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トタン屋根とは?種類やメリット・デメリットと修理・メンテナンスを解説!

更新日 : 2024年09月23日

更新日 : 2024年09月23日

トタン屋根とは?種類やメリット・デメリットとメンテナンス相場を解説!

 住宅の屋根や庇、そして物置や倉庫など幅広い用途で使用されているトタン屋根ですが、錆や老朽化が確認できた場合にはどのようなメンテナンスが必要になるかご存知でしょうか?

 「トタン屋根の修理にどのくらいの費用が必要なのか知りたい」
 「劣化していたら、また新しいトタン屋根に交換すればいいの?」
というように、意外と迷うポイントが多いトタン屋根。

 特徴やメリット・デメリットと合わせ、トタン屋根のメンテナンスに欠かせない情報をお届けいたします。

トタン屋根とは?

 トタン屋根は、鉄板の表面に亜鉛メッキを施した金属屋根材の一種です。
 安価かつ施工が容易だったため、高度経済成長期ごろを境に日本の住宅・倉庫・工場など幅広い建築物で普及していきました。

トタン屋根

 瓦屋根に比べるとトタン屋根はかなり軽量ですので、耐震性にも優れています。
 コストの安さも当然重視されていましたが、地震の多い日本では耐震性の高い屋根材が求められていたこともトタン屋根の普及に拍車をかけていたのでしょう。

 ただ、近年では同じく軽量な金属屋根の素材で耐久性がより高いガルバリウム鋼板が主流となったため、トタン屋根が新築で採用されることはほとんど無くなりました。

 それでも、築年数の古い建物や居住スペースではない物置や倉庫などではトタン屋根が使用されています

 トタン屋根はメンテナンスによって使用できる期間が変わると言っても過言ではありませんので、本記事でぜひその種類や方法についてご確認ください!

トタン屋根の一例

トタン屋根の種類

 トタン屋根は主に3つの種類に分けられます。
 それぞれの種類は、使用する場面や特徴が異なります。

1. 瓦棒葺きトタン屋根

瓦棒葺きトタン屋根と内側の芯木

 瓦棒葺きトタン屋根は心木と呼ばれる棒状の木材を等間隔に配置し、その間に折り曲げたトタン屋根を嵌め込み、芯木に釘で固定しています。

 屋根の頂上から軒先に向かって縦方向にトタンを設置するため雨水が流れやすく、勾配(角度)が緩い屋根に使えるのが特徴です。

2. 波板トタン屋根

波板トタン屋根

 波板トタン屋根はその名の通り、形が波打つようになっているトタン屋根を指します。

 鉄板が薄くても波状に加工することで強度を底上げできるため、このような形状をしています。特に倉庫や納屋でよく見られます。

3. 折板トタン屋根

折板トタン屋根

 折板トタン屋根は、トタン板を台形状に大きく折り曲げることで強度を高めているトタン屋根です。

 雨水が溜まりにくく水はけに優れる形状のため、かなり勾配が緩やかであっても問題なく施工できることが強みです。
 特に工場や体育館など、施工面積が広い大規模施設に用いられることが多いです。

トタン屋根のメリットとデメリット

 トタン屋根は価格の安さや施工性などが優れていますが、使用を検討するにはデメリットも合わせて知っておくことが必要です。 

 まずはトタン屋根のメリットからご紹介いたします。

トタン屋根のメリット

他の屋根よりも価格が安い

屋根材の種類 1㎡あたりの施工価格目安
トタン屋根 約5,000~6,000円
金属屋根材
(スーパーガルテクト)
約9,000~10,000円

 トタン屋根は他の屋根材に比べて材料費が圧倒的に安いです。
 また、簡単に施工できるため工期が短く、設置費用も安く済みます。

 トタン屋根の1㎡あたりの施工価格は5,000~6,000円程度で、これは同じ金属屋根材で人気の高い「スーパーガルテクト」9,000~10,000と比べると、かなり安価な工事が可能であることが分かります。

軽量で耐震性に優れる

瓦とトタン屋根の1㎡あたりの重さ比較

 トタンは軽量な金属屋根材の一種です。
 屋根が軽いと建物の構造部への負担は少なくなり、同時に地震による揺れを軽減できます。

 特に重量のある瓦屋根と比べると約10分の1の重さしかないため、耐震性はあらゆる屋根材の中でもトップクラスと言えるでしょう。

雨漏りしにくい構造

トタン屋根の構造により雨水をスムーズに排水

 トタンは基本的に流れ方向へは1枚板を使用します。

 それによって屋根面での繋ぎ目が極端に少なくなりますので、雨漏り発生のリスクが大幅に低減します。このメリットは雨以外にも、雪が屋根に積もりやすい地域で有効とされます。

 トタン屋根の建材としてのメリットを3つお伝えしましたが、現在のリフォーム現場においてトタンを金属屋根として採用することはほとんどありません。

 その理由には、以下のデメリットが関係しています。

トタン屋根のデメリット

錆びやすい

表面のメッキが剥がれると錆びやすい

 トタン屋根は表面の亜鉛メッキが剥がれて鉄部分が露出すると、錆が発生しやすいです。
 錆が進行すると穴が開いてしまうため、雨漏りの直接の原因になることがあります。

 「金属製なら錆びは仕方ないのでは?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、同じ金属屋根材で錆への耐性がかなり強いガルバリウム鋼板が主流となっている現在では、トタン屋根の錆への弱さは明確なデメリットになっているのです。

錆による剥がれや穴

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断熱性の低さ

トタン屋根は金属製であるため熱伝導率が高く夏暑く、冬寒いなど外気温の影響を受けやすい

 トタン屋根は断熱性能がかなり低いです。

 お住まいの屋根として使用している場合、特に夏場はトタン屋根から伝わる熱によって室内の温度が上昇しやすくなります。

 断熱性能が低いと暑さや寒さが室内へ影響を及ぼしやすく、冷暖房の効率が落ちることで光熱費も通常より掛かってしまいますので、住環境だけではなく金額面でも痛いポイントとなっています。

雨音がかなり目立つ

雨や風の音が室内に伝わりやすい

 断熱性の低さに由来しているトタン屋根の薄さは、遮音性の低さにも関わってきます。

 雨や風の音が室内まで伝わりやすいため、悪天候時にはストレスを感じたり睡眠が妨げられたりといった生活への悪影響が考えられます。

メンテナンス頻度の高さ

トタン屋根のメンテナンスの目安とガルバリウム鋼板屋根のメンテナンス目安を比較

 錆びやすさや耐久性の問題から、トタン屋根にはこまめなメンテナンスが必須となります。

 特に雨漏りの原因となる錆びを防ぐためには、一般的に5~10年1度の再塗装や補修が求められますので、トタン屋根自体のコストは安くてもランニングコストがどうしても高くなってしまうのです。

 現在ではトタン屋根のデメリットをほぼカバーできるガルバリウム鋼板の登場によって、住宅の屋根からトタンは段々と姿を消しています。

 ただし!遮音性や耐久性を居住スペースの屋根ほど求めない倉庫や物置などでは、コストの安さを活かした工事がとても有用なため、トタン屋根も用途によってはまだまだ現役でいられます。

トタン屋根の寿命と劣化症状

トタンの寿命や交換時期は何年くらい?

耐用年数と塗装メンテナンスの目安

 トタン屋根の寿命は15~20とされています。
 ただし、これは使用されている環境とメンテナンス状況によってかなり変動することに注意してください。

専門業者による点検を行うことで早期に問題発見!適切な対策を講じることができます

 経年劣化以外にも、台風などでトタンにダメージが入ることもありますし、飛来物で傷が付くとそこから錆びて侵食が発生する可能性が十分に考えられます。

 また、瓦棒葺きタイプでは内部で心木が腐食し、トタンを釘によって十分に固定できなくなることで屋根が捲れたり飛散する危険性も高まりますので、定期的な点検と修理を行い被害を発生させないことが求められます。

 数年おきに以下のような劣化症状が発生していないかを業者に点検してもらうことで、トタン屋根の状態を把握し、次回メンテナンスの計画を立てやすくなります。

トタン屋根の劣化症状

1. 色あせ

日光や風雨によって塗膜が劣化し色が褪せる

2. チョーキング

塗料の劣化で起こるチョーキング(白亜化)現象

3. 錆び

亜鉛メッキが剥がれ鉄部が露出し錆が発生

4. 穴あき

錆が進行し穴があいたり屋根材が腐食する

症状で分かれるトタン屋根の修理方法と費用相場

 トタン屋根は時間の経過とともに劣化しやすいため、状態によって必要な修理やリフォームを選びましょう。

1. 屋根塗装

 トタン屋根の最もスタンダードなメンテナンス方法は塗装です。
 表面に発生した錆をケレン作業によって取り除き、新たにサビ止めを塗装したあと、仕上げの塗料で塗り変えます。

 色褪せやチョーキング・軽度の錆が確認できた場合に有効なメンテナンス方法となります。
 美観の回復に加え、塗装によるコーティングで屋根の耐久性を向上させるのです。

トタン屋根の塗装

▼費用相場
一般的な30坪の住宅の場合、約40万円~が相場です。
この金額には足場代や高圧洗浄、錆を落とす下地処理や塗装代が含まれます。

屋根塗装のメリットや必要性について

2. 部分的な修理

 破損や剥がれた箇所を部分的に補修するための修理です。
 小さなダメージに対してはコーキングなどで簡単に補修が可能ですので、傷は錆の原因となる前に対処してしまう方が安く済みます

部分的な修理

小さい穴やひび割れをコーキング材で部分補修

▼費用相場
 1箇所あたり約3万円前後が相場です。
 ただし、高所作業が必要な場合、足場代が別途15万円~25万円ほどかかることもありますので注意しましょう。

3. 葺き替え

 トタン屋根に著しい損傷が発生していたり、寿命を迎えている場合には葺き替え工事を行います。
 葺き替えは現在のトタン屋根をすべて撤去し、新しい屋根材に交換するリフォームです。 「張り替え」と表現する業者もいますが、同じ工事内容です。

 特に劣化が進行し、穴あきや大規模なサビが見られる場合に有効です。

 近年では新しい瓦棒葺きのトタン屋根ではなく、元々の緩い勾配に対応可能でより耐久性や耐食性に優れたガルバリウム鋼板での立平葺きでリフォームを行うケースが非常に多くなりました。

葺き替え

▼費用相場
 30坪の住宅の場合では約100万円~が相場です。
 簡易的な物置や倉庫のトタン屋根であれば足場が不要で、もっと安く工事が行えますので、トタンのリフォームでは葺き替えを推奨しています。

立平葺きで雨漏りや地震に強い屋根へ!縦葺きのメリット

4. カバー工法

 既存のトタン屋根の上に新しい下地を貼り、さらに上へ新規屋根材を重ねて設置する方法です。

 トタン屋根のカバー工法では野地板を含めた下地から新しく葺く必要があるため、葺き替え工事と比べてもあまり安くはなりません

 傷んだトタンを土台として使用することにもなりますので、数年以内に取り壊す予定などがない限りは、葺き替えの方が良いと言えます。

カバー工法

▼費用相場
約80万円~が相場となります。

【要注意】トタン屋根のDIY修理は危険です

屋根上は不安定なため転落の危険性が高まります

 「トタン屋根は施工しやすく、修理もDIYで行うことができるのでは?」と思われるかもしれません。
 しかし、実際には多くのリスクが伴います。

 トタン屋根の修理は高所での作業がほとんどです。
 屋根は傾斜があって滑りやすいため、適切な安全対策がなければ転落の危険性が非常に高くなります。

 また、屋根に乗って体重を掛けることでせっかくの塗膜を傷めてしまったり、腐食している心木を踏んで深刻なダメージをトタンへ与えてしまう可能性が高いため、簡易的な修理であっても業者に任せた方が安全面とメンテナンス性の両方でプラスになるのです。

トタン屋根の修理・メンテナンス業者の選び方

幅広い施工が可能な業者を選びましょう

 トタン屋根のリフォームは金属屋根の施工に詳しい「板金業者」に依頼するのが最適と紹介されていることが多いです。
 確かに板金業者は金属の特性を理解しており、扱いにも長けているため安心して任せることができます。

 ただ、今回ご紹介したトタン屋根の修理やメンテナンスには、リフォーム以外にも屋根塗装やシーリング補修などの方法も存在していましたよね?

 そのため、オススメとしては幅広い工事に対応でき、点検時の状況から最適な方法を提案してくれる業者への依頼となります。

トタン屋根では様々な補修が必要になります

 注意したいのは契約を結ぶことを最優先に考える業者です。

 そういった考えの板金業者であれば、塗装でも問題無いトタン屋根に葺き替えの提案をするかもしれませんし、逆に塗装専門業者でも似たようなケースが考えられるでしょう。

トタン屋根のことでお困りですか? 私たち街の屋根やさんへお気軽にご相談ください!

 私たち街の屋根やさんは塗装や屋根葺き替え・カバー工法や簡易補修などの経験がどれも豊富であり、トタンの状態を見て一番必要と思える工事をご提案しているからこそ選ばれています。

 トタン屋根のメンテナンスに迷った場合には、ぜひお気軽にご相談いただければ幸いです!

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トタン屋根まとめ

●トタン屋根は軽量で耐震性に優れた金属屋根材であり、日本でも広く普及していましたが、現在ではガルバリウム鋼板が主流です。
●主な種類には、瓦棒葺き、波板、折板トタン屋根があり、それぞれ異なる特性があります。
●メリットとしては施工コストの安さ、軽量さによる耐震性、雨漏りしにくい構造などが挙げられますが、錆びやすさや断熱性の低さがデメリットとなります。
●修理やリフォームの方法には、塗装、部分修理、葺き替え、カバー工法があり、状態に応じた適切な選択が必要です。
●トタン屋根のメンテナンスは、定期的な点検とプロの業者による施工が推奨され、安全性と耐久性を確保するためにもDIY修理は避けましょう。

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