屋根の専門家が教えます、屋根の勾配(角度)と屋根材の関係
更新日 : 2025年12月08日
更新日 : 2025年12月08日
普段、生活している限り、屋根のことはあまり気にしない方がほとんどだと思います。それでも、屋根というと大半の方は三角屋根を思い浮かべるのではないでしょうか。見慣れた街並みを思い出してください。大方の屋根には勾配(傾斜)が付けられています。
屋根勾配は雨水を効率良く流すのに必要です。積雪地ではその勾配を大きくして、雪が自然に落下するように屋根を作ることもあります。
屋根勾配は屋根材の種類、そして地域の平均的な気象条件(風速、降雨量、積雪量など)を考えて決められます。勾配が急な尖がった屋根、勾配がなだらかな平たい屋根、それぞれにメリット・デメリットがありますので、覚えておきましょう。

目次【表示】
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。動画で見たいという方はこちらをご覧ください!
↓ ↓ ↓
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。
動画で見たいという方は是非ご覧ください!

屋根の角度を示す「勾配数」の表し方
勺配数と言われる、屋根の傾斜の度合いの表し方には、次の3つがあります。
1.尺貫法勾配(寸法勾配)
水平距離10寸(303.03mm)に対して、高さが何寸あるかで表します。現在の日本では尺や寸といった単位は一般的ではないのですが、建築業界では今でも根強くこの呼び方が使われています。


※寸(すん)は、尺貫法における長さの単位であり、日本では約30.303 mmで、尺の10分の1と定義されます。寸の10分の1が分(ぶ)です。 ※1尺=10寸
2.分数勾配
水平距離と高さの比率を分数で表しています。上記の尺貫法勾配と基本的に同じ考え方ですが、こちらは約分された数字で表されること、『5/10』を『1/2』と表すこともあります。例えば、3/10とか5/10(1/2)と表します。


3.角度勾配
屋根の勾配の角度、そのものを表記したものですので、一般の方々には一番イメージが伝わりやすいのと思うのですが、建築の世界では一般的ではないようです。
例えば5寸(151.515mm)勾配だと、「26.5650゜」と少数点以下が細かい数字になってしまいます。


屋根勾配によって使用できる屋根材も異なってくる
非常に重要なポイントです。
例えば瓦屋根の場合、厚みがある瓦を重ねていく関係で実際の屋根の勾配に対し、それぞれの瓦の勾配は緩くなります。
屋根の上での雨水の流れや水切れの関係から屋根材ごとに最低勾配が決まっており、雨漏りのリスクを回避するためにも厳守しなければなりません。
瓦の場合、4寸勾配(約122mm・約21.8゜)が最低勾配に指定されています。

屋根の勾配と大きく関係しています
■ 各屋根材の最低勾配


※平葺き・横葺きの場合は3寸勾配以上




4寸勾配以上の屋根であれば、どの屋根材でも使うことができますので、屋根リフォームの際に利便性が高いと言えるでしょう(耐震性の関係でスレート(コロニアル・カラーベスト)から瓦といった重い屋根材への葺き替えはできないのでお気をつけください)。
屋根足場も必要としないので、コストパフォーマンスも高いといえます。新築や中古物件を購入する際は将来のことも見据えて、4寸勾配以上の瓦屋根がお勧めではないでしょうか。


勾配が大きな順に、急勾配・並勾配・緩勾配と呼ばれ、各々メリットとデメリットがあります。
急勾配の特徴(6寸勾配⦅約182.0mm・約31゜⦆以上の屋根)
角度があるので雨水が屋根に溜まりにくく、雨漏りしにくい。ただし、屋根面積が大きくなるので、コスト面では不利。


並勾配の特徴
(3寸~5寸勾配⦅約91.0~152.0mm⦆⦅約16.7゜~26.6゜⦆の屋根)
極めて一般的な屋根勾配で、日本で最も普及していると思われる。水はけ・デザイン性・コスト面など、色々な利点があるスタンダードな勾配です。


緩勾配の特徴(3寸勾配⦅約91.0mm・約16.7゜⦆以下の屋根)
雨水が屋根の上に留まっている時間がやや長くなりそうと心配される向きもありますが、落雪防止などの観点から、雪国などでは多く採用され、屋根の軒先に近い部分にアングルをつけるなども行われます。



お洒落な屋根にしたいと思っても、屋根勾配によって使用できる屋根材は変わってきます。
屋根材によっても屋根リフォームで選択できる屋根材が限られます。
新築、もしくは中古物件を購入する場合は将来のことも考えた上で、屋根を重要視することも大事なのです。
この記事の監修者

富田 功義
▼保有資格
2級建築施工管理技士・雨漏り診断士・一般建築物石綿含有建材調査者
20,000棟以上の施工実績を持つ『街の屋根やさん』多摩川支店の支店長。
赤外線カメラを使用した雨漏り調査など、幅広いお悩み事に対応可能なリフォームアドバイザー。
関連するブログ一覧
世田谷区上馬にて劣化した瓦棒屋根を野地板から一新!葺き替え工事の全工程を徹底解説
今回は、世田谷区上馬にて行われた、瓦棒屋根の葺き替え工事の様子を詳しくご紹介いたします。 瓦棒屋根とは、金属板を心材と呼ばれる木材(瓦棒)に被せて葺き上げる、かつての日本の住宅で非常に多く採用されていた伝統的な屋根の形状です。 緩やかな勾配の屋根にも対応でき、雨漏りしにくいという優れたメリットを持っているため、現在でも多くの住宅でその姿を見ることができます。 しかし、長年風雨や紫外線の影響を受け続...続きはこちら
練馬区中村にて雨樋のオーバーフローと歪みを確認!雨樋交換工事をご提案いたしました
現地調査 練馬区中村にお住まいのY様より、「雨が降ると雨樋から水が溢れてしまう」とのご相談をいただき、現地調査へお伺いいたしました。 雨樋は屋根に降った雨水を適切に排水する大切な設備です。 しかし、土や落ち葉の堆積、経年劣化、歪みなどが発生すると、本来の排水機能が損なわれ、オーバーフローを引き起こしてしまいます。 今回は街の屋根やさんが、詳しく点検を実施いたしました。 まず屋根上から確認すると、集...続きはこちら
練馬区西大泉で歪んだ雨樋を雨樋交換で解消!機能回復と建物保護の重要性とは?
はじめに 今回は、練馬区西大泉の住宅で実施した雨樋交換工事の様子をご紹介いたします。 雨樋は普段あまり意識されない部分ですが、実は建物を守る非常に重要な役割を担っています。 特に、歪みやたわみが発生すると排水機能が低下し、外壁や基礎へ悪影響を及ぼします。 この記事では、実際の施工写真をもとに、劣化の状況から交換工事までの流れを詳しく解説します。 雨樋の歪みはなぜ起こるのか 雨樋の歪みは、以下のよう...続きはこちら
関連する施工事例一覧
- 墨田区東向島で割れて脱落したスレートの復旧作業|街の屋根やさんが教える屋根修理工事の全工程
-
【施工内容】
屋根補修工事
- 【調布市つつじヶ丘】突風による倒木で破損した雨樋を交換工事しました|雨樋交換工事の施工事例
-
【施工内容】
雨樋交換
- 八王子市下恩方で半丸樋から角樋へ!排水能力を高める雨樋交換工事の全工程を徹底解説
-
【施工内容】
雨樋交換
あなたの近くの街の屋根やさんはこちら
街の屋根やさんは東京都以外にも神奈川県、千葉県などでも屋根工事を承っております。日本全国に展開中ですので、貴方のお住まいの街の屋根さんをお選びください。
















































































































































































































































