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更新日 : 2025年05月23日
更新日 : 2025年05月23日
屋根の葺き替え(ふきかえ)は、お住まいの屋根を新しく生まれ変わらせるための重要なリフォーム工事です。
普段の生活ではあまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、屋根の状態に合わせて適切なタイミングで葺き替えを行うことで雨漏りを防ぎ、大切な住宅の寿命を延ばして安全かつ快適な暮らしを守ることができます。
特にリフォーム初心者に向けたガイドとして、本記事では屋根の葺き替え工事の具体的な内容や、他の屋根工事との違い、多くの葺き替え工事を施工してきた街の屋根やさんのオススメ屋根材などをご紹介いたします!
目次【表示】
屋根工事の現場でよく用いられる言葉の「葺く(ふく)」とは、屋根材を一面に敷き詰めて仕上げる作業を指します。
葺き替え工事以外にも、「葺き直し」や「重ね葺き」などの屋根リフォームに関する用語に含まれていることが多いです。
「屋根の葺き替え」はこれまで使用していた屋根材を撤去し、新しい屋根材に一新する工事です。
屋根材だけでなく、下に敷かれている野地板(のじいた)やルーフィングといった下地材も新しくします。
野地板は雨漏りによって腐食が発生していたりしなければ、基本的には剥がさないまま新しい構造用合板を増張りすることが多いです。
傷み切っていたり、使用を続けることで今後の屋根の耐久性に問題を発生させる恐れがある状態と判断された場合には、ルーフィングと合わせて交換を行うこともあります。
葺き替え工事を簡単にまとめると、古くなった屋根全体を解体し、新築時あるいはそれ以上の性能を持った屋根に作り替えるリフォームとなります。
下地まで含めて最新の建材へと交換することで耐久性や断熱性、防水性の向上を果たせます。
先程も軽く触れましたが、「葺き替え」以外にも「葺く」という言葉が含まれる屋根工事があります。
「葺き直し」は、主に瓦屋根に用いられる工事です。
一旦は瓦を全て、もしくは部分的に取り外し、防水シートや下地の補修を行った後に、元の瓦を再び葺くといった工法です。
葺き直す際に破損や劣化がある瓦のみ新しいものに交換することもあります。
瓦屋根でしか対応できない工法であり、スレートや金属屋根には適用できません。
既存の瓦を再利用できるため葺き替え工事に比べて費用を抑えられると思われがちなのですが、実は同じくらいの金額になることが多いです。
理由として、葺き直し工事での瓦はただ外して戻すのではなく、それぞれに番号を振って同じ位置に戻すという労力が生じるためです。
瓦は同じ形に見えて、施工の際には細かく割ったりして形・配列を整えながら葺きます。
そのため、同じ場所に同じ瓦を戻して並べないと元通りに上手く仕上げられないのです。
また、既に新築・増築での瓦屋根の施工にはガイドライン工法が義務化されていますので、今後は葺き直し工事でも費用が今以上にかかりやすくなることが予想されます。
▼葺き直し工事の関連ページ
「重ね葺き(カバー工法)」とは、現在の屋根材を撤去せず、その上から新しい屋根材を被せる工法です。
この方法は葺き替え工事に比べて工期が短く、費用も抑えられるというメリットがありますが、新しい屋根材は既存の屋根の下地に固定しますので、下地の劣化状況次第では行えない可能性もあります。
▼重ね葺きの関連ページ
葺き替え工事のメリットとデメリットについて、詳しくご紹介いたします。
〇屋根葺き替え工事のメリット
×屋根葺き替え工事のデメリット
屋根葺き替え工事では既存の屋根材をすべて撤去し、防水シートや野地板などの下地部分まで新しく施工します。
※野地板は基本的に新しい構造用合板を重ねて張ります。野地板まで交換するケースは、雨漏りなどで腐食が発生している場合などです。
屋根全体の性能がリセットされることで、新築同様の防水性・耐久性を獲得することができるのです。
雨や風から住まいをしっかりと守ることができ、結果的に建物自体の寿命延長にもつながります。
▼屋根下地の関連ページ
古い屋根材をすべて撤去する葺き替え工事では、新たな屋根材を自由に選定できる点も魅力のひとつです。
現在では軽量かつ耐久性に優れた金属屋根(ガルバリウム鋼板・エスジーエル鋼板など)や、デザイン性と機能性を兼ね備えた軽量瓦(ルーガなど)などが選択肢に入ります。
特に高耐久の金属屋根材は30年~40年近い耐用年数があり、それに合わせた耐久性の下地材を組み合わせることで長期に渡りリフォームの必要がない丈夫な屋根にすることが可能です。
既存の屋根構造によっては制限がありますが、選択肢が広がることで屋根全体の印象と性能を一新できるのです。
葺き替え工事は防水シートの破れや野地板の腐食など、屋根から発生する雨漏りの原因を根本から解消できるチャンスです。
雨漏りを放置すると構造材まで傷みが進んでしまう恐れがあります。
葺き替え工事なら「怪しい箇所を直してみたけど雨漏りが解決できなかった」ということは起きず、根本から原因を対処することができます。
▼雨漏り関連ページ
重量のある瓦屋根から軽量な金属屋根への葺き替えを行うことで建物全体の重心が下がり、地震の揺れによる負担が軽減されます。
屋根が軽量化することでお住まいの駆体への負担も減り、全体の耐久性・耐震性アップが見込めるのです。
▼金属屋根へ葺き替えた場合の軽量化効果
屋根材 | 1㎡あたりの重量 | 葺き替え後の効果 |
---|---|---|
瓦屋根 | 約60kg | 約1/10まで軽量化 |
スレート | 約20kg | 約1/4まで軽量化 |
アスファルトシングル | 約12kg | 約1/2まで軽量化 |
金属屋根 (ガルバリウム鋼板) |
約5kg | – |
また、瓦屋根であっても、従来の土葺きから「引掛け桟工法」へ変更することで大幅な軽量化が可能です。
さらに、構造用合板で野地板を増し張りすることで、下地の強度を高めることも可能です。
▼関連ページ
葺き替え工事は屋根材の撤去・下地の補修・新規屋根材の施工など、他の屋根リフォームと比べても工程数や必要な資材量が多くなるため、高額になる傾向があります。
費用は屋根の広さや形状、既存屋根材、新たに使用する屋根材、下地の劣化状況によって異なりますが、基本的には110万円~220万円がおおよその相場となり、それ以上の金額がかかるケースも珍しくありません。
特に、アスベストを含むスレート材を撤去する場合は、特別な処分費用が必要となり、さらに費用がかさむこともあります。
工事の際には、屋根材の撤去時に大きな音やほこり等が発生することがあり、普段の生活にも影響が出やすいです。
また、工事期間中は足場の設置や資材の搬入、廃材の保管場所として、敷地の一部が使用される場合もあります。
どの工事でも敷地をお借りしたり足場を組むことがほとんどですが、葺き替え工事はその期間が比較的長いのです。
工事期間はおおよそ7日から10日程度が目安ですが、天候によって延びることもあります。
屋根材に多数のひび割れがあったり、錆による穴あき、補修では対応できないほどのひどい被
害がある場合などです。
屋根から雨漏りが発生しているということは、屋根材の下にある防水シートが機能を失っている状態です。
雨漏りを放置すると下地の野地板や垂木が腐食し、さらに構造材まで傷んでしまうため、早急な対応が必要になります。
葺き替え工事では劣化した下地を含めて新しくするため、雨漏りの根本的な解決につながります。
カバー工法(重ね葺き)では修繕ができない野地板の傷みが進行していると、葺き替えが必要になります。
街の屋根やさんでは屋根に上った際の歩行時の沈み込みなどから野地板の劣化を診断し、必要に応じて屋根裏を確認させていただくなどの調査を実施、葺き替えが必要かどうかをしっかり見極めます。
長年メンテナンスがされていない屋根や築30〜40年を超える住宅では、屋根材・下地材ともに寿命を迎えている可能性があります。
屋根材に問題が無いように見えても、その内側の防水シートは30年前後で防水機能が著しく低下していることが多いため、築年数はリフォームを検討する重要な指標となります。
使用している屋根材や立地環境によって、葺き替えのタイミングには差があります。
以下はあくまで一般的な屋根材ごとの葺き替えタイミングの目安です。
屋根材 | 葺き替えタイミング(目安) |
ガルバリウム・SGL鋼板屋根材 | 30年~40年 |
自然石粒仕上げ金属屋根材 (ガルバリウム・ジンカリウム) |
30年~40年 |
スレート (コロニアル・カラーベスト) |
25年~30年 |
粘土瓦 | 30年~40年 |
セメント瓦・モニエル瓦 | 30年~40年 |
アスファルトシングル | 20年~30年 |
粘土瓦は60年以上の耐用年数を誇りますが、下地の寿命が30年~40年前後で迎えることになるため、それを基準としたタイミングを参考にしましょう。
▼屋根材の耐久性について
現在の屋根葺き替え工事では、金属屋根材が非常に多く選ばれています。
中でも「ガルバリウム鋼板」やその進化版である「SGL鋼板」は高い人気を誇っています。
金属屋根材が葺き替え工事で選ばれやすい理由を見ていきましょう。
金属屋根の大きな特徴の一つは、その軽さです。
瓦屋根が1㎡あたり約50〜60kgあるのに対し、金属屋根はわずか約5〜7kg程度。
約10分の1の重さに抑えられており、屋根を軽量化することで建物全体の重心が下がるため、地震時の揺れを抑える効果を発揮します。
実際、金属屋根材の使用率が大きく伸びたのは東日本大震災の後であることがわかっています。
葺き替え工事で屋根材を変えるとき、多くの方が屋根の軽量化を重視するようになったため、屋根材の中でも最も耐震性が高い金属屋根が選ばれているのです。
ただ「軽いこと」だけが金属屋根を選ぶ理由なのであれば、ずっと昔から日本の屋根材として使われてきたトタン屋根が数を減らしたことに説明が付きません。
トタンに次ぐ金属屋根の主流となったガルバリウム鋼板・ジンカリウム鋼板・SGL鋼板はどれもが高い耐久性を持ち、錆に強いという特性を持っています。
耐用年数は30年を超えるため、錆へのケアや予防に注意さえすれば、長期間にわたり安定した性能を維持できる点がトタン屋根との明確な違いです。
瓦屋根やスレートのように飛来物などで割れてしまう心配も少なく、災害時のリスクが比較的少ないことも評価を高めているポイントです。
▼関連ページ
ここでは、街の屋根やさんの葺き替え工事でも多く採用されている代表的な金属屋根材をご紹介します。
スーパーガルテクトは耐久性に優れた「SGL鋼板」を使用した屋根材で、従来のガルバリウム鋼板と比べて約3倍の耐食性(錆にくさ)を誇ります。
断熱材が一体化しているタイプでは、夏場の屋根裏温度を大幅に下げる効果が期待でき、快適な室内環境づくりにも貢献します。
商品名 | メーカー | 商品詳細 |
---|---|---|
スーパーガルテクト | アイジー工業 | 解説ページ |
▼スーパーガルテクトを使用した施工事例
工事費用 約169.5万円 施工期間 10日間
雨漏りでお困りとのお問い合わせをいただき、防水シートの傷みと腐食した野地板の修繕として葺き替え工事を実施いたしました。
下地材から新しくなったことで、ずっと解決できなかった雨漏りも止まったと喜んでいただけまし
た。
「エコグラーニ」や「ディプロマットスター」は石粒付きの金属屋根材で、高級感のある自然石仕上げが特徴的。
鉄部の表面を自然石粒で保護しているため、飛来物との衝突による傷を防ぎ、錆の原因を発生させにくい構造になっています。
潮風で運ばれてくる塩分との接触も避けることができますので、塩害といった金属屋根の弱点もカバーしています。
実は、ディートレーディング製の石粒付き金属屋根材はスーパーガルテクトよりも製品保証の対象地域が広いです。
スーパーガルテクトは沿岸部から500m離れていることが一部保証の条件となっています。
一方、ディートレーディング製の石粒仕上げ金属屋根材は海から5m離れていれば保証対象となり、スーパーガルテクトよりも格段に短い距離を対象範囲としているため、塩害に対する強さへの自信が見受けられますね。
表面の石粒のおかげで塗装メンテナンスも不要なため、メンテナンスコストが低く、街の屋根やさんでは特におすすめしている金属屋根材商品となっています。
▼関連ページ
商品名 | メーカー | 商品詳細 |
---|---|---|
エコグラーニ | ディートレーディング | 解説ページ |
ディプロマットスター | ディートレーディング | 解説ページ |
▼エコグラーニを使用した施工事例
工事費用 約150万円 施工期間 8日間
「屋根が剥がれそうになっている」と指摘を受けたというお問合せをいただき、棟板金が外れてしまっている状況を確認。
棟板金だけではなく、スレート屋根全体の劣化が進んでいたため、オススメの自然石粒仕上げの金属屋根材「エコグラーニ」で葺き替え工事を行いました。
▼金属屋根についての関連ページ
耐震性・耐風性に優れた構造で施工されるハイブリッド瓦は、従来の瓦に比べて軽量化されており、瓦屋根の外観や雰囲気を残しつつ地震や台風に備えたい方におすすめです。
代表的な商品ですと、ケイミューが販売している「ROOGA」が葺き替え工事で使われることの多いハイブリッド瓦です。
商品名 | メーカー | 商品詳細 |
---|---|---|
ROOGA(ルーガ) | ケイミュー | 解説ページ |
コストを抑えたい場合には、「アスファルトシングル」という選択肢もあります。
カラーバリエーションが豊富で、リッジウェイのようなデザイン性の高い製品も人気です。
商品名 | メーカー | 商品詳細 |
---|---|---|
リッジウェイ | 旭ファイバーグラス | 解説ページ |
▼アスファルトシングルの関連ページ
屋根材の選定では現状の屋根材や建物構造の条件により、使用できる種類が限られる場合があります。
その判断基準の一つが、屋根材の重さです。
例えば、現在ですでに軽量な金属屋根を使用している場合、重たい瓦屋根への葺き替えは構造上難しいとされています。
これは、建物自体が金属屋根の重量を前提に設計されているため、重い瓦屋根にすると耐震性に問題が発生する可能性があるためです。
一方で、もともと瓦屋根の建物であれば同様の重さまでは対応できるため、瓦屋根を継続することも可能です。
また、軽量なハイブリッド瓦を採用したり、「土葺き工法」から「乾式工法」に変更したりすることで、瓦屋根のままでも軽量化を図ることができます。
▼関連ページ
約30坪(屋根面積が60㎡)程度の一戸建て住宅であれば、相場としてはおおよそ110万円〜220万円前後が目安となります。
ただし、この金額はあくまでも目安であり、以下のような要素によって費用は変動します。
☑ 既存屋根材の種類(瓦屋根・スレート屋根 など)
☑ 新しく使用する屋根材のグレード
☑ 屋根下地の傷み具合や補修の必要性
☑ 足場の仕様や資材の価格高騰
☑ アスベストの有無
以下は主なケースごとの参考価格帯です。
葺き替え内容 | 費用目安 |
瓦屋根→金属屋根 | 約150万円~200万円 |
スレート屋根→新しいスレート屋根 | 約100万円~150万円 |
スレート屋根→金属屋根 | 約130万円~180万円 |
各工程 | 内容 | 費用目安 |
---|---|---|
足場仮設 | 足場代 | 15万円~25万円 |
足場仮設費用単価 | 700円~800円/㎡ | |
養生用メッシュシート | 150円/㎡ | |
既存屋根材の撤去・処分 | スレート屋根の撤去・処分 | 3,000円/㎡ |
アスベスト含有の場合 | +4,000円/㎡ | |
瓦屋根の撤去・処分 | 3,500~5,000円/㎡ | |
下地補修 | 野地板 | 3,000円~4,000円/㎡ |
防水紙 | 1,000円~1,500円/㎡ | |
新規屋根材の施工 | スレート屋根 | 4,000円~8,000円/㎡ |
金属屋根(SGL鋼板) | 9,000円~12,000円/㎡ | |
瓦屋根 | 9,000円~16,000円/㎡ |
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屋根葺き替えはコストの高いリフォームになるため、複数の業者から見積もりを取って金額を比較することが大切です。
もし見積もりを依頼した唯一の業者が通常ではありえないような高額な工事費用を請求していたとしても、「我が家の場合はこれくらいが普通なのかも……」と信じてしまう可能性があるほど、葺き替え工事はお住まいによって金額が異なります。
そのため、ご自宅の屋根リフォームにおける実際の相場というのは、相見積もりで複数業者に提示してもらった金額の価格帯を参照にするべきなのです。
それぞれの提案内容や費用の内訳を丁寧に確認し、ご自身のご希望に合ったプランを選ぶことで、後悔のないリフォームにつながります。
相見積もりは依頼する業者が多すぎても、全ての見積もりが出揃うまでに時間がかかったり、連絡を取り合う数が増えてお客様自身が工事前から疲弊してしまったりといった注意点がございます。
街の屋根やさんとしては、3社程度に依頼するのがベストとご紹介しています。
また、相見積もりは既に一般的な業者選びの手段となっていますが、だからこそ悪徳業者はとにかく安く見積もりを出して契約を取ろうとする傾向が強くなりました。
実際には屋根の建材として適さない耐久性のもの……例えば野地板に構造用合板ではなくベニヤ板を使用して価格を抑えようとするケースなどが報告されており、安いという理由だけで選ぶことも注意が必要となっているのです。
近年では相見積もりに便利な「一括見積もりサイト」がインターネット検索で上位に表示されますが、そこでも注意するべきポイントが存在しています。
以下の関連ページで詳しくご紹介しておりますので、葺き替え工事の業者選びではぜひ参考にしてみてください。
▼関連ページ
特に築年数の古いスレート屋根には、かつて健在によく使用されていたアスベストが含まれている可能性があります。
2022年4月からは、原則としてスレート屋根の解体・改修工事における事前のアスベスト調査が必須となり、100万円を超える改修工事においてはアスベスト含有の有無を行政へ事前報告することが義務化されました。
さらに、2023年10月以降は有資格者による調査も必要となっています。
これは、工事を依頼する側(施主様側)にも責任が課せられる「両罰規定」があるため、非常に重要なポイントです。
業者を選ぶ際はアスベスト調査資格の有無も確認すると安心です。
もちろん、街の屋根やさんは国指定の資格を取得したスタッフがアスベスト調査から工事まで担当いたします!
▼関連ページ
2025年4月の建築基準法改正により、一般住宅のリフォームも建築確認申請の対象に入りやすくなります。
特に葺き替え工事では、野地板(下地)を張替えるような工事は申請の対象となる可能性があります。
一方で、国土交通省の見解では、「野地板を変更しない葺き替え工事は対象外」とされています。
※あくまで判断基準です。国土交通省が提示している資料には「実情に応じて判断すること」と記載されています。
参照:国土交通省資料「木造戸建の大規模なリフォームに関する建築確認手続について」
野地板は屋根材や防水紙を支える重要な下地材です。
葺き替え工事では既存の野地板の上に新しい野地板を重ね張りする方法がよく用いられますが、その際には「構造用合板」を選ぶことが大切です。
ホームセンターなどで販売されている普通合板やコンパネは耐震性・耐久性に劣ります。
工事費用を下げて契約を結ぼうとする業者は十分な強度を持った構造用合板ではなく、上記の普通合板やコンパネを使うことがあります。
見積書や事前の打ち合わせで野地板に何を使用するのかも確認し、業者選びの判断基準になります。
街の屋根やさんでは、基本的に野地板には厚さ12mm以上の構造用合板を使用しています。
普通合板 | 構造用合板 | コンパネ | |
---|---|---|---|
主な用途 | 家具・内装 | 建物の構造部材 | コンクリート型枠 |
強度・耐久性 | 低い | 高い 基準検査あり |
中程度 (再使用不可) |
耐水性 | 弱い | 高い (外部私用可) |
表面は耐水性あり |
規格 | JAS非対応の 製品も多い |
JAS規格準拠 (構造性能検査済) |
JAS型枠用合板 (構造用途ではない) |
屋根下地での適性 | × | ◎ | △(推奨されない) |
前述した野地板と同じ「屋根下地」に含まれる防水紙においても、葺き替えでは抑えておきたいポイントがあります。
防水紙(ルーフィング)は屋根材の下に敷かれ、雨水を遮断する防水機能の最終防衛ラインです。
万が一、屋根材が破損しても防水紙がしっかりと機能していれば雨漏りは防げます。
しかし、防水紙が劣化すると雨漏りの直接的な原因となってしまいます。
現在では高耐久の防水シートも多く出てきています。
せっかく40年近く耐久性を維持できるSGL鋼板などの金属屋根材で葺き替えをしても、20年程度で傷んでしまうような防水シートを使用すると雨漏りのリスクを抱え続けることになります。
長く安心して暮らすためにも、葺き替えで使用する屋根材の耐久性に合わせて防水性能が長持ちする製品を用いたリフォームをオススメします。
後悔しない葺き替え工事を行っていただくため、街の屋根やさんでは以下のポイントをしっかりと抑えながらお客様と屋根リフォームを進めています。
お問い合わせの中には、「屋根カバー工法を考えているけど、葺き替えが必要なのかも調べてほしい」といったご要望も多くいただきます。
カバー工法は葺き替え工事よりも費用を抑えて屋根リフォームできることが大きなメリットなのですが、野地板の状態などでカバー工法が行えるかどうかは変わります。
街の屋根やさんでは屋根上を調査する際、歩いた感触で野地板の傷みを確認し、必要に応じて屋根裏を直接見させていただくこともあります。
カバー工法で問題がないか、それとも葺き替えが必要な常態か、しっかりと診断をしたうえで最適な工法をご提案しております!
街の屋根やさんはご提出するお見積書で「何にいくら金額が発生しているか」をしっかりとご提示しております。
☑ 葺き替え工事の各工程で使用する建材の情報
☑ 各工程で発生する費用
これらの情報を記載し、工事内容の透明性を確保したうえでご提案やお打ち合わせを進めさせていただきますのでご安心ください。
▼関連ページ
本ページでも何度かお伝えしてきましたが、葺き替え工事後に後悔しないためにも、使用する建材には一定以上の水準を設けることが重要です。
工事費用を抑えるため、野地板に厚みの薄い普通合板やコンパネを使用したり、耐久性の高くない防水シートを用いていたりといった事例も過去に見たことがあります。
街の屋根やさんでは、自信を持ってオススメできる建材のみを使用して工事を行い、その様子は施工事例ページで写真とともに公開しています。
大きな金額が必要になり、今後数十年は安心して暮らすための屋根葺き替え工事だからこそ、お客様が後悔しないためのプランをご提案させていただきます!
この記事の監修者
富田 功義
▼保有資格
2級建築施工管理技士・雨漏り診断士・一般建築物石綿含有建材調査者
20,000棟以上の施工実績を持つ『街の屋根やさん』多摩川支店の支店長。
赤外線カメラを使用した雨漏り調査など、幅広いお悩み事に対応可能なリフォームアドバイザー。
台風被害で瓦屋根が壊れた?雨漏りを防ぐための修繕ポイントを解説!
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屋根は建物の中でも最も過酷な環境にさらされる部分です。日差し、風雨、雪などから私たちの住まいを守ってくれています。 しかし、年月が経つと屋根材も劣化し、雨漏りなどの問題が生じることがあります。そうしたトラブルを未然に防ぐために大切なのが、「適切なタイミングでの屋根リフォーム」です。 とくに「屋根材の耐用年数」を知っておくことは、適切なタイミングでメンテナンスをするために非常に重要です。この記事では...続きはこちら
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【施工内容】
屋根葺き替え 瓦屋根葺き替え
【施工内容】
瓦屋根工事
【施工内容】
屋根葺き替え
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