
HOME > 施工事例 > 品川区小山台にて築40年以上経過した傷みすぎた瓦棒葺き屋根を.....
【施工前】
【施工後】
【お問い合わせのきっかけ】
担当:新海
担当:新海
こちらが現地調査時の様子です。K様邸は大通りから一本入りましたところに建てられており、前面道路も狭く軽自動車がぎりぎり通れるかもしれないという立地でした。玄関上に庇があり、ポリカ波板が全面に取り付けられておりました。外から見ているだけでも屋根は瓦棒葺きで相当傷んでいる様子が確認できました。まずは室内を見させて頂き雨漏りしている所を確認することに致しました。
コロナ対策を万全にしマスクももちろん着用し室内に入らせて頂きました。玄関がある南側から入り勝手口がある北側のほうへと室内を確認していきますと、天井の仕上げ材に使われていた薄ベニヤが雨水を吸い放題でブヨブヨな状態でした(写真左)。茶色に見える変色している部分は、おそらく長年屋根を支える垂木や野地板、母屋などが雨水を吸いこみ、その部分から落ちてくる水分がポタポタと天井に染み入って付いた色だと思われます。
また、一部天井材が剥がれたのか建てられた当時からなのか分かりませんが、野地板が丸見えな状態でした(写真右)。ここだけを見ても野地板、K様邸は築40年以上経過しているため、当時よく使われていたバラ板と呼ばれる野地板が真っ黒に腐食している状態が確認できました。昔は現在のように防水紙(ルーフィング)の品質が高くなかったこともあり、屋根裏の湿気を逃がす通気のために隙間があくようにバラ板が使われておりました。現在でもバラ板は使われております。それでは外に出て屋根の状態を確認致します。
脚立を持ってきてポリカ波板の上に乗り、軒先から屋根に上がるところです。この時点で既に相当錆が回ってしまっているのが分かったために、むやみに屋根全体の移動は避け瓦棒葺きの合羽部分を移動することに致しました。
まずは写真でもお分かりのように瓦棒の軒先の腐食、錆がひどく内部が見えてしまっている状態です。これでは小雨でも大雨でも関係なく、長い間雨水が入り続けてしまっていたのではないでしょうか。軒先にある広小舞も腐食している様子もあり、調査は慎重にせざるを得ず時間をかけての調査となりました。
このように凹凸のある瓦棒葺き屋根の合羽部分が簡単に持ち上がるほど固定力を失ってしまっております。まだK様邸は平屋で近隣のお住まいは二階建てということもあり、あまり強風が吹いても影響を受けにくいのかもしれませんが、二階建てのお住まいで屋根がこのような状態ですと、強風や台風時に一枚一枚トタン屋根が捲れて飛散してしまっていたかもしれません。それほどトタン屋根が押さえ付けられない状態でした。軒樋内部にも腐食した木材が落ちていることが窺えます。
瓦棒葺きは、軒先から内部にある心木と呼ばれる下地木が雨水を吸い込みやすい特徴があり、経年でどうしても屋根材の固定が緩くなることがございます。腐食した心木やトタンは塗装ではメンテナンスになりませんのでカバー工事、もしくは葺き替え工事でしか対応ができなくなることが多いのです。
屋根全体が波打っているのが分かるほど写真以上に経年劣化による傷みが酷かったために屋根の平米、役物の寸法を取りすぐに屋根から降りました。降りる際に気になったのが軒先の合羽に打ち込んでシーリングで補強してあった、東電からの送電線の引き込み金具です。もし葺き替え工事を行うのであれば、この引き込み金具を別の場所に移してからでないと着工ができません。
今回は東電とも事前に打ち合わせをし、外壁にアングルを取り付けてからそこへ東電へ引き込み金具を取り付けに来てもらい、それから屋根葺き替え工事着工となりましたので、着工までに時間がかかってしまいました。それらもすべて現地調査時にお伝えしておりましたので、K様には着工まで通常よりも東電次第で遅れる事も想定内でした。それでは施工の様子です。
街の屋根やさんでは、屋根葺き替え工事を税込1,097,800円/㎡から承っております。
今回の一番の難関は既存の瓦棒葺きの屋根材の撤去と下地の腐食具合によっては補強が必要と思われるところでした。慎重に職人がトタンを捲っていきますと、想定通り痩せ細ったバラ板が多く確認でき、垂木以外の個所はまともに負荷がかけられない程でした。ですので、まずは野地板を重ね張りする前に補強が必要です。ケラバ付近の方から補強が必要な個所、垂木の角材を抱かせて補強を行うために現地にて打ち合わせ致しました。
軒先から屋根の頂点である棟を見上げると、このようになっております。まずトタンを捲ると経年劣化でボロボロの防水紙、また痩せ細って雨水を吸ってしまいボロボロのバラ板が確認できます。垂木以外に乗るとその時点で室内天井を抜いて落ちてしまうような程でした。今回は垂木の補強を行うために慎重に垂木に釘を打ち固定してあるバラ板を外す作業から始まります。
補強した個所のバラ板を軒先から棟まですべて釘抜きを使って外した後、事前に何本も用意した角材を既存の垂木に横から抱かせてSUSビスで固定させて頂きました。母屋と垂木にSUSビスを打ちこんで固定しております。余計な力は極力かけないように施工をしておりますので、想定よりも時間がかかってしまいました。しかし、無事補強が出来てまずは一安心です。
写真の赤い丸で囲んだ部分にSUSビスを打ち込んだ所がお分かりいただけるかと思います。この補強をまずは捲り始めた南面側から行っていきました。しかし、補強も一定間隔でビスを打てるわけはなく、腐食しきっている所はビスを打つと垂木が割れてしまうために、ビスを打つ個所も職人の経験と腕が試されましたが、上手くいきました。
補強が終わった個所は外しておいたバラ板を再度取り付けしなおしまして、野地板の重ね張りを致しました。
天気予報は一日晴れだったのですが、午前中の暑いほどの晴天とは変わり午後に雨が降り出してしまいました。この状態で施工を続けるのは困難だったこともあり、本日は南面のみの施工に留めておくことに致しました。
野地板を重ね張りし、軒先やケラバの水切り取り付け、防水紙の取り付けを行っている最中に雨が降り出しましたので、雨養生もかねて北側へ防水紙のマモノを被せて本日の施工は終了し、翌日に続きを行うことに致しました。まだ平屋で屋根角度も緩かった為に急な雨でもなんとか対応が出来ました。常に数日先の天気予報を確認して段取りをしていても、急な天候の変化には敵いません。
翌日、前日と同じような晴天に恵まれて続きの施工を行います。北側もすべて屋根材を捲って腐食した心木、役物の撤去を行い、南面と同じく垂木補強を部分的に行い野地板を軒先から棟側へと重ね張りしていきます。本来であれば初日に防水紙の取り付けまで一気に行うのですが、急な天候の変化もあったために二日かかってようやく防水紙の取り付けも全面終了です。
寄棟や方形屋根と違い二方向へ流れがあるシンプルな切妻屋根でもあったために、下地がしっかりと重ね張りを終えてからは施工も一気に進みます。前面に防水紙を取り付け終わりましたら、いよいよ新しい屋根材であるオークリッジスーパーの取り付けとなります。
こちらが屋根前面に防水紙を取り付け、オークリッジスーパーを荷上げし終えて葺き始める前の屋根の様子です。ピンクのビニールで梱包されているのが特徴で分かりやすいオークリッジスーパーです。屋根材を捲ったときは無事に工事が納まるか心配でしたがここまできたら心配はありません。丁寧にオークリッジスーパーを取り付けるのみです。
特徴は金属屋根までは軽くはないのですが、オークリッジスーパーも軽量な屋根材に分類される防水性能に優れた屋根材として街の屋根やさんでも多く施工させていただいてる屋根材となります。基本は釘で固定していくのですが、セルフシーラントと呼ばれる部分が熱で粘着してくれ、屋根材同士が強固にくっついて強風や雨水にも強く耐久性があり、現場での加工のしやすさから施工期間の短縮にも繋がる人気の屋根材の一つです。
まずは軒先にオークリッジスーパー本体を横に半分に切断しスターターとして軒先に取り付けた後にオークリッジスーパーを固定いたします。本体には白線が引いてあり一枚に対して4本の釘を打ちオークリッジスーパーの取り付けを行います。屋根を正面にとらえて左側のケラバから取り付けはじめ右へと順に取り付けていきます。
腕のいい職人ですと瓦屋根や金属屋根、スレート屋根と違いどんどん取り付けし終えてしまうので、稀にお客様から施工が早すぎないかと心配されるときもございますが、きちんと施工しておりますのでご安心ください。南面から葺き始め棟まで取り付け終わったら北側の取り付けに移ります。
今回はお住まいの築年数が約50年近いことと下地の腐食が相当前から進んでいたこともあって、特に北面には遠目から見ると不陸が出てしまっておりますが、この状態になることも事前にご説明しておりますので問題ございません。不陸とは建築でいうところ、水平ではないという意味です。本来であれば新しい野地板を使い葺き替えているので軒先から棟まで凹凸もなく水平になるのですが、施工最初の数枚の写真を見ていただきました通り、下地が相当前から雨水を吸って傷んでしまっていたためにどうしても不陸は出てしまいます。このようなことも出ることは事前にお客様にはご説明させていただいております。
無事にオークリッジスーパー本体の取り付けが終わり、最後に雨仕舞として棟板金の取り付けを行います。
新しい貫板を取り付け、その上にガルバリウム鋼板の棟板金を一枚ずつ固定していきます。切妻ですので一直線に取り付けますのでそこまで時間もかかりません。もちろん板金の継ぎ目は生まれますので、そのような個所には必ずシーリングを打ち雨水が横から入り込み建物内部へ入らないように処理を施しておきます。棟板金の取り付けが終われば屋根葺き替え工事の完了となります。
今回は予算もある程度限られていることもあり、雨樋交換のお話も出たのですがそのままにしておくこととなりました。隣家との距離も近く、ぎりぎりケラバ水切りの取り付けが出来ました。屋根全体を移動していると、調査時の様な不安も感じることもなく綺麗にオークリッジスーパーが葺き終えていることが確認できました。
品川区小山台K様邸の屋根葺き替え工事が無事に竣工となりました。事前にある程度屋根材を捲ってみないと不確定な要素が多いとご説明させていただき、またご近隣の方にも施工中ご迷惑がかかることもご理解いただけていたために施工はスムーズに進みまして、担当も施工が無事に終わり、お引き渡しができる状態になり安心いたしました。写真左奥に見える木材は、外壁に新たに設けたアングルでして、東電からの送電線の引き込み金具を取り付ける為に新規に用意したものです。こちらも問題ございませんでした。
完了報告をしにお伺いした際にも施工後に雨が降ってもどこも問題がなかったとお喜び頂けまして、うれしい限りでした。
今回K様邸に使用しました屋根材は、オーウェンスコーニングのアスファルトシングル材、オークリッジスーパーです。お色はオニキスブラックをお選び頂きました。防水紙に自然石をセラミックコーティングした防水性能に優れた軽量屋根材の一つです。釘打ちだけで固定するのではなく、セルフシーラントで本体同士が溶着し固定できるために耐風性能にも優れており、またメーカー保証も長期についておりますので安心してお選び頂ける屋根材となっております。ある程度の勾配までは雪止め金具も必要がないため、今回はお打合せの結果雪止め金具は取り付けしておりません。ただ、お住まいが二階建てや流れの軒先方向に隣家があって一階にカーポートがある時などは万が一に備えて取り付けておくのもご提案させていただくこともございます。
この度はご利用頂きまして、誠にありがとうござました。
記事内に記載されている金額は2023年02月02日時点での費用となります。【工事前】
【工事後】
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今回の記事で登場した工事やお住まいのトラブルに関連する動画をご紹介します!
こちらの動画では、工事の内容やお住まいのトラブルの対処方法などをより詳しく説明しています。
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【施工内容】
屋根補修工事
【施工内容】
屋根補修工事
【施工内容】
屋根補修工事、屋根カバー工法