
HOME > アスベスト含有スレート屋根材の見分け方とリフォームの最適な解.....
更新日 : 2025年04月26日
更新日 : 2025年04月26日
戸建て住宅などの屋根において、最後にアスベスト入りのスレート(カラーベスト・コロニアル)が使われてから20年近くが経過しようとしています。
屋根葺き替え・屋根カバー工法などの大規模な屋根リフォームをそろそろ検討しなければならない時期に来ているお住まいも多いと言っていいでしょう。
有害と言われるアスベスト、それが含有された屋根材にはどのような改修が適切なのでしょうか?
また、アスベストが含まれていないスレートにも大きな問題がありますので、本ページではノンアスベスト屋根も含め、見分け方や屋根リフォームについて徹底的に解説していきます!
目次【表示】
アスベストと聞くと発がん性や中皮腫など、健康被害のイメージがどうしても付き纏ってしまいますよね。
ニュースでも散々大きく取り上げられてきた歴史もありますから、「何となく怖い・・・」といったイメージを抱いてしまっている方は多いと思います。
ましてや、ご自宅の屋根材にアスベストが含まれているなんてことになれば・・・想像するととんでもないことのような気がしてしまいますよね。
1970年代後半から繰り返し指摘されてきたアスベストの危険性。
多くの方がその危険性を認知しており、建物のさまざまな部分に用いられてきたことも報道などでご存知のことと思います。
現在、公共の建物の場合では、アスベストが使用された部分の封じ込めや撤去などの対策が進んでいます。
その一方で、対策が進んでいないとされているのが個人の所有する建物です。
屋根の分野で言えば、現在の一般住宅で最も普及している屋根材のスレート(カラーベスト・コロニアル)屋根にアスベストが含まれていた時代がありました。
2006年以前に建てられたお住まいで、当時のスレートが今も使用されている場合などがアスベスト含有の可能性に該当します。
まずはご安心いただければと思うのですが、実は屋根材にアスベストが含有されていたとしても、ほとんどの場合では今すぐ健康が脅かされるような危険性はありません。
スレート屋根は主材料であるセメントに繊維を加え、厚さ5㎜程に成形した薄い屋根材です。
主に「化粧スレート」として広く普及しており、日本では戸建て住宅を中心に多くの屋根に葺かれています。
そんなスレートでは1960年代〜2006年にかけて、強度や耐久性を向上させる目的でアスベストが混ぜられていました。
アスベストは混ぜるだけで耐久性や耐火性、断熱性などの屋根材としての性能を高める効果があったため、スレートだけでも「波型スレート」「化粧スレート」「軒天材のスレートボード」など、用途に応じた多様な製品に使用されていたのです。
当時を知らなければ意外かもしれませんが、アスベストの健康被害は1970年代から既に警鐘が鳴らされていました。
アスベスト(石綿)は繊維素材であるため、飛び散ると空気中に浮遊した状態になります。
それを吸い込んでしまうと、中皮腫や肺がんなどの重篤な健康被害を引き起こす可能性があると発覚したのです。
アスベストを含有するスレートの危険性は「レベル3(非飛散性)」に分類され、日常生活での健康リスクは低いとされています。
アスベストは、その繊維が空気中に浮遊した状態にあると危険であるといわれています。
すなわち、露出して吹きつけアスベストが使用されている場合、劣化等によりその繊維が飛散するおそれがありますが、板状に固めたスレートボードや天井裏・壁の内部にある吹付けアスベストからは、通常の使用状態では室内に繊維が飛散する可能性は低いと考えられます。
ただし、スレート屋根の改修や解体時には粉じん飛散のリスクがあるため、特別な処理が必要となります。
※屋根材としての健康被害リスクについてはページ後半で詳しく解説をしています!
アスベストの健康被害問題を受け、1990年代からは各メーカーからアスベストを含まない「ノンアスベストスレート」の開発・販売が始まったものの、実はこちらも別の問題を抱えてしまったという、屋根材業界にとって暗い背景があります。
2008年頃までに製造された初期のノンアスベストスレートは、とにかく早く劣化してしまいます。
脆くなった理由は単純で、それまで耐久性の要であったアスベストを抜いたことにあります。
本来であればアスベストを抜いても耐久性に問題がないかを十分検証してからノンアスベストのスレートを販売するべきでしたが、当時のアスベスト規制に対応するための時間的制約や各メーカーの競争といった要因が重なり、施工から10年前後でひび割れや剥離症状が目立つようなスレートが流通してしまったのです。
その反省を十分に活かし、現在のノンアスベストスレート製品は技術向上によって耐久性が飛躍的に改善されており、「コロニアルグラッサ」「コロニアルクァッド」などは約30年の耐用年数が期待できるものとなっています。
▼ノンアスベストスレートが心配という方へ!
石綿を1%以上含む屋根材の出荷が原則禁止になったのは2004年で、2006年にはさらに規制が強化されたことで0.1%以上の含有は認められなくなり、これ以降はアスベスト含有の建材が流通することはほぼなくなりました。
そのため、2006年以降に建設されたお家ではアスベスト含有の可能性がある建築資材は使われていないということです。
注意が必要な点として、2006年以前の全てのスレートにアスベストが含まれている訳ではありません。
先にご紹介しましたが、ノンアスベストスレートは1990年代から流通していますので、単純に2006年というボーダーラインでアスベストの有無を分けられないことは知っておいてください。
屋根材を大きく分けると瓦、スレート、金属になります。
このうち、アスベストを含んでいる可能性があるのは前述のスレート(カラーベスト・コロニアル)と粘土瓦以外の瓦、セメント瓦などです。
セメント瓦は厚型スレートと呼ばれることもあり、そのことから分かるようにその成分はほぼスレートと同じです。
釉薬(陶器)瓦、素焼き瓦、いぶし瓦にはアスベストは入っていません。
屋根材の詳細な製品名や製造番号が分かれば、石綿含有建材データベース(国土交通省・経済産業省運営)の他、日本石綿協会、ロックウール工業会、石膏ボード工業会のホームページで調べることも可能です。
製造番号までの詳細な情報となると、結局はスレートを剥がして裏面を確認するしかありませんが、屋根材の製品名や製造時期は図面に記載されていることがあります。
図面情報を元にデータベースで照合をかけることで、アスベストが含まれている屋根かどうかを見分ける目安とすることができます。
ただ、屋根リフォームを数多くしてきた経験上、図面に記載の情報とは異なる屋根材が使用されていたというケースを目の当たりにしたこともあるため、完全な特定は専門知識を持った業者による診断・調査が必須となってきます。
まずは簡単にご自宅の屋根がアスベストを含んでいるか調べてみたいという方向けに、アスベスト含有屋根材の判別フローチャートをご用意しました。
目安としてご活用ください!
これまでスレートの屋根材を販売していた大手メーカーと言えば、旧クボタ(2003年に松下電工(現パナソニック)と住宅外装建材部門を事業統合し、現在の社名はケイミュー)と旧セキスイルーフテック(現在は積水屋根システム株式会社)です。
それぞれの代表的なアスベスト含有スレート屋根材を見ていきましょう。
「私のお家の屋根、この製品かも」というものがあるかもしれません。
ただ、スレート(カラーベスト・コロニアル)は外観がいずれも似ているので、見分けるのが難しいことも覚えておいてください。
スレート屋根と言えば、真っ先に思い浮かぶデザインと形状をしています。
「コロニアル」は、旧クボタ(現ケイミュー)が取り扱っていた平板スレートの商品名であり、流通量が多かったため平板スレート全般を示す名詞として使われることもあるほど人気の商品です。
ケイミューで現在主流となっているノンアスベストの「コロニアルグラッサ」もこの「ニューコロニアル」と似ており、遠くから見分けるのは難しいでしょう。
1961~1986年まで販売されていた製品です。
▼コロニアルの関連ページ
縦の大きな切込みと下端の揃いがランダムになっているデザインが最大の特徴で、個性的でおしゃれなスレートです。
1982~1994年まで販売されていた製品で、製造年が新しい程アスベストの含有率が低くなっています。
後年には同じデザインで、ノンアスベストのアーバニーグラッサも登場しました。
製品名に「かわら」と付くことから分かるように、瓦を模したデザインで受けて大ヒットした製品です。
かわらUにはアスベストが含有されているもの(1975〜1990年)とされていないもの(1990〜2007年)があり、ノンアスベストの製品は数々の不具合が社会問題化しています。
アスベスト含有の屋根材だと判明した場合、どういった方法を取るのが適切なのでしょうか。
アスベストというとその危険性ばかりがクローズアップされていますが、屋根材に含まれている場合の危険性はかなり低いものとされています。
この判別はアスベスト含有建材の「石綿障害予防規則区分」における3段階の飛散レベルが参考になるため、ここで簡単にご紹介いたします。
アスベストは禁止されるまで、実にさまざまなものに使用されてきました。
その中でも危険とされているのが、最も飛散しやすいレベル1に分類される室内の天井や壁への吹き付けです。
室内ですからアスベストの濃度は必然的に濃くなりますし、日常生活の中で呼吸によって吸い込んでしまう可能性も高いのです。
対象的に、屋根材に使用されているアスベストはセメントに混ぜ込まれて固定されていますから、最も飛散しにくいレベル3に分類されます。
破砕や極端な劣化がない限り、屋根材に含まれるアスベストが飛散することはありえないのです。
よって、もしご自宅の屋根にアスベストが含まれていたとしても、普段の生活の中で吸塵してしまう可能性はほとんどないとされています。
※国土交通省:目で見るアスベスト建材(第2版)より引用
表のように、アスベストはその発塵性によってレベル1~3に分類されます。
このうち、最も発塵性が高く危険とされているのがレベル1で、建築基準法と大気汚染防止法が適用され、特別管理産業廃棄物に該当します。
スレートの屋根材は建築基準法と大気汚染防止法の対象外で、廃棄や処理に関しても特別管理産業廃棄物にあたらず、石綿含有産業廃棄物(非飛散性アスベスト)として処理されます。
アスベストが含有されている屋根材を完全に撤去してしまう屋根葺き替えか、アスベスト含有の屋根材を覆ってしまう屋根カバー工法が選択肢になります。
前述のように、スレートの屋根材はアスベストが飛散する可能性がほとんどありません。
安全性についてはどちらを選んでも差はほとんどないのです。
そうなると、問題はコストになります。
飛散レベルは1であるものの、屋根材撤去時にはどうしてもスレートが砕けたり割れますので、含有されているアスベストが空気中に舞ってしまいます。
そのため、屋根葺き替え工事では、アスベスト含有スレートの撤去・処分に特別な作業工程と費用が必要となります。
アスベストの飛散防止対策を徹底したうえで慎重な作業が求められ、処分方法も通常とは異なるのです。
したがって、葺き替え工事はカバー工法に比べて費用が高額になる傾向があります。
例えば、通常は「3,000円/㎡」が目安とされるスレート屋根の撤去・処分費用が、アスベストを含むと「+4,000円/㎡」となり、葺き替え工事の費用に大きな影響を与えることが分かります。
▼屋根葺き替え工事の関連ページ
屋根カバー工法の場合、屋根材を撤去しないのでアスベストの有無に関わらず廃材処理費は少なく済みます。
一見すると圧倒的に屋根カバーの方がお得なのですが、その次を想定することがアスベスト屋根のリフォームを選択するうえでは重要となります。
というのも、屋根カバー工法を行った屋根に再度、屋根カバー工法を行うことはできません。
屋根カバー工法を選択した後も長く住み続け、次回のリフォーム時期が来たとしましょう。
そこでは必然的に葺き替え工事を行うことになりますが、アスベストが含有されている屋根材が残っているため、カバー工法で被せた屋根と合わせ、解体・撤去には高額な費用がかかります。
もう一つの懸念点として、今よりもアスベスト含有スレートの廃材処理費が高くなっていてもおかしくない可能性が考えられます。
▼屋根カバー工法の関連ページ
このように、ただ安いという理由でカバー工法に決めるのではなく、アスベスト含有屋根のリフォームを考える場面では貴方とご家族のライフプランを考えることが最適に近い選択となりやすいのです。
アスベスト含有のスレートは、技術の進んだ現在のノンアスベストのスレート屋根と比べても優れた耐久性を持っていると言われています。
アスベストの持つ耐久性を向上させる効果は、最新技術を駆使しても同じレベルには到達していないのです。
注意したいのは、アスベストの危険性について誤った説明を行うことで工事を迫る業者についてです。
とにかく屋根の大型リフォームの契約を取ろうと、アスベストの健康上の危険性を理由に屋根工事を急かしてくる業者がいるようですが、決して焦る必要はありません。
☑ 屋根に含有されたアスベストは、そのままの状態であれば飛散するリスクが極めて低い
☑ アスベストを含んでいるスレートは耐久性が高い
この2点を抑えておくことで、焦った判断による契約は回避することができます。
スレート屋根のリフォームや解体を行う際、近年では「アスベスト事前調査」が法律で義務化されています。
調査を行うのは屋根工事の元請業者です。
設計図書などを用いた書面調査と実際に屋根に上って目視での調査を行い、建材の名前や製造年などを特定します。
もし対象のスレート屋根がアスベストの使用を規制した2006年以降に製造・着工されたものと確認できれば、「アスベストを含まないスレート」として工事を行うことが可能です。
もし含有の可能性がある場合には、実際に屋根材の一部を採取し、専門機関で成分分析を実施することでアスベストの有無を調べます。
分析結果や調査報告は「石綿事前調査報告システム」を通じ、各自治体へ提出しなければなりません。
アスベスト含有のスレートは工事の際に健康被害などのリスクがあるため、ここまでの調査が業者に義務付けられているのです。
2023年10月以降、このアスベスト事前調査を行うには「建築物石綿含有建材調査者」などの国から指定された資格の保有が義務化されました。
業者にスレート屋根の工事を依頼する際、必要に応じて担当者が必須資格を保有しているかどうかを確認しておくと安心できますね。
もちろん、街の屋根やさんではスタッフがアスベスト事前調査に必要な資格をしっかりと保有しております!
専門知識のあるスタッフが調査から工事まで対応させていただきます。
▼専用ページでアスベスト事前調査を詳しく解説!
スレート屋根の中でも、特に工場や倉庫といった大規模建築物に多用されてきたのが「波型スレート」です。
波型スレートには主に2種類あり、「大波スレート」と「小波スレート」に分けられます。
波型スレートも時期によってはアスベストを含んで製造されており、現存する多くの工場や倉庫で使用されています。
改修工事の際、葺き替え工事を選ぶと広い範囲での波型スレート撤去による高額な処分費用や粉じん飛散対策が課題となりやすいです。
そのため、特に大きな工場や倉庫の場合では既存の波型スレートの上に軽量な金属製の折板屋根を被せる屋根カバー工法の方が選ばれます。
カバー工法なら作業のほとんどが屋根上で済ませられるため、工場の生産ラインなどを停めずに改修を進められることも大きなメリットです。
▼工場屋根改修の関連ページ
耐久性に問題を抱えたノンアスベストスレートには特有の劣化症状を示すものが存在しています。
また、使用年数によってもある程度の目星をつけることができます。
ノンアスベストスレートの多くは1990年代後半から2008年頃にかけて販売されていました。
その期間に建てられたお住まいであれば、耐久性の低いノンアスベストスレートが施工されている可能性があります。
どの商品も、築10年近く経過するとひび割れや欠けなどの不具合が全体的に発生する傾向にあります。
最後に流通していた頃から考えると築15年以上経過しておりますので、明らかに屋根全体でひび割れや欠けといった不具合が目立つ場合にはノンアスベストスレートの問題を疑いましょう。
ニチハのノンアスベストスレートである「パミール」という商品は、ひび割れの他に層間剥離といった特有の劣化症状を引き起こすことが確認されています。
使用年数に加え、こうした劣化症状の特徴も屋根材を見分ける一つのポイントとなります。
問題のあるノンアスベストスレートは素材そのものの劣化が激しいため、塗装による補修はNGです。
通常のスレートと違い、塗膜を施して耐候性や防水性を高めたとしても屋根材自体の傷みは止まらず、すぐに劣化してしまうためです。
また、塗装の工程として必須な高圧洗浄に耐えられず割れてしまうことも想定されます。
そのため、基本的には屋根葺き替え工事か屋根カバー工法で新しい屋根材へとリフォームすることが解決方法として求められます。
アスベストを含まないスレートですので、撤去や処分には特別な費用が発生しません。
ノンアスベスト屋根に悩まされ、「この機に軽くて頑丈な金属屋根に葺き替えてしまいたい」と望まれるお客様も多いです。
アスベスト含有屋根材の代表商品としても紹介した「セキスイかわらU」には、アスベスト含有のものとノンアスベストのものが存在します。
このうち不具合を発生してしまったのはノンアスベストのセキスイかわらUで、とにかく脆いことが問題視されました。
ひび割れの他、至る所で剥離を起こしてしまうことがかわらUの特徴です。
しかも、同時期にアスベスト含有とノンアスベストのかわらUが流通していたため、なぜか問題のない建物と問題がある建物が出てくるという異常な状態になりました。
画像をご覧いただければ、屋根材としての機能を果たせてないことがお分かりになると思います。
画像をご覧いただければ、屋根材としての機能を果たせてないことがお分かりになると思います。
かわらUは瓦のような見た目通り、内側には隙間が存在しています。
そのため、他のノンアスベストスレートよりも踏み抜いてしまいやすく、専門のスタッフでさえ屋根に上がるのはかなり警戒しなければなりません。
絶対にご自身では上らないようにしてください。
ノンアスベストの新生瓦(スレート)として華々しくデビューしたパミールでしたが、その結果は思わしくないものでした。
屋根材がミルフィーユのように何層にも剥離し、剥がれて崩れやすくなるという致命的な欠陥を抱えていたからです。
ニチハはこの失敗を機にスレート屋根材市場から撤退してしまいました。
※金属屋根材市場では優れた商品を展開しています。
また、パミールを固定する釘にも問題がありました。
鉄釘の頭が腐食しやすく、錆びてもげたりすることで屋根材が落下してくるといった被害報告が上がっています。
この釘の腐食には、釘自体の問題に加えて「パミールが水を含みやすい」という特徴も関係しています。
パミールは他のノンアスベストスレートと異なり化学繊維ではなく植物由来の繊維を使って補強を試みたという背景があるのですが、その影響で他よりも水分を蓄えやすい性質となっています。
この含んだ水分によって結露が引き起こされ、鉄釘が腐食しやすい環境を作り出していたことも問題の要因だと考えられます。
ひび割れることや鉄釘がもげて固定力が失われることから、パミール屋根も踏んだ屋根材ごと滑落する危険性が非常に高いため、ご自身で上ることは絶対に避けてください。
● コロニアルNEO(ケイミュー)
元々、スレートと言えば「コロニアル」が大部分のシェアを占めていたため、ノンアスベストへと移行した後の主力製品としてコロニアルNEOが販売されました。
ただ、こちらも例に漏れず、脆く欠けやすいという耐久性の問題を抱えています。
施工件数が多い分、誤って塗装されているコロニアルNEOに直面する機会もあります。
知識の乏しい業者は「築年数の浅い家のスレート=塗装メンテナンス」程度の認識で屋根塗装工事を提案してくることがあるのです。
● レサス(松下電工)
レサスは2006年まで販売されていたノンアスベストスレートです。
300mm間隔で中央部に凹みの付いている形状が「コロニアルNEO」と少し似ているため、見分けを間違えてしまう方もいらっしゃいます。
層間剥離のような特徴的な症状ではなく、ひび割れや欠けが多く発生することで知られています。
● アーバニーグラッサ(クボタ)
大きなスリットを入れたランダムなデザインが特徴的なスレートですが、それゆえに割れやすいというデメリットを抱えていました。
アスベスト含有・非含有どちらの時期もあったため、確実に見分けるには製造年の確認が必要です。
1966年以降、建築資材として流通するようになったアスベスト、安価であることから公共住宅などにも使われていました。
問題となっているのは公共住宅の内装、特に天井などにアスベストが吹き付けられていたケースです。
二段ベッドの上で寝ていた子供が触ると跡がつく、むしると綿のようにふわふわしながら落下していくということから、それで遊んでいたという事例も確認されています。
このような吹きつけアスベストが用いられていた公共住宅は約2万戸とされており、現在では封じ込めや撤去などの対策が完了しています。
しかし、静かな時限爆弾と呼ばれるアスベストは、被曝してから20年以上後に健康被害が出ることも少なくないのです。
民間で使用されたアスベストは正確な記録がなく、その実態を把握することは難しいと言われています。
アスベスト含有の屋根材に関してのまとめ
●2006年以前に建てられた住宅のスレートにはアスベスト含有の可能性があります。建築時期や屋根材の種類、商品名からデータベースでの確認が行えますが、確実な特定は専門業者に調査を依頼しましょう。
●健康被害が心配されるアスベストですが、スレート屋根は「非飛散性」に分類され、通常の状態では健康上のリスクは低いです。ただ、リフォームで屋根材を剥がしたり、廃材として処分する場合には特別な工程や費用が必要になります。
●アスベスト入りの屋根葺き替えと屋根カバー工法は今後のライフプランを軸に選ぶと、先々での後悔を避けやすくなります。
●アスベスト規制前後に流通していたノンアスベストスレートは、耐久性に致命的な問題を抱えている商品が多いです。
この記事の監修者
富田 功義
▼保有資格
2級建築施工管理技士・雨漏り診断士・一般建築物石綿含有建材調査者
20,000棟以上の施工実績を持つ『街の屋根やさん』多摩川支店の支店長。
赤外線カメラを使用した雨漏り調査など、幅広いお悩み事に対応可能なリフォームアドバイザー。
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