が膨れたり破れたりしてしまうので、通気緩衝工法にしなければいけません。
他の防水方法との比較
ベランダ・バルコニーによく使われる防水方法の価格、耐用年数、工期をまとめました。FRP防水はやや価格が高いですが、施工が早く長持ちすることがお分かりいただけると思います。
ウレタン防水
ウレタン樹脂を塗り広げる塗膜防水で、FRP防水同様、ベランダやバルコニーなどによく使われる工法です。皆さんもよく知るウレタンなのでやや弾性のある仕上がりとなります。比較的安価で柔軟性があるので、木造の広い屋上にも向いています。
施工時には塗り重ねるごとに硬化を待たないといけないので日にちがかかります。
シート防水
防水性のあるシートを敷設していく防水方法です。以前はゴムシートも使われましたが、今は塩ビシートが主流です。広い場所をスピーディに施工できるためビル屋上などにもよく使われます。
ベランダ・バルコニーにも採用されますがデコボコの多い面には向いていません。劣化してきたらシートの端や継ぎ目のめくれに注意が必要です。不具合があれば部分的な張替えもできます。
ベランダ・バルコニーとなると毎日目にするせいか劣化や変化に気づきにくいようです。
雨漏りになって初めて「ベランダが雨漏り原因になると思わなかった」と仰るお客様もいらっしゃいます。
しかし毎日使う場所だからこそ安心して使用できるよう、万全の防水対策をご検討ください。FRP防水は他の防水方法と比べて少々値が張ることが難点に思われるかもしれませんが、木造住宅の場合もともと広い場所には向かない施工方法のため、その差はそれほど大きなものではなく、そしてそれ以上の防水効果が期待できると街の屋根やさんは考えます。
雨漏りしているので一刻も早く修理したい、防水工事が必要といわれたけれどよくわからない、そんな場合には街の屋根やさんまでお問合せください。現在の状態やお住まい全体の状況、お困りごとやご希望をお伺いし、ベストな工事をご提案させていただきます。
FRP防水のまとめ
●FRPは繊維とプラスチックの複合材です
●FRPは浴槽やプールといった水を溜める設備として使われているので防水性は最高です
●FRP防水はシームレスな防水層を形成でき、屋上駐車場の防水層に使われるほど頑丈で、錆びない・腐食しない、その上軽いという特長があります
●FRP唯一の弱点は伸縮性がないことで、変形の量が大きい木造の広いバルコニーやベランダの防水には不向きです。
●FRP防水は他の防水方法よりも少し費用が高めですがしっかりメンテナンスをしていれば耐用年数は12~20年程度と長めです
●密着工法と通気緩衝工法(絶縁工法)があり、リフォームの際には通気緩衝工法がよく採用されます
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