【エスジーエル(SGL)鋼板】ガルバリウム鋼板に変わる次世代の屋根材
更新日 : 2023年02月27日
更新日 : 2023年02月27日
屋根の葺き替えやカバー工法を行う際に、今注目の「エスジーエル(SGL)鋼板」の金属屋根材を業者からすすめられている方も多いのではないでしょうか。
街の屋根やさんでも、エスジーエル鋼板を使った屋根材についてお客様からお問合せをいただくことが増えています。
エスジーエル鋼板は表面処理めっき鋼板の最高峰といわれ、錆びにくい効果があり腐食しやすい環境でもガルバリウム鋼板より耐食性に優れた屋根材です。ガルバリウム鋼板に変わる次世代の優れた屋根材として、今注目の的になっているのです。
・エスジーエル鋼板の何が良いのか?
・本当に信頼できる建材なの?
今話題の長持ちする金属製建材「エスジーエル鋼板」について詳しく紹介します。
目次【表示】
今注目されているエスジーエル鋼板とは、どのような鋼板なのか、まずは簡単に説明しましょう。
今までの住宅は使われている建材の耐久性が低く、30年もすれば建て替えが当たり前の「フロー型」になっていました。しかし、近年の建材は進化し耐用年数も長く、より長持ちさせる「ストック型」の時代へと変わってきたのです。
その為めっき鋼板の製品も例外ではなく、より錆びにくいものが求められるようになりました。つまり、長持ちする材料を使った住宅が評価される時代になったということです。
このようなニーズに日鉄鋼板株式会社はガルバリウム鋼板製造の先駆者として、積み上げた経験と最新の技術開発で、今までよりも高い耐食性を持つ次世代ガルバリウム鋼板を作りました。
それが、今注目されているエスジーエル鋼板なのです。
ガルバリウム鋼板とはどう違う?
簡単に言えば、エスジーエル鋼板とガルバリウム鋼板は表面のめっきの成分が違います。
エスジーエル鋼板は、アルミと亜鉛で作られたガルバリウム鋼板のめっきにマグネシウムを添加することで、ガルバリウム鋼板の約3倍の耐食性を実現しました。
その性能は、塩害のある沿岸部の地域や雨が多く湿度の高い地域などの腐食しやすい環境であっても高いパフォーマンスを実現しています。特に、腐食しやすい切断部分、傷の付いた部分などに耐食性の効果が現れています。
このようにエスジーエル鋼板は、ガルバリウム鋼板の性能をより向上させた製品ということが分かります。
最近の金属屋根材やその他の建材にはガルバリウム鋼板が主流で採用されることが多いと思います。
しかし、このエスジーエル鋼板はさらに耐久性をアップさせた材料で、ガルバリウム鋼板に変わって主流になっていく可能性が高い屋根材なのです。
今、注目の屋根材として、これからの時代に合った高性能で高耐候性のある製品となるでしょう。
これから屋根をリフォームされる方は、一度エスジーエル鋼板製屋根材も選択肢の中に入れて検討されることをおすすめします。これだけ長持ちする金属屋根材は他にありません。街の屋根やさんでも自信をもっておすすめできます。
金属屋根最大の問題「錆」
金属製の屋根材となれば、気になるのが経年劣化による「錆」ですよね。
昔のトタン屋根を想像すれば分かるように、長い年月が経つと錆が発生してきます。その錆を何とか食い止める、錆びにくい素材の屋根材が金属屋根の最大のテーマになっていました。
それが、耐食性の優れたガルバリウム鋼板であり、より進化したエスジーエル鋼板なのです。
錆びにくい金属屋根材
つまり、エスジーエル鋼板の何が良いかというと、錆びにくく長持ちするという最大のテーマをクリアした製品だということになります。
※試験方法 JIS H 8502(サイクルの内訳:塩水噴霧 2h 5%NaCl・35±1℃ 乾燥 4h 60±1℃・20~30%Rh 湿潤 2h 50±1℃・95%Rh以上)
※日鉄鋼板株式会社カタログより画像参照
特にめっき鋼板の場合、切断部分や傷がある部分は、どうしても錆やすくなります。
強風時に屋根に枝がぶつかって傷を作ってしまった、ということは珍しくありません。そうでなくとも、金属屋根を施工する際には屋根の形に沿って加工しますから、切断部分が生まれます。
エスジーエル鋼板はこうした部分の腐食進行を強力に抑制するのです。
また、海の近くにお住まいの方にもエスジーエル鋼板はおすすめです。錆に強いということは、塩害にも強く沿岸部の住宅の屋根外壁に適しています。
※試験方法 JIS Z 2371
※日鉄鋼板株式会社カタログより画像参照
沿岸部の住宅は海の潮風にさらされて金属部分が酸化します。
従来のガルバリウム鋼板は、沿岸部から5km以上離れないと保証適用になりませんでした。しかし、エスジーエル鋼板の保証適用範囲は500m以上と、ガルバリウム鋼板と比較すると10分の1まで縮めています。
穴あき保証もガルバリウム鋼板なら10年ですがエスジーエル鋼板は25年と延びました。
エスジーエル鋼板のおすすめポイントは、とにかく錆びにくく、金属屋根材の中でもずば抜けた性能を持っていることです。
他の屋根材に劣らない
長持ちする屋根材といえば和瓦ですが、その重さから最近は選ぶ方が少なくなってきました。その代わり台頭してきたのがスレートや金属屋根材です。
屋根材別耐用年数の目安
※必要なメンテナンスを行なった場合の目安です。立地や環境などにより変わります。
例えば、エスジーエル鋼板を使用したアイジー工業の屋根材「スーパーガルテクト」は、遮熱フッ素樹脂と遮熱ポリエステル樹脂が表面に施されていますが、塗膜は経年で劣化します。メーカーが推奨する塗装時期を守ることで30年以上の耐用年数が期待できます。釉薬瓦などの和瓦にはさすがに届きませんが、それ以外の屋根材で長く持たせたいと思ったら断然エスジーエル鋼板の屋根材なのです。
軽量で耐震対策に
これはエスジーエル鋼板に限ったことではないのですが、金属屋根は軽量なことからよく選ばれる屋根材です。大地震の発生が心配される昨今、重い屋根材から軽いものに替えたいというお客様が増えています。
特に現在瓦屋根なら、エスジーエルなど金属製の屋根に葺き替えることで屋根の重さは約10分の1!家本体にかかる負担も軽減されます。スレートからの葺き替えでも5分の1です。
屋根リフォームの際には金属屋根をご検討ください。
ここで詳しくエスジーエル鋼板について解説していきます。
進化したガルバリウム「エスジーエル」
エスジーエル鋼板をざっくりと説明すると、ガルバリウム鋼板を改良しためっき鋼板です。ガルバリウム鋼板よりも耐久性に優れ、錆びにくく長持ちする素材という認識で良いでしょう。
エスジーエル鋼板を採用している屋根材メーカーが増えて、今外壁材としても採用され始めています。
これからの時代はガルバリウム鋼板ではなく、より進化したエスジーエル鋼板の時代へと変わっていくでしょう。
長持ちの秘密はめっき組成
長持ちする理由は、エスジーエル鋼板のめっき組成にあります。
トタンで使われる亜鉛めっきにアルミニウムを添加すると耐食性がアップします。それがガルバリウム鋼板です。
しかし、アルミニウムの含有率によってその特性は変動し、高くなりすぎるほど亜鉛の犠牲防食作用が働かなくなり鋼板の腐食が進行してしまいます。
そこで、エスジーエル鋼板はガルバリウム鋼板にマグネシウムを添加しました。
そうすることで、アルミ、亜鉛合金めっきにマグネシウムが共存し緻密な亜鉛系酸化物が生成することで安定した素材が生まれます。つまり、鉄が露出しているところに、マグネシウムの成分の作用で鉄を保護する膜が形成されるということです。
また、エスジーエル鋼板に添加するマグネシウムは、2%が最も最適という実験結果が出ています。
エスジーエル鋼板のめっきに含まれているマグネシウムは、錆びにくくするために必要で耐久性を高めてくれる役割を担っています。
エスジーエル鋼板の組成は、ガルバリウム鋼板と比較すると、マグネシウムが含まれているかどうかという違いがあるだけです。
そのマグネシウムが重要な役割を担っており、耐久性を高めガルバリウム鋼板の3倍を超える耐食性に優れた、腐食しにくい素材に生まれ変わったのです。
エスジーエル鋼板を製造しているのは日鉄鋼板
エスジーエル鋼板のメーカーは、日鉄鋼板株式会社というガルバリウム鋼板のパイオニアとして君臨してきた企業です。
数多くの経験と最新の研究開発で、耐食性の高いエスジーエル鋼板を作り上げました。
エスジーエル鋼板の名前の由来は、Sはsuperior(上質)・special(特別)・super(超越)という頭文字から、ガルバリウム鋼板のGLにSを付けた「SGL」となったのです。
※画像は日鉄鋼板株式会社 SGL鋼板ページより参照
エスジーエル鋼板ができるまでの歴史
屋根材や外壁材に使われる鋼板を錆びにくい表面にするための技術は、亜鉛めっき鋼板の持っている鉄の腐食を防ぐ作用で、以前から活用されてきました。
亜鉛めっき鋼板の歴史は長く、1906年に国内で初生産されたと言われます。さらに1982年にはガルバリウム鋼板が生産され、それから約30年の月日を経てエスジーエル鋼板が誕生しました。
日鉄鋼板にはこのような歴史があり、亜鉛めっき鋼板の先駆者として研究技術開発によりエスジーエル鋼板を生みだしたのです。
2023年現在、エスジーエル鋼板の歴史は10年ですが、それまでには日鉄鋼板の実績に基づく研究の成果があり、十分に信頼できる建材といえます。
日鉄鋼板も屋根に施工できる鋼板を扱っていますが、屋根材メーカーは、日鉄鋼板が製造したエスジーエル鋼板から屋根材製品を製造しています。人気のエスジーエル鋼板屋根材をご紹介しましょう。
アイジー工業 スーパーガルテクト
スーパーガルテクトは、金属建材のトップメーカーであるアイジー工業が取り扱う金属製の屋根材です。ガルバリウム鋼板ではなく、次世代の鋼板であるエスジーエル鋼板が用いられています。
新築・屋根リフォームの際には人気のある屋根材です。
スーパーガルテクトの特徴は裏側に断熱材が貼られていることです。
断熱材が入っていることで、金属屋根のデメリットといえる「暑さ」と「雨音」を軽減してくれます。スーパーガルテクトは嵌合部にも断熱材が充填されていることも、大きな特徴のひとつです。すき間なく屋根全体を断熱材で覆える数少ない金属屋根といえます。
また施工の際に使用する役物のラインナップが豊富で、屋根形状によって様々な役物が必要に応じて手配できます。特に軒先部分に使用する唐草という役物は1種類しか用意していないメーカーがほとんどですがスーパーガルテクトには4種類あります。そのため雨樋の交換をしなくても施工が行えるなど、お客様の状況に合わせた施工が可能です。
築35年の瓦屋根を高耐久スーパーガルテクトに葺き替え
築35年、屋根のメンテナンスをしたことが無かったが、瓦が重いことも気になっているのでリフォームしたいとのご要望をいただきました。軽くて丈夫な屋根が良いとのことで、コストパフォーマンスが良く高耐久のスーパーガルテクトをご案内いたしました。
ニチハ 横暖ルーフ
ニチハは断熱材と一体になった金属屋根材を一番に採用したメーカーです。横暖ルーフにはグレードの違う4種類のラインナップがあります。
・横暖ルーフS
・横暖ルーフαS
・横暖ルーフプレミアムS
・横暖ルーフαプレミアムS
エスジーエル鋼板はプレミアムシリーズ※のみで、αの方が厚みのある製品となります。
プレミアムシリーズは鋼板の素材がエスジーエルで、表面に塗布されている塗膜も20年の変退色保証が付いたフッ素塗膜であるグレードの高い屋根材です。
※2023年1月現在、「横暖ルーフαプレミアムS」は販売休止中。「横暖ルーフプレミアムS」は2023年3月より販売再開予定。
コロニアルNEOの屋根から横暖ルーフαプレミアムSに
コロニアルNEOというノンアスベストのスレート屋根材が葺かれた屋根でした。ところがこのコロニアルNEOは劣化が早くその症状も顕著であるという特徴を持った屋根です。ご相談の上、ニチハの金属屋根の中でも最上級グレードで長持ちの「横暖ルーフαプレミアムS」にてカバー工事をさせていただきました。きれいに仕上がった屋根にお喜びいただけました。
ここまでエスジーエル鋼板の魅力をお伝えしてきました。
現在屋根工事やリフォームをお考えでご興味を持たれた方はぜひ街の屋根やさんまでお問合せください。
エスジーエル鋼板やその他金属の屋根といっても様々です。
2階の暑さが気になる
雨漏りに強い屋根にしたい
見た目がお洒落な屋根が良い
などご希望をお伝えください。現在のお住まいの状況をじっくりと点検したうえで、最適なプランをご提案させていただきます。
エスジーエル(SGL)鋼板まとめ
●耐久性の高い建築素材が求められる中、エスジーエル鋼板が注目されています
●エスジーエル鋼板は、ガルバリウム鋼板の性能をより向上させた製品といえます
●ガルバリウム鋼板のめっきにマグネシウムを2%加えることで、約3倍の耐食性を実現しています
●エスジーエル鋼板製の屋根は何といっても錆びにくいのが特長です
●他の屋根材と比べても性能は劣りません
●金属製の屋根は軽量なので耐震対策としての屋根リフォームにもおすすめです
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