屋根の雨漏り修理方法や費用相場は?自分で直さずに専門業者へ依頼すべき理由を解説
更新日 : 2025年09月23日
更新日 : 2025年09月23日
台風や集中豪雨の時期に多く見られる雨漏りは、築年数の浅い住宅でも発生することがあります。
雨漏りをそのままにしてしまうと、室内の床が濡れるだけでなくフローリングの劣化やカビの発生につながり、お住まい全体の健康を損ねてしまいます。
特にカビはアレルギーや健康被害を引き起こすこともあるため、早急な対策が欠かせません。
この記事では、これまで多くの雨漏り事例を解決してきた街の屋根やさんの視点から、雨漏りを発見したときの初期対応や修理方法、火災保険の活用、修理費用の目安、信頼できる業者の探し方、さらに将来的な予防策までを丁寧に解説していきます!
目次【表示】
雨漏りが起きたときに最初に心がけるべきは、被害の拡大を防ぐことです。
まずは室内への被害を最小限に抑える
水が床材に染み込むとフローリングの劣化やカビの発生が進み、修理費用も膨らんでしまいます。
室内に雨水が落ちてきたらバケツやタオルを使って受け止め、家具や家電が濡れないように保護しましょう。
NGな雨漏りの初動対応は?
大元の原因を対策しようと、屋根に上ってブルーシートを被せるなどの応急処置は非常に危険です。
高所作業は転落のリスクがあるだけでなく、知識のない状態での処置はかえって屋根を傷つけ、被害を悪化させる恐れがあります。
どうしても応急処置が必要な場合は専門の業者へ連絡し、安全に対応してもらうことを強くオススメします。
被害状況の記録を残すことが重要
雨漏りを見つけた際には写真や動画で状況を記録しておくことも大切です。
できるだけ複数のアングルから撮影し、被害の広がりが分かるように残しておくとよいでしょう。
これは修理業者に原因を特定してもらう際に役立ち、調査がスムーズになれば修理費用の削減につながる可能性もあります。
また、台風や集中豪雨などの自然災害による雨漏りは状況によって火災保険の対象になる場合があります。
その際、被害の証拠として写真が必要になるため、記録を残しておくことで保険申請を円滑に進めることができます。
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建物の構造劣化
雨漏りをそのままにしておくと柱や壁が脆くなり、建物の強度そのものが低下してしまいます。
場合によっては一部の修理だけでは追いつかず、大規模なリフォームを余儀なくされることもあります。
カビの繁殖と健康被害
雨漏りによる湿気は天井裏や壁内にカビが繁殖する環境を作り出します。
カビは25度前後の気温と高湿度で増えやすく、見えない場所で広がってしまうと室内に独特のカビ臭さを放ちます。
さらに、アレルギーや呼吸器系の不調を引き起こす可能性もあるため、早めの点検と修理が欠かせません。
漏電・火災の危険
水分が電気配線に触れると、漏電や火災のリスクを伴います。
漏電に気づかずに放置してしまうと感電事故の危険もあるため、雨漏りが見つかった際には電気系統への影響にも十分な注意が必要です。
シロアリ被害
雨漏りによって建物内部に湿気がこもると、シロアリが発生する原因となることがあります。
シロアリは建物の内部を静かに食い荒らし、被害が気づかぬうちに進行してしまいます。
雨漏りとシロアリ被害はどちらも早期の対応が重要です。
資産価値の低下
長期間雨漏りを放置すると建物の状態は悪化し、住宅の資産価値は大きく下落してしまいます。
修理費用が膨らむだけでなく、売却の際にも大きなマイナス要因となるため、早めに修理を行うことが最善策です
DIYでの雨漏り修理が難しい理由
応急処置としてバケツで雨水を受け止めたりタオルで養生することは可能ですが、本格的な屋根の雨漏り修理をDIYで行うのは極めて困難です。
その理由の一つは「室内で雨水が垂れてくる場所」と「雨漏りの根本的な原因箇所」が一致しないケースが多いからです。
建物の構造や屋根材の種類によって水の通り道は複雑であり、専門家でも原因を特定するのに時間がかかることがあります。
そのため、素人判断での修理はかえって屋根に新たな傷をつけたり、状況を悪化させてしまう恐れがあります。
また、自分で屋根に上ってブルーシートを被せるなどの応急処置を試みるのは転落事故のリスクが非常に高く、決して安易に行うべきではありません。
DIYでできる範囲はあくまで「室内への被害を抑える応急処置」に留めるべきでしょう。
プロに依頼するメリット
専門業者に依頼することで、まず雨漏りの原因を正確に特定できる可能性が高まります。
資格を持つ「雨漏り診断士」などの経験豊富な業者は、屋根の種類や劣化状況、建物の内部構造を踏まえて原因を見極め、最適な修理方法を提案してくれます。
プロであれば雨漏りへの解決・修理方法も幅広く、部分的な補修から屋根材の交換、さらには葺き替えまで、状況に応じた工事が可能です。
特に自社で調査から施工までを一貫して行う業者なら中間コストが発生せず、適正価格で確実な工事が期待できます。
プロの手による修理は、DIYと比較しても高水準の安心感をもたらしてくれるため、雨漏り修理は専門業者に任せることが最善手です。
建物の雨漏り修理にかかる費用は、その発生箇所・被害の規模・建物の構造・使用される材料によって大きく変動します。
一般的な修理費用は5万~30万円程度が相場とされていますが、劣化が重度である場合に必要となるリフォームは100万円を軽く超えてしまうことも珍しくありません。
適切な修理を行うためには、まず原因箇所を正確に特定し、それに合った方法を選ぶことが重要です。
それでは、雨漏りの原因になりやすいお住まいの6つの箇所と修理費用についてチェックしてみましょう。
【1】屋根関連の雨漏り
屋根からの雨漏りは最も一般的なケースであり、主に経年劣化や自然災害が原因で発生します。
屋根材:瓦やスレートの問題
原因としては、台風などで飛来物が当たったことによる屋根材のヒビ割れ、あるいは瓦を固定している漆喰の劣化が挙げられます。
修理方法は新しい瓦やスレートへの交換とシーリングによる防水処理、または劣化した漆喰の詰め直しが行われます。
ただし、これだけでは根本的な雨漏り原因が解決しないことも多いため、この後ご紹介する下地材の補修まで必要かどうかを調査しなければなりません。
▼費用相場
施工内容 | 費用相場 |
屋根材の割れ・欠損 | 33,000円~55,000円 |
瓦の差し替え | 33,000円~55,000円 |
漆喰詰め直し | 88,000円~330,000円 |
棟の取り直し | 99,000円~660,000円 |
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棟板金(むねばんきん)
スレート屋根の頂部に位置する棟板金は、浮きや飛散によって雨漏りを引き起こすことがあります。
修理方法は棟板金と下地の貫板(ぬきいた)の交換が中心です。
足場を組むため、修理には3日程度かかることがあります。
▼費用相場
施工内容 | 費用相場 |
棟板金交換 | 154,000円~275,000円 |
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谷樋(たにどい)
二つの屋根面が接する谷状の箇所に設置される谷樋は、水が集中するため劣化や雨漏りが生じやすい部分です。
修理方法として、谷樋丸ごとの交換が必要となります。
▼費用相場
施工内容 | 費用相場 |
谷板金交換 | 66,000円~132,000円 |
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ルーフィング/下地の補修・張り替え
雨漏りの原因が屋根材の下にある防水シート(ルーフィング)や野地板などの下地の損傷にある場合、補修や張り替えが根本的解決として必要です。
修理方法は葺き替えやカバー工法といった屋根リフォームを行います。
▼費用相場
施工内容 | 費用相場 |
屋根カバー工法 | 877,800円~1,430,000円 |
屋根葺き替え工事 | 1,097,800円~2,200,000円 |
下地補修の内訳:施工単価 | |
野地板 | 3,000円~4,000円/㎡ |
ルーフィング | 1,000円~1,500円/㎡ |
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【2】外壁関連の雨漏り
雨漏りは屋根だけでなく、外壁から雨水が浸入して発生することも珍しくありません。
原因としては外壁の亀裂や塗装の剥がれ、そしてシーリング材の劣化が考えられます。
外壁塗装と部分補修
シーリングのひび割れ補修や外壁の微細な亀裂の補修が必要になります。
古いシーリング材を撤去し、新しい材を充填する「シーリング打ち替え」は、増し打ちよりも費用が高くなる傾向にあり、足場が必要な場合は合計で50万円近くになることもあります。
そのため、同じく足場を必要とする外壁塗装とセットで対応することが基本となります。
外壁塗装を行うことで外壁の耐候性や防水性を維持し、サイディングなどの劣化・ひび割れを防ぐことも雨漏り対策として重要です。
▼外壁塗装の費用相場
坪数(延べ坪数) | 塗装面積 | 外壁塗装 相場 |
20坪 | 約80㎡ | 約40~60万円 |
30坪 | 約120㎡ | 約60~90万円 |
40坪 | 約160㎡ | 約80~110万円 |
50坪 | 約200㎡ | 約100~150万円 |
60坪 | 約240㎡ | 約130~190万円 |
外壁材全体の劣化
サイディング材などの外壁材全体の劣化が進行している場合は、重ね張り(カバー工法)や張り替えといった大規模リフォームが必要となります。
▼費用相場
施工内容 | 費用相場 | 施工単価 |
外壁カバー工法 | 約195万円~ (途中で塗装などのメンテナンスが必要) |
15,000円~/㎡ |
外壁の張り替え | 約390万円~ (途中で塗装などのメンテナンスが必要) |
30,000円~/㎡ |
【3】窓・天窓からの雨漏り
原因は窓枠の防水処理を行うシーリングの寿命(約10年)、天窓自体の劣化、あるいは天窓周囲のゴミ詰まりなどが考えられます。
修理方法には劣化したシーリングの再施工、天窓周囲の清掃、そして天窓自体の撤去や交換があります。 費用相場は3万~25万円です。
天窓の撤去・交換は、瓦の撤去・交換が必要な場合は費用が高額になります。
天窓の寿命は20~30年とされており、工事には足場代が別途必要となることが多く、工事規模によっては大きな金額がかかることもあります。
▼費用相場
施工内容 | 費用相場 |
シーリングなどの部分補修 | 3万~25万円 |
天窓の交換・撤去 | 50万円~ |
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【4】ベランダ(バルコニー)からの雨漏り
原因としてはベランダ外装部分や防水層の亀裂、経年劣化、手すりや窓周囲のシーリングの施工不良、さらには排水口の詰まりなどが挙げられます。
防水部分の主な修理方法は防水工事や排水口の清掃です。
すでに雨漏りが発生しているベランダに対しては、「通気緩衝工法」での防水工事をご提案しています。
▼費用相場
施工内容 | 費用相場 |
ベランダ防水工事(2~3㎡) | 10万円~ |
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【5】天井からの雨漏り
天井の雨漏りは、その上部にある屋根や外壁からの浸水が原因であることが多いです。
天井部の修理方法としては、天井板、壁紙クロスの張り替えなどの内装工事が必要になります。
根本的な原因である屋根や外壁の修理も同時に必要になるケースがほとんどです。
【6】屋上(陸屋根)からの雨漏り
最近は傾斜のある屋根だけではなく、陸屋根と呼ばれるような屋上のあるお住まいも増加しています。
屋上からの雨漏りのほとんどは、ベランダと同じく防水層の経年劣化が原因です。
また、排水口(ドレン)の詰まりも原因となります。
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雨漏り修理の費用が高額になるケースは?
雨漏り修理は、状況によっては一般的な相場よりも費用が高くなることがあります。
屋根が経年劣化していた場合
屋根の一部補修で済む場合もありますが、屋根全体が経年劣化していると葺き替えといったリフォームが必要になります。
この場合、費用は100万~300万円程度になることも珍しくありません。
状況によって、一時的な修理で済ませてしまうとすぐに別の箇所から雨漏りする可能性が高いため、全面的な葺き替えが推奨されるのです。
大がかりな調査をした場合
雨漏りの経路が複雑で分かりづらい場合、専門的な調査が必要となり、修理前から想定よりも費用が膨らむ傾向にあります。
例えば、散水調査は5万円程度かかることがあり、内部を調べるための解体調査まで発展すると費用が上がります。
街の屋根やさんでは店舗によってサーモグラフィカメラを駆使して調査を行うこともあり、確実な調査で原因を突き止めてから修理を進めるようご提案させていただきます。
赤外線カメラを用いた非破壊調査であれば、壁を壊したり穴を開けるといった大がかりな作業を必要とせずに、雨漏りの発生や原因箇所の特定のための調査が可能です。
雨漏りを放置している内に材質が腐食してしまった場合
雨漏りを発見してもすぐに対処せず放置してしまうと、柱が腐食するなど、建物内部に深刻なダメージが広がり、屋根や外壁に限らず大規模なリフォームが必要になることがあります。
本来10万円程度で済んだはずの修理が、放置した結果、100万円以上かかる事例も少なくありません。
放置は日々状況を悪化させ、最終的には家の資産価値を低下させてしまうため、早期の対応が重要です。
屋根や外壁からの雨漏り修理は高額になることが多く、火災保険が適用可能かどうかはとても大きな意味を持ちます。
条件を満たせば修理費用の一部または大半を保険で賄えるため、自己負担を大きく抑えられるのです。
知っておきたい!火災保険の主な適用条件
火災保険が適用されるのは、自然災害による被害が原因である場合です。
落雷や強風、飛来物などで屋根材が破損し、そこから雨漏りが生じたケースは補償の対象になる可能性があります。
特に台風後の雨漏りは自然災害と認められやすい被害が多くなるため、申請が通りやすい傾向にあります。
申請のため、保険会社に提出しなければならない被害状況の写真や見積書の作成は、雨漏り修理を行う業者がサポートしてくれる場合が多いため、まずは積極的に相談しましょう。
保険の適用外となるケースは?
一方で、経年劣化や人為的なミスが原因と判断された雨漏りは保険対象外です。
古くなった屋根材や、DIYでの不適切な修理によるトラブルは保険が適用されない点に注意が必要です。
屋根の雨漏りによくあるケース:自然災害と経年劣化のどちらも原因に関わっている
屋根の雨漏り原因として、瓦の割れといった表面的な問題が自然災害によるものであったとしても、そこから浸入した雨水を遮断できない程に経年劣化したルーフィングの修繕費用は保険の適用範囲外となります。
あくまで自然災害による被害部分を修理するための保険であることは覚えておいてください。
火災保険と屋根カバー工法の注意点
なお、屋根リフォームでよく行われる「カバー工法(重ね葺き)」には特に注意が必要です。
火災保険は原則として「現状復帰」を目的としているため、既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねるこの工法は、現状復帰とみなされず保険が使えないことがあります。
検討している方は、必ず事前に保険会社へ確認しておきましょう。
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雨漏りは一度発生すると建物の寿命に大きな影響を与えるため、確実な修理を一度で終えることが理想と言えます。
そのためには、信頼できる業者選びが何より重要です。
「1回で直らずに何度も費用を掛けることになるのが不安」という費用面への懸念は、頂くお問い合わせの中でもよく耳にしています。
ここでは、業者選びを失敗しないための3つの視点をご紹介します。
【1】雨漏り箇所に合わせた業者を選定する
例えば、1階での雨漏りは屋根以外に原因があることが多く、外壁や窓、ベランダ防水の専門業者に依頼するのが適切です。
逆に2階での雨漏りは屋根が原因である可能性が高いため、屋根専門の業者に相談してみると専門的な視点や経験則から原因を突き止めてもらいやすくなります。
もし依頼した業者と原因箇所のミスマッチが発生すると、適切な原因特定ができないまま補修が行われ、結果的に雨漏りの再発や、余計な費用、時間の浪費につながることがあります。
ちなみに…街の屋根やさんは屋根に限定せず、外壁やベランダ防水などお住まいのメンテナンス全般に幅広く対応可能ですので、どんな雨漏りであってもご相談いただけます!
【2】資格を持つ業者を選ぶ
雨漏りは原因の特定が難しいため、専門的な資格を持つ業者を選ぶと信頼度が高まります。
例えば「雨漏り診断士」や「外装劣化診断士」といった資格は、雨漏り調査に特化した知識と経験の証明です。
資格保有者が在籍している業者であれば、調査から修理までスムーズに進み、無駄な費用の発生も防げます。
【3】アフターフォローが充実している業者を選ぶ
どれだけ技術力の高い業者でも、修理後に予期せぬ不具合が生じることはあります。
だからこそ、保証制度やアフターフォローの有無は大切なチェックポイントです。
優良業者は工事内容に不具合があった場合の無償補修を提供していることが多いです。
業者選びで他に意識しておくべき点
信頼できる修理業者を見極めるには、上記の3つに加えて以下のような視点も大切です。
施工実績の豊富さ
雨漏りは原因が複雑なため、多くの現場経験を持つ業者ほど確実な原因特定と適切な提案が可能です。
地域密着で活動しているか
事務所や店舗が近い業者は、トラブル時にも迅速に対応してもらえます。
中間業者を介さない直接施工体制
紹介会社を通さない業者なら中間マージンが発生せず、その分費用を抑えた修理が期待できます。
近年ではインターネットで業者を探すことが主流となってきていますが、上位に表示されやすい「一括見積もりサイト」や「特定地域の業者ランキングサイト」、「業者紹介サイト」の利用時には紹介料が発生しやすいことに留意しておきましょう。
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雨漏りが発生しても、その原因をすぐに突き止められるとは限りません。
実際には、雨水の浸入箇所と室内で漏れている箇所が異なるケースも多く見られます。
そのため、簡単な調査方法だけでは原因特定に不十分と判断された場合、修理費用とは別に専門的な調査費がかかってきます。
的確な修理のためには、まず原因を正確に把握することが欠かせないためです。
目視調査
最も手軽な調査は「目視調査」です。
専門業者が直接屋根や外壁を確認し、ズレやひび割れといった目に見える異常から原因を探る方法です。
初回の調査方法として、無料点検の範囲で行われることが多いです。
明らかに不具合がある場合には、この目視調査で原因を断定することもあります。
散水調査(散水試験)
原因が分かりにくい場合には「散水調査」が行われます。
これは、雨漏りの疑いがある箇所にホースなどで水をかけ、室内で雨水の漏れが再現されるかを確認する方法です。
晴天時でも実施できるメリットがありますが、手間や時間がかかりやすい作業のため、費用は5万円程度と有償の対応になることがほとんどです。
屋根部分を調べる場合は足場代も必要になることがあり、ご家庭の水道を使用するため水道代もかかります。
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赤外線カメラによるサーモグラフィー調査
他にも赤外線カメラによる「サーモグラフィー調査」があります。
赤外線カメラで漏水箇所や原因と思われる部分を撮影し、表面の温度差を測定して雨水の浸入経路を特定します。
水が染み込んだ箇所は温度が低く映るため、浸入経路が分かりやすいのが特徴です。
雨漏り調査で注意したい書類作成費について
なお、目視以外の調査を行う場合は、業者によって別途報告書作成費が要求されることもあります。
高額な調査が必ずしも最適とは限らないため、状況に応じた方法を信頼できる業者とよく相談して選ぶことが大切です。
屋根全体の劣化が進み、部分的な修理では改善が見込めない場合には、大規模な屋根修理が必要になります。
代表的な方法として「カバー工法」と「葺き替え」の二つが挙げられます。
屋根カバー工法(重ね葺き)の特徴
カバー工法は既存の屋根を撤去せず、その上から新しい屋根材を重ねるリフォームです。
カバー工法のメリットは、まず費用を抑えられる点にあります。
既存の屋根材の撤去や廃材の処分費用がかからないため、葺き替えに比べて総コストを抑えることができます。
特に、アスベストを含む屋根材の場合、撤去費用が高額になるうえ処理にも注意が必要ですが、カバー工法ならその問題を避けられるため、費用面でのメリットは大きいです。
また、工期が短いのも魅力です。
葺き替えが約7~10日かかるのに対し、カバー工法なら5~7日程度で完了するのが一般的です。
さらに既存の屋根を残したまま作業するため、工事中の雨漏りリスクも低減できます。
屋根が二重になることで遮音性や断熱性が向上する効果もあります。
断熱性向上によって屋根材の下地である野地板の温度変化が少なくなると、結露の発生を抑えやすくなり、それが野地板の劣化を防ぐことにも繋がります
下地が劣化している場合には施工できないため、野地板が傷んでいる場合は葺き替えが必要です。
また、屋根が重くなることで耐震性への影響も考慮しなければなりません。
さらに、カバー工法を一度行うと次回の修理では葺き替えしか選択できず、撤去費用が二重に発生する可能性があります。
先にご紹介した通り、屋根カバー工法には火災保険が適用されないケースが多い点にも注意が必要です。
費用相場
カバー工法 費用相場 戸建て住宅(延床30坪前後の建物) |
約100万円~150万円 |
費用相場は、戸建て住宅(延床30坪前後の建物)で約100万円~150万円が目安となります。
使用される屋根材は、軽量で耐久性の高い金属屋根(ガルバリウム鋼板など)が一般的です。
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屋根葺き替え工事の特徴
葺き替えは、既存の屋根材をすべて撤去し、下地の点検や補修を行ったうえで新しい屋根材に交換する方法です。
最大のメリットは、屋根全体を新しくできるため確実に寿命を延ばせる点です。
下地の劣化も同時に補修できるため、雨漏りの根本的な解決につながります。
ただし、既存屋根材の撤去と処分が必要なため、費用が高額になりやすい傾向があります。
工期も2週間程度と長くなるため、工事中の生活への影響はカバー工法より大きいと言えるでしょう。
費用相場
屋根葺き替え工事 費用相場 戸建て住宅(延床30坪前後の建物) |
約110万円~220万円 |
費用相場は、戸建て住宅(延床30坪前後の建物)で約110万円~220万円が目安となります。
特に築年数が長く、深刻な傷みがある場合には補修箇所が多くなるため、200万円を超えることも珍しくありません。
カバー工法よりも葺き替えが適しているケース
葺き替えが適しているのは、下地の劣化が激しい場合や築40年以上のスレート屋根、カバー工法ができない瓦屋根の場合などです。
建物の寿命をしっかり延ばしたい場合には、葺き替えを選択するのが確実です。
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建物を長持ちさせ、雨漏りを未然に防ぐには定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。
特に屋根や外壁は日々雨風にさらされ、少しの劣化が大きな雨漏りの原因となるため、早めの対応や予防策を知っておくことが重要です。
天井のシミや劣化
天井にシミや劣化を見つけたときは自己判断で放置せず、必ず専門のリフォーム会社に点検を依頼しましょう。
天井のシミは見えない部分で雨水が浸入しているサインですので、とにかく迅速な対応が被害拡大を防ぎます。
ベランダや屋上の防水層
ベランダや屋上は特に水が溜まりやすい場所です。
5年ごとに防水層表面のトップコートを塗装し、10~15年ごとに防水層自体(FRP・ウレタン・防水シートなど)の改修を行うことが理想的です。
また、排水口が詰まると雨水が逆流し、思わぬ箇所への浸水を招くため、日頃の清掃も忘れずに行いましょう。
屋根と外壁
屋根や外壁に使われている塗膜、コーキング、漆喰、棟板金なども10年ほどで劣化が始まります。
10~15年を目安に点検と補修を行い、必要に応じて塗装などの適切なメンテナンスを施すことが推奨されます。
足場を設置する際は外壁と屋根を同時にメンテナンスする方が効率的に施工でき、費用面においても無駄がありません。
天窓や普通の窓
さらに、窓や天窓も雨漏りの浸入口になりやすい場所です。
窓枠のパッキンやシーリングは10~20年、理想としては5~10年ごとに交換・補修が必要です。
天窓についても定期的な点検や清掃を欠かさないことで、思わぬ雨漏りを防ぐことができます。
雨漏りの初期症状を見逃さないことが大切!
こうしたメンテナンスに加えて、「カビ臭さ」「天井の雨染み」「ポタポタという水音」といった小さな異変を見逃さないことも大切です。
これらは雨漏りの初期症状であり、気づいた時点で専門業者に相談すれば大規模な修理を避けられる可能性が高まります。
雨漏りは台風や豪雨といった自然災害、あるいは建物の経年劣化によって発生します。
放置すればフローリングの劣化、カビの発生、構造材の腐食といった深刻な二次被害を招き、修理費用が膨らむだけでなく、建物の資産価値まで損なわれてしまいます。
万が一雨漏りを発見したら、まずはバケツやタオルで水を受け止めるなどの応急処置を落ち着いて行いましょう。
そして本格的な修理には高度な知識と経験が必要なため、DIYではなく必ず信頼できる専門業者へ依頼することが大切です。
もし緊急で業者を探していたり、何度直しても解消しない雨漏り被害にお悩みでしたら、ぜひ街の屋根やさんを頼ってみてください。
雨漏り修理に豊富な経験を持つスタッフが確実な原因特定を行い、修理対応まで一貫して対応させていただきますので、最後までしっかりサポートいたします!
早期発見と早期対応こそが費用を抑えながらお住まいを守り、安心して暮らせる毎日につながります。
この記事の監修者

富田 功義
▼保有資格
2級建築施工管理技士・雨漏り診断士・一般建築物石綿含有建材調査者
20,000棟以上の施工実績を持つ『街の屋根やさん』多摩川支店の支店長。
赤外線カメラを使用した雨漏り調査など、幅広いお悩み事に対応可能なリフォームアドバイザー。
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