板金工事とは?屋根工事との違いや費用相場、必要なタイミングを解説
更新日 : 2026年02月23日
更新日 : 2026年02月23日

お住まいの雨漏りを防ぎ、建物の寿命を守るために欠かせない重要な工事の一つが板金工事です。
金属を加工する専門的な工事というイメージがあったり、言葉自体は聞いたことがあっても、「屋根工事と何が違うのか」「どこまでが板金工事なのか」まで知っている方は少ないかと思います。
このページでは板金工事と屋根工事のどちらも対応しているプロの視点から、具体的な工事内容、費用の目安、工事を検討する際の注意点までを分かりやすく解説いたします。
目次【表示】

板金工事とは、金属製の薄い板材を加工して建物に取り付ける工事全般を指します。
車の修理を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、建築分野ではそれと区別するために「建築板金」と呼ばれています。
建築板金は、屋根や外壁、雨樋、水切りといった部分に金属板を用いることで、雨風や紫外線から建物を守る役割を担っています。
国土交通省が定める専門工事業の一つとして正式に分類されており、見た目以上に高い技術力が求められる分野です。
金属の特性を理解し、わずかな隙間も作らず仕上げる精度が、お住まいの耐久性に直結します。

板金工事と屋根工事の違い
板金工事と屋根工事は混同されがちですが、両者の違いは「扱う素材」と「工事の範囲」にあります。
板金工事は金属という素材を扱う工事であるのに対し、屋根工事は屋根という場所を対象にした工事です。
板金工事ではガルバリウム鋼板などの金属建材を使用し、屋根だけでなく外壁の金属サイディングや雨樋、窓まわりの水切り板金なども施工範囲に含むことになります。
一方で、屋根工事は瓦・スレート・金属といった素材を問わず、屋根全体に関わる工事の総称となります。
そのため、金属屋根の新設や葺き替えは屋根工事でありながら、同時に板金工事でもあるのです。
瓦屋根から金属屋根へ葺き替えるような「屋根工事」と「板金工事」の両方が当てはまるケースでは、瓦職人ではなく板金工の技術が必要とされるのが大きな特徴です。

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現代の板金工事で使われる素材と加工技術

以前の建築板金ではトタンやブリキが多く使われていましたが、現在の主流は耐久性と防錆性に優れたガルバリウム鋼板です。
さらに近年では、ガルバリウム鋼板を改良したSGL(エスジーエル)と呼ばれる素材も登場し、より長寿命な屋根・外壁づくりが可能になっています。
これらの金属板は現場ごとに形状を合わせる必要があるため、板金職人は専用の工具を使ってミリ単位で加工を施しながら、雨水が入り込まないよう細部まで仕上げていきます。
確実な防水性能を保つためには施工経験と素材への深い理解が欠かせない、まさに職人の領域となります。
板金工事が主に担当するのは、棟板金や谷板金といった雨漏りが起こりやすい重要な部位です。
これらの部位の施工精度が低いと、建物全体の防水性に大きな影響を及ぼしてしまいます。
他の部材に隠れてしまいやすいような箇所への施工が多い板金工事は、目立たない存在でありながら建物の寿命を左右する重要な工事なのです。

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板金工事は金属を張るだけの単純な作業ではありません。
建物の形状や雨水の流れを読み取りながら、金属板を細かく加工し、防水性を高めていく専門性の高い工事です。
建築板金の仕事に共通しているのは、雨水をどこで受け止め、どこへ流すのかを明確に設計した上で施工することです。
この考え方を基に、屋根に関係する板金工事は大きく三つの分野に分けられます。

屋根材に関わる板金工事
現在の屋根リフォームでは、軽量で耐久性に優れたガルバリウム鋼板をはじめとする金属屋根材が多く採用されています。
板金工事では、こうした金属屋根を用いた施工を担当します。

工事種類は葺き替え工事とカバー工法(重ね葺き)
屋根の板金工事には、既存の屋根を撤去して新しくする葺き替え工事と、今ある屋根の上に金属屋根を重ねるカバー工法があります。
葺き替え工事は屋根材だけでなく下地まで確認・交換できるため、雨漏りによって野地板が傷んでいる場合や、建物全体の耐久性を見直したい場合に適しています。
一方、カバー工法は解体や廃材処分が少なく済むため、費用と工期を抑えながら金属屋根を重ねることで性能を向上させたい場合に選ばれることが多い工法です。

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雨漏りを防ぐための役物板金工事
板金工事の中でも特に重要なのが「役物(やくもの)」と呼ばれる部分の施工です。
役物とは、屋根の頂部や接合部など、雨水が浸入しやすい箇所に設置される板金部材を指します。

棟板金と谷板金
屋根の最上部を覆う棟板金は強風の影響を受けやすく、固定の緩みが雨漏りや飛散事故につながることがあります。
また、屋根面同士が交差する谷部分に設置される谷板金は雨水が集中して流れるため、板金工事の中でも特に高い防水性能が求められる部位です。

水切り板金
外壁と屋根の取り合い部分や軒先、ケラバなどに設置される水切り板金は、壁を伝って流れる雨水を適切に逃がす役割を担っています。
役物が正しく施工されていないと、屋根材や外壁自体が健全でも雨漏りのリスクは格段に増してしまう恐れがあります。

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雨樋に関わる板金工事
雨樋工事も板金工事と深く関わる分野の一つです。
雨樋は屋根に降った雨水を集め、建物の基礎や外壁を傷めないよう地上へ排水するための重要な設備です。
以前は板金職人がブリキを加工して雨樋を製作しており、現在でも耐久性の高い金属製の雨樋が流通しているものの、どちらかと言えばコストを抑えやすい樹脂製の製品の方が普及しています。
ただし、和風住宅や寺社仏閣などでは意匠性と耐久性を重視し、今も金属製の雨樋が選ばれるケースが少なくありません。

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これらの板金工事は、いずれも素材の特性と雨水の動きを理解した上で施工されることで本来の性能を発揮します。
特に接合部や重なり部分の精度は、お住まいの防水性と耐久性を大きく左右する重要なポイントです。
金属である以上、耐久性の高い建築板金であっても年月とともに少しずつ劣化は進行します。
次のような症状が見られる場合は、業者による点検や補修を検討すべきサインと考えられます。
サビの発生は早めの対応が重要

現在主流となっているガルバリウム鋼板は、従来のトタンに比べてサビに強い素材です。
ただし、経年劣化や海沿い地域の潮風、飛来物による傷などがきっかけとなり、部分的にサビが発生することがあります。
初期段階のサビであれば、塗装によるメンテナンスで進行を抑えることが可能です。
しかし、サビを放置してしまうと金属が腐食し、やがて穴が開いて雨水が直接建物内部へ入り込む恐れがあります。
この段階になると、板金そのものの交換が必要になるケースも少なくありません。

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釘や板金の浮きは飛散事故につながることも

棟板金などの板金部材は、新築時には下地に釘で固定されていることが多いです。
この釘は気温差による金属の伸縮や振動、経年劣化の影響を受け、徐々に浮いてくることがあります。
釘が浮いた状態をそのままにすると、棟板金と下地との隙間が広がり、そこから雨水が浸入しやすくなります。
さらに状態が悪化すると、板金自体が浮き上がり、台風や突風の際に剥がれて飛散する危険性も出てきます。
これは雨漏りだけでなく、近隣への被害や事故につながる恐れがあるため、見過ごせない症状です。
そのため棟板金の修理では、釘よりも強固な固定が可能となるビスを用いることが多いです。

貫板の腐食は内部で進行する気づきにくい劣化

棟板金の内側には、貫板(ぬきいた)と呼ばれる下地材が設置されています。
この部分は外から見えにくいため、劣化に気づきにくいのが特徴です。
釘の浮きや板金の隙間から雨水が入り続けると、木製の貫板は湿気を含んで腐食してしまいます。
貫板が傷むと釘をしっかり固定できなくなり、打ち直してもすぐに緩んでしまいます。
釘の浮きが頻繁に見られる場合は、内部の貫板まで劣化している可能性を疑う必要があります。
私たち街の屋根やさんでは、棟板金の工事の際には腐食を起こさない樹脂製の貫板へ交換することが多いです。

詰まりが引き起こすトラブル

屋根の谷部分に設けられる谷樋は雨水が集中して流れる構造のため、落ち葉や土埃が溜まりやすい場所です。
こうしたゴミが蓄積すると排水が妨げられ、雨水が行き場を失って滞留したり、あふれ出したりします。
排水不良が起こると、本来水が入らないはずの部分から雨水が逆流し、室内の雨漏りを招く原因になります。
このようなトラブルを防ぐためには、定期的な清掃と点検によって排水機能を保つことが欠かせません。

これらの劣化症状は地上からでは確認しづらく、気づいた時には被害が進行していることも多くあります。
お住まいの安全性を保つためにも、専門業者による定期点検を行い、適切なタイミングで板金工事を検討することが大切です。
板金工事が必要だと分かった後、多くの方が気になるのが「実際にいくらくらいかかるのか」という点ではないでしょうか。
板金工事の費用は修理する部位や範囲、使用する建材、建物の形状によって変わります。
あらかじめ相場感を知っておくことで、見積もり内容の妥当性を判断しやすくなります。
板金工事の主な種類と費用相場一覧
| 工事内容 | 費用相場※ |
| 棟板金の交換(20m) | 税込154,000円~ 275,000円 |
| 谷板金の修理 | 税込66,000円~ 132,000円 |
| 雨押え水切り板金 | 税込1,100円〜 4,400円/m |
| 雨樋修理(部分交換) | 数万円程度 |
| 雨樋修理(全交換) | 税込440,000円~ |
※足場代は別途必要になります。
板金工事の総額を抑えるために意識したい点
板金工事の費用を左右する大きな要素の一つが足場代です。
屋根や高所の雨樋工事では安全上どうしても足場が必要となり、お住まいを囲い込むようにすると足場代だけで20万円〜30万円程度かかる場合もあります。
この負担を抑えるためには、屋根塗装や外壁補修など、他のメンテナンスと同時に工事を行うことが有効です。
一度の足場設置で複数の工事をまとめることで、長期的なコスト削減につながります。

板金工事は既製品を取り付けるだけの作業ではなく、建物ごとの形状や納まりに合わせて金属をミリ単位に加工する職人技が問われる工事です。
依頼する業者によって仕上がりの品質や、その後の雨漏りリスクに大きな差が生じます。
ここでは、大切なお住まいを安心して任せられる板金業者を選ぶためのポイントをご紹介します。
建設業許可の有無は信頼性の目安になる
業者選びでまず確認したいのが、建設業許可を取得しているかどうかです。
建設業許可は、請負金額が500万円以上と大きな金額になる工事を行う際に必要なもので、都道府県知事または国土交通大臣から認可されます。
小規模な板金修理であれば許可がなくても施工自体は可能ですが、この許可を取得しているということは、一定の資産要件や実務経験、経営の健全性を満たしているという公的な証明になります。
将来的に規模の大きな工事を任せる可能性がある場合でも、安心して相談できる業者かどうかを判断する基準になります。

| 比較ポイント | 建設業許可あり (推奨) |
許可なし (小規模業者等) |
| 公的な証明 | 知事・大臣による認可 | なし(自己申告) |
| 信頼性の根拠 | 資産・実務経験・経営の 健全性 |
不明瞭な場合がある |
| 対応可能金額 | 500万円以上の 大規模工事も可能 |
小規模修理のみ |
| 将来の安心感 | 長期的なメンテナンスも 相談しやすい |
事業継続性に 不安が残る場合も |
施工事例と口コミから専門性を見極める
業者のホームページでは、過去の施工事例を必ず確認しましょう。
単に「屋根工事の実績が多いか」ではなく、金属屋根や棟板金といった板金工事の事例も充実しているかに注目することが大切です。
塗装や瓦工事の事例ばかりの場合、板金工事は行っていない(別の業者に流している)可能性も考えられます。
加えて、Googleの口コミなど第三者の評価を見ることで、担当者の対応や説明の分かりやすさ、工事後の満足度といった点も把握しやすくなります。

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相見積もりを取る
板金工事を依頼する際は、最初から一社に決めず、2〜3社から相見積もりを取ることが重要です。
費用の高い・安いだけで判断するのではなく、業者の信頼性を判断できるようなポイントを比較しましょう。
そのポイントの一つは、劣化状況や工事内容についての説明が分かりやすいかどうかです。
専門用語ばかり並べるのではなく、「なぜこの工事が必要なのか」を丁寧に伝えてくれる業者は信頼しやすい傾向があります。
もう一つは、保証やアフターサポートの体制です。
口頭だけでなく、保証書として書面で残してくれるかも確認しておくと安心です。

突然の訪問営業には慎重な対応が必要
「近くで工事をしていたら、お宅の屋根の板金が浮いているのが見えた」といった形で、突然訪問してくる業者には注意が必要です。
不安を煽り、その場で契約を迫るケースも少なくありません。
このような場合は、その場で契約しないことが何より大切です。
また、屋根に登らせてしまうと、故意に板金へ不具合を作られたり、過剰な指摘を受けたりする恐れもあります。
一度冷静になり、地元で実績のある板金業者に改めて点検を依頼し、客観的な意見を聞くことがトラブル防止につながります。

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板金工事(建築板金)は、金属を建物の形状に合わせて精密に加工し、屋根や外壁といった建物の主要部分を雨水や紫外線から守る、防水性能の要となる工事です。
施工の精度が防水性を大きく左右するため、専門知識と経験を備えた職人による確実な施工が重要となります。
板金工事で後悔しないためには、建設業許可の有無や施工実績、対応の丁寧さなどを確認した上で複数の業者から相見積もりを取り、内容を比較検討することが大切です。
突然の訪問営業などで不安を感じた場合も、慌てて判断せず、信頼できる専門業者に相談することで冷静に状況を見極めることができます。

板金工事に関連するお困りごとやメンテナンスのご相談がありましたら、ぜひ街の屋根やさんを頼ってください!
私たちは板金工事で使用する足場を活用し、塗装など他の専門的なメンテナンスを一手に引き受けることも可能です。
適切な板金工事と定期的な点検は、大切な住まいの寿命を延ばし、将来的な修繕費の抑制にもつながります。
この記事を参考にして、点検やメンテナンスを前向きに検討してみてください。
この記事の監修者

富田 功義
▼保有資格
2級建築施工管理技士・雨漏り診断士・一般建築物石綿含有建材調査者
20,000棟以上の施工実績を持つ『街の屋根やさん』多摩川支店の支店長。
赤外線カメラを使用した雨漏り調査など、幅広いお悩み事に対応可能なリフォームアドバイザー。
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