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更新日 : 2022年07月21日
更新日 : 2022年07月21日
バルコニーやベランダ、陸屋根(屋上)への防水対策として現在最も一般的なのが、ウレタン防水です。
「ベランダにウレタン防水をすすめられたけれどどんな工事なの?」
「ウレタン防水の耐久性は?見積りをもらったけれど費用は妥当?」
「他の防水方法と比べてどうなの?」
とお悩みではありませんか?
このページでは防水工事の中でも新築・リフォーム両方で人気の高いウレタン防水のメリット・デメリットを含めた特徴や費用について詳しく解説しています。
お住まいは屋根材と外壁材で守られている訳ではありません。バルコニー・ベランダや陸屋根と呼ばれる屋上は、防水工事を行い雨水の浸入を防いでいます。
特に近年は狭小住宅が多く、庭の代わりにバルコニーをガーデニング等で活用しているお住まいも多く見られます。しかし防水工事の必要性を知らずメンテナンスを怠ると、室内への漏水トラブルまで引き起こしてしまいます。
すでにウレタン防水で施工されている方も長く安心してお住まいいただけるよう、ウレタン防水の劣化症状やメンテナンスについてもご紹介します。
これからウレタン防水での工事をご検討中の方、ウレタン防水のメンテナンスをお考えの方はぜひご参考にしてください。
目次【表示】
ウレタン防水とは、建物に雨水を浸入させないために行う防水施工方法の一種です。液体状のウレタン樹脂を塗り重ねることで水を通さない防水層を形成できます。液体(塗料状)の素材を塗り広げることで防水施工することを塗膜防水と呼び、継ぎ目なく施工できることが特徴です。
ウレタンとは正式には「ポリウレタン」という柔軟性・防音性・耐衝撃性を持ったプラスチック樹脂素材で、化学反応によって硬化するとゴムのような材質になり、また高い密着力があるので屋上などの防水材として優れた機能を発揮するのです。
比較的費用が安くあらゆる面に施工可能なことから普及しています。
防水工事にはいくつか種類がありますが、一般住宅に使用される防水工事は、軽量かつ耐久性に優れた3種類の防水工事が多いです。
●FRP(繊維強化プラスチック)の特性を活かし、ガラス繊維(補強材)と不飽和ポリエステル樹脂を組み合わせて軽量で摩耗・衝撃に強い防水層を形成します。
●塗膜防水の一種で、仕上がりは継ぎ目のない硬い防水層になります。
●速硬化性ですので工期短縮が図れ、新築に多く使用されています。
●ウレタン防水と見分けが難しいのですが、非常に堅い手触りと細かな凸凹が特徴です。
●防水性のあるシートを張り付けるだけで仕上げられるため短期間での施工が可能です。以前はゴムシートも使われましたが現在は塩ビシートが主流です。
●下地への適応性が高くビルなどの広い陸屋根にもよく使われます。
●機械固定工法(絶縁工法)で下地の影響を受けない施工も可能です。
●液状のウレタン樹脂を均一に塗り、低コストで継ぎ目がない綺麗な防水層を形成する事が出来ます。
●塗料ですので凹凸等の複雑な形状でも確実に施工することが出来ます。
●FRP防水と較べると弾性があり柔らかい表面が特徴です。
ウレタン防水にはその他の防水方法に比べて具体的にどんな利点があるのでしょうか。
FRP防水のようにガラス繊維と組み合わせてもいない、シート防水のように特別なシートを使用している訳でもない、ウレタン防水で本当に大丈夫?そう考えられている方も多いかもしれません。しかしウレタン防水にはおすすめできる理由があるのです。
ウレタン防水は比較的安価に施工することが出来ます。10㎡程度のバルコニー・ベランダであれば価格差も気にはなりませんが、陸屋根やビルの屋上等に施工される場合は低コストが重要視されます。
施工単価は1㎡あたり約3,000~7,000円程度、そして安価だからといって他の防水と較べて耐久性が極端に低いという訳ではありません。使用環境にもよりますが、しっかりとメンテナンスすれば10~14年程の耐用年数があります。コストパフォーマンスが良いと言えるでしょう。
塗料ですので複雑な場所にも施工することが出来ます。そして最大のメリットは既存防水層の上に重ね塗りが出来るという点です。
シート防水は必ずシート同士の継ぎ目が存在することになり、施工面が複雑な形状になればなるほどそれは多くなります。そして経年劣化で継ぎ目の浮きや捲れが懸念されます。そうなれば当然防水機能は果たせなくなり雨漏りになってしまう恐れがありますね。またその場合補修時にはめくれたシートをはがさなくてはいけません。
その点ウレタン防水はどんな場所にも継ぎ目なく施工でき、剥がれや捲れのリスクはありません。防水層の撤去・処分費も掛けずに補修が出来ます。
防水塗料を形成するウレタン樹脂はポリウレタンとも呼ばれるプラスチック素材です。ポリウレタンは洋服や接着剤、自動車のバンパー等身近な物に利用されていますが、柔軟性・弾性・耐衝撃性・防音性等に優れています。建物には揺れが生じますので、高い柔軟性で防水層のひび割れを起こしにくくさせ雨漏りの発生を防ぎます。
FRP防水もバルコニーやベランダに施工されますが、硬膜ですので建物の動きに弱くひび割れを起こしてしまう恐れがあります。特に屋上等の広範囲にはFRP防水は不向きです。FRP防水のリフォームに柔軟性の高いウレタン防水を利用することも多いです。
コストパフォーマンス・性能ともに非常に優れたウレタン防水ですがデメリットも存在します。以下の注意点をしっかりと把握し、適切な防水工事でお住まいを守っていきましょう。
防水面は傾斜(勾配)がほとんどない中で雨水をスムーズに排水口に流さなくてはなりません。ウレタン防水の層の厚さは3㎜が適正とされますが、塗料を塗り仕上げていくウレタン防水は、3㎜程の厚みになるよう均一に塗り重ねる技術と経験が必要です。厚みが均一でないと表面に凸凹が生じ水がうまく流れませんね。水が溜まりやすいと劣化も早まります。
また主剤と硬化剤を混ぜ撹拌させる必要がありますが、撹拌が足りないと硬化不良や防水性の低下を引き起こしてしまいます。
一見簡単そうに見えるウレタン防水ですが実は難易度の高い工法です。
FRP防水の塗膜は硬化速度が非常に速く、一般住宅のバルコニー・ベランダを施工する場合は1~2日で工事が終わります。しかしウレタン防水は樹脂塗料が硬化するまでに時間が掛かります。施工中は立ち入ることができないので不便に感じるかもしれません。またその間に雨が降ってしまえば施工が出来ませんので、3~10日程と施工日数が延びます。
ウレタン防水工事はご近所に迷惑をかけないだろうか?トラブルの種になってしまうのではないか?と気になる騒音と臭い。特に塗料というと、従来の外壁塗装のようにとても臭いのではないか?と不安を持たれている方が多いと思いますので、ウレタン防水を施工する際に生じる騒音・臭いを紹介します。
ウレタン防水工事を行う前に高圧洗浄で下地を綺麗に洗い流していく必要があるので、洗浄時のみ騒音と水しぶきが発生します。また主剤と硬化剤を撹拌する際にミキサーを使用しますので多少モーター音が発生しますが、これらは一時的なものです。(高圧洗浄や塗材の攪拌などは他の防水工事でも行います。)
ウレタン塗料は無臭ではないため作業中は窓を閉めていただきますが、臭いはほとんどありません。シンナーで希釈する油性(溶剤)塗料が多いのですが、現在は水で希釈する水性防水塗料もございますので、赤ちゃんがいる、ペットがいるお住まいで臭いや成分が気になる場合はお気軽にご相談ください。
ウレタン防水工事には密着工法と絶縁(通気緩衝)工法の2パターンの施工方法があります。ベランダ防水補修の際に通気緩衝工法をすすめられたけれど金額が高め、密着工法ではだめなの?というお問合せも多いです。どのような状態の時に使い分けるべきか、施工方法と併せてご紹介します。
新築
面積の狭い場所
傷みが軽度、雨漏り等無い場合の改修
下地にそのままウレタン樹脂塗料を塗っていく通常の工法です。
補強のためメッシュシート(補強クロス)を貼り付けることがあります。新築や経年劣化が軽度で雨漏りを起こしていない状態の場合に採用されます。
面積の広い場所
下地の状態が悪い、雨漏りを起こしている場合の改修
築年数が経過しているお住まいや雨漏りを起こしてしまっている場合、下地が水分を含んでいる可能性があります。
この状態に密着工法を用いると、下地が含んだ水分の蒸発が塗膜に妨げられ膨れを起こしてしまいます。
そのため防水層の下部に溜まった空気が排出できるような状態に仕上げていく必要があります。
絶縁(通気緩衝)工法は、ウレタン樹脂を塗る前に無数の穴が開いたシート(通気緩衝シート・絶縁シート)を張り、塗膜と下地が密着しない状態にします。内部に含まれた水分や空気は一時的にシート部分で溜まり、シートと同時に設置する脱気盤(脱気筒)から逃がすことで膨れを防ぎます。絶縁工法の防水層は完全に密着している訳ではありませんが、軽歩行に影響はありませんのでご安心ください。
屋上などの広い面積でも建物の動きの影響を受けにくいのでひび割れや劣化を抑えることができ、向いています。密着工法よりやや費用と工期がかかることになります。
下地に含まれた水分は一時的にシート部分で溜まり
脱気盤(脱気筒)から逃がすことで塗膜の膨れを防ぎます!
陸屋根の床がひび割れていて雨漏りが心配とのご相談をいただきました。床はコンクリート仕上げになっており、長年の寒暖差や乾燥収縮によって出来てしまったひび割れが全体にいくつもできていました。普段から洗濯物を干したりして目にしている場所とのことでとても心配されていました。コンクリートは水を吸う素材のため、その水分が蒸発しても問題ないよう、通気緩衝工法での施工となりました。
使用した塗料は株式会社ダイフレックスのDSカラー・ゼロというもので、特定化学物質を含んでいません。よく立ち入る場所でも安心して使えます。
床がきれいになり、雨漏りの心配がなくなったことでご満足いただけました。
バルコニーが雨漏りを起こし室内の天井が剥がれかけるほどの被害でした。既存のシート防水には摩耗による穴がいくつも見られます。今回はシートを全て撤去し下地の腐食の状態を確認したうえでの工事となりました。幸いにも下地の腐食はひどくなくそのまま利用できましたので、モルタルで下地調整後、通気緩衝工法でのウレタン防水を施工いたしました。
工事2年後の点検でも目立った問題はなく、しっかりと防水性能を発揮していました。
→工事の工程を写真付きでもっと詳しく
以上のように、ウレタン防水施工の工程をご紹介いたしましたが、少しのスペースならDIYでやってみたい、安く仕上げたい、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。実際、ウレタン防水施工に必要な材料や道具もネットやホームセンターで揃えることは可能です。
しかしご案内したように、ウレタン防水は下塗りなどを含め何工程も作業をする必要があり、そしてその度に乾燥時間が必要です。
塗布面が汚れないように気を遣いながら数日に渡って作業をするのはなかなかに大変でしょう。
市販のウレタン樹脂には缶を開ければすぐに使えるようなものや下塗り材とトップコートがセットになっている便利なものなどもありますが、使いこなすのは容易ではありません。一度封を開ければ硬化が始まるので、残ったものを次の日まで取っておくことはできませんし、どのくらいの面積にどのくらいの塗料が必要か感覚が分からないと大量に無駄にしてしまうかもしれません。
それにウレタン防水塗膜は3㎜が理想ですが均一の厚さに塗るのは慣れない方には予想以上に難しい作業です。結果的に綺麗に仕上がらず見た目が悪くなってしまう可能性も高いでしょう。ましてや通気緩衝工法などはプロでないと施工は難しいです。
見よう見まねで作業したものの、納得のいく仕上がりにならなかったり、それだけでなく短期間で不具合が発生したりということになれば、かけた費用と労力が無駄になってしまいますね。特に屋上やベランダなどお住まいに関わる大切な場所へのウレタン防水工事は、無理をせず専門業者にお任せすることをおすすめいたします。
防水層が劣化してしまうと雨漏りを引き起こし室内まで被害が及んでしまいますので、雨漏りが発生する前に補修を行う必要があります。定期的なメンテナンスが理想的ですが、以下のような劣化が見られる場合は早めの補修を検討しましょう。
ウレタン防水は太陽光により劣化しやすい為、トップコートを塗り表面保護をしています。表面のみにひび割れが見られる場合は、防水機能の無いトップコートの劣化ですので雨漏りを起こす心配はありません。しかしトップコートが劣化してしまうことで防水層が露出してしまいますので、5年程度で塗り替えを行いましょう。
防水層にまで亀裂が見られる場合は雨漏りを起こしてしまう可能性がありますので、ウレタン防水を施工し直さなければなりません。補修したにも関わらず数年で亀裂が発生する場合は防水工法が下地に適していない、下地処理が不十分である、想像以上に建物の揺れが大きい等が考えられますので、建物の状態や補修方法を見直す必要があります。
施工時に下地が乾燥しておらず水分を含んでいた、雨漏りを起こしてしまっている場合に発生します。膨れた箇所は防水層が破れやすくなっていますので、絶縁(通気緩衝)工法を行って状態の改善を図りましょう。
ベランダ・バルコニーや陸屋根は土埃や枯葉が溜まりやすいため防水層の状態が確認しにくい状態になってしまいます。定期的な清掃を行い早期に不具合を発見し改善しましょう。
土埃、植物の種、水が揃うと苔や雑草が発生し根を伸ばします。
根は防水層を突き破ることもあるので定期的に溜まったゴミを片付けましょう。
ゴミで排水口(ドレン)が詰まるとプールのように水が溜まり防水層を傷める原因になってしまいますし、防水層の立ち上がりが低い(開口部と床面の距離が短い)場合は室内に雨水が入り込んでしまうケースもあります。
汚れがこびりついている場合は中性洗剤を薄めて布で拭き、洗剤はしっかり洗い流しましょう。
デッキブラシ等でゴシゴシ磨きたくなりますが、ウレタン防水は非常にデリケートですので防水層を傷めないようご注意ください。
タイルやマットを敷いていると太陽光に晒されないため防水層の保護に役立ちます。しかし汚れが溜まりやすく湿度もこもりやすい状態にあります。
湿度はウレタン防水を傷める原因ですので、定期的にマット等を剥がし清掃・換気をしましょう。
※防水層にタイルを貼っている場合
簡単に脱着できるマット同様に防水層の劣化防止に有効ですが、防水層の補修が必要な場合は一度剥がさなくてはなりません。
剥がす際にタイルが割れてしまう恐れもありますので、再度タイル仕上げにしたい場合は新規タイルの準備が必要です。
ウレタン防水の一番表面にはトップコートが塗布されます。トップコートの一番の役割はその下の防水層の保護です。ウレタン防水はそのままでは紫外線に弱いため、直接ダメージを受けないよう表面をトップコートで覆い保護するのです。しかしトップコート自体も劣化するため5年に一度は点検し塗り替えを検討しましょう。
表面に細かいひび割れが増えてきたり、色あせてすり減っているように見えたらトップコートの塗り替え時期です。そのままで放っておくと防水層まで傷んで耐用年数まで持たなくなってしまいます。
トップコートには以下のような付加機能をつけることもできますのでご相談ください。
トップコートには遮熱効果のあるものがあります。熱の元になる赤外線を効率よく反射できるので、陸屋根やルーフバルコニーに塗布すれば階下の室温上昇を抑えることができます。お住まいの地域によってはエコリフォーム関連の助成金や補助金対象となる場合もあります。
ウレタン防水塗膜はつるつるとしているためトップコートには滑り止めの役割もあります。特に気になる場合には防滑に特化した製品や、滑り止め用のチップを混ぜ込んでの施工なども可能です。
ウレタン防水というとグレーのイメージが強いかもしれませんが、これはトップコートのカラーによって変えることができます。塗料の種類により落ち着いた濃いグレーやグリーンも選べますのでご相談ください。
ここまでウレタン防水の施工とメンテナンスについてご説明してきましたが、では防水層が劣化し雨漏りを起こしてしまうとどのような被害があるのでしょうか。
陸屋根とは勾配がほとんどない屋根の事で屋上とも呼ばれます。陸屋根で雨漏りが発生した場合、通常の屋根同様に電気設備のショートや漏電・天井の構造材や仕上げ材の腐食を招きます。
勾配のある屋根材の場合は雨水が軒先へ流れ軒天に雨染みが出来る場合もあり、室内への被害拡大を抑えられるケースもあります。しかし陸屋根は勾配がほとんど無いため、防水層が劣化し雨漏りが起きた場合はまっすぐ室内に侵入してしまいます。
ベランダやバルコニーの真下に部屋がある場合は陸屋根同様の被害を招いてしまいます。では外壁よりも突き出た形状の場合は影響がなく安心…ではありません。
突き出て設置されている分、真下に部屋がある場合よりも耐久性には注意する必要があります。新築時には全く問題ありませんが雨水が浸入し構造部分が腐食してしまえば、利用時に大きな不安を抱えてしまいます。
雨漏り被害が起こり生活に不便を感じるようになってから点検や補修のご相談をいただくケースも多いのですが、以上のように雨漏りは防水層だけでなく下地や構造部分の腐食、電気配線、内装材まで被害を拡大させてしまいますので、雨漏りを起こさないように早めのメンテナンスを行う必要があります。
木造住宅の場合はシロアリ被害も要注意です。水を含んだ木材はシロアリの好物ですので、知らぬ間に引き寄せ主要木材が被害に遭えば、建物全体の耐久性が著しく低下してしまいます。
内装補修までの費用と較べれば、防水工事は決して高いメンテナンスではありません。
ベランダ・バルコニー、陸屋根には勾配がほとんどなく、三角屋根などに比べると雨水が流れにくい構造ですが、雨水を直接受け止める場所であることに間違いありません。ですからより一層の注意とメンテナンスで防水を万全にする必要があるのです。
ここまでご説明したように、ウレタン防水施工はただウレタン樹脂を塗り広げるだけでなく、その施工技術や下地処理、どのような工法で施工するかの判断など、経験と知識が必要な工事です。
通常の塗装職人ではなく防水職人が施工を行なってくれる業者を選びましょう。
さらに、防水工事を依頼する際は複数の業者に見積もりを取り、金額だけでなく、疑問や質問になんでも答えてくれて施工経験も豊富な業者に依頼することをおすすめいたします。
街の屋根やさんでは防水工事、点検、メンテナンスのご相談も承っております。
無料点検にて補修の必要性を判断し、塗料や工法に関するご提案をさせていただきます。ウレタン防水の施工費用や工法に関してご不明点がある、確実に雨漏りを補修したい方はお気軽にご相談ください。
セカンドハウスとして3週間に1度利用されるお住まいですが、しばらく前から雨漏りを起こしてしまっていたようです。内装まで被害が拡大してしまっているようですが、まずは雨漏りの原因となっているバルコニーの防水補修を行う必要があります。既存のシート防水に破れが見られるため、シートを撤去しウレタン防水工事(通気緩衝工法)で改善しました。
バルコニーの防水層が劣化したことで天井材まで雨染みが出来ていました。ここまで雨水が入り込んでいるということは防水面から天井材までの構造材が雨水を含んでいるという事です。天井材が剥がれ落ちることもあるので早急に張り替えたいところですが、まずは雨漏りの原因となっている防水層を補修しなければなりません。
既存シート防水には捲れはないものの摩耗による破れが見られました。この状態では防水の性能を発揮できませんし、今後シートが剥がれることも懸念されます。
そこで今回はシート防水を剥がし下地の腐食を確認した上で、防水層の再形成をご提案致しました。シート防水は撤去・処分費が掛かりますが、ウレタン防水は塗料ですので廃材が発生しません。
下地自体は腐食も酷くなく既存のまま利用することが出来ました。まずは樹脂モルタルで凹凸処理と下地調整を行います。乾燥後にプライマーで下地の密着性を高めます。
雨漏りがない場合はこのままウレタン樹脂を塗布し防水層を形成できるのですが、今回は雨漏りを起こしておりますので下地が水分を含んでしまっています。そこで塗膜の膨れを起こしにくい絶縁(通気緩衝工法)を行います。
絶縁(通気緩衝)シートを重ねずに下地に張っていきます。このシートには無数の穴が開いていますので、ウレタン樹脂は下地と半分密着、半分は浮いた状態に仕上がります。シートの隙間はジョイントテープで浮きや捲れを起こさないようしっかり留めていきます。
防水層と同様に排水ドレンも劣化し雨漏りを起こす可能性がある為、この機会に改修用ドレンで補修を行います(改修用ドレン使用時は既存口径よりも1サイズ小さくなりますので、面積に対して排水が充分出来るかの確認が必要です)
シートとセットで取り付けられるのは脱気装置です。歩行をする場所には邪魔にならない脱気盤を設置していきます。この脱気盤から絶縁シート部分に溜まった空気を排出していきますが、雨水が入り込むことはありませんのでご安心ください。
立ち上がり部分はメッシュシートで補強し、防水層の強度を高めます。ここまでが絶縁(通気緩衝)工法の一連の流れになります。
ここからは密着工法同様にウレタン樹脂を塗り重ねていきます。立ち上がり・平場の順に粘り気のある塗料を均一に塗布していきます。屋根外壁に使用される塗料の膜厚は0.03㎜程度ですが、ウレタン防水は3㎜程の厚みになりますので、勾配不良を起こさせない下地処理・ウレタン防水が非常に重要です。
ちなみにウレタン防水は艶のある仕上がりになりますが、太陽光・熱に弱い仕上がりです。このままでは10年も持たずに劣化してしまいますのでトップコートで表面保護を行います。
トップコートは防水性能がないもののウレタン防水表面の劣化を防止することが出来ます。またカラーバリエーションも豊富ですので、お気に入りのカラーに仕上げられます。以上でウレタン防水工事の絶縁(通気緩衝工法)は終了です。
施工2年後に定期点検にお伺いした時の写真ですが、防水層には全く変化もなくしっかりと防水性能を発揮していました。お住まいになられていて日常的にバルコニーを利用している場合は汚れが付着していると思いますので、定期的に清掃を行いましょう。
●ウレタン防水はウレタン樹脂を塗り重ねることで防水層を作る方法です
●ウレタン防水は比較的安価で10~14年の耐用年数が期待できます
●塗膜防水なので複雑な形状の場所でも継ぎ目なく施工できます
●ウレタン防水は伸縮性が高いので防水層のひび割れが起こりにくいです
●ウレタン防水のデメリットは、仕上がりが職人の腕に左右されやすいこと、施工日数がかかることです
●ウレタン防水には密着工法と絶縁(通気緩衝)工法があり、どちらが適しているか判断する必要があります
●ベランダ・バルコニー、屋上へのDIYでのウレタン防水施工はおすすめできません
●ひび割れ、亀裂、膨れなどの劣化に注意しましょう。普段からのこまめな清掃で長持ちさせることができます
●ウレタン防水には5年に一度程度トップコートの塗り替えがおすすめです
この記事の監修者
富田 功義
▼保有資格
2級建築施工管理技士・雨漏り診断士・一般建築物石綿含有建材調査者
20,000棟以上の施工実績を持つ『街の屋根やさん』多摩川支店の支店長。
赤外線カメラを使用した雨漏り調査など、幅広いお悩み事に対応可能なリフォームアドバイザー。
足立区保木間でバルコニーから雨漏りがしているとお問い合わせをいただき、調査を行ったところ防水層が傷んでしまっていることがわかりました。 今回は下地から行うウレタン防水工事をご紹介いたしますので、各工程ごとの注意点などを詳しく書いていきたいと思います。 バルコニーの防水工事において、コンパネ(構造用合板)の設置は重要な役割を果たします。まず、大工さんがバルコニーの下地組を行い、水が家の反対方向...続きはこちら
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雨漏り修理 防水工事
【施工内容】
雨漏り修理 防水工事
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防水工事
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