塩害に強い金属屋根材、ガルバリウム鋼板屋根の特徴と錆びにくい理由
更新日:2025年03月07日
日本の沿岸地域では、塩害による建物の劣化が問題となります。
特に屋根材は常に雨風や紫外線にさらされており、塩分を含んだ海風の影響を受けやすいため、適切な屋根材を選ばなければ寿命が短くなってしまいます。
金属屋根は軽量で丈夫なため人気がありますが、塩害の影響で錆びやすいという弱点がありました。
しかし、近年では耐久性に優れた「ガルバリウム鋼板屋根」が注目されており、塩害対策としても有効な選択肢となっています。
本記事では、塩害が屋根材に与える影響や、ガルバリウム鋼板屋根の特徴、そして錆びにくい理由について詳しく解説していきます。

塩害が与える屋根材への影響

沿岸部では、海風に含まれる塩分が建物に付着し、それが長期間放置されることで金属部分の腐食が進行します。
屋根材の中でも金属系の屋根は特に錆の影響を受けやすく、通常のトタン屋根などでは数年で表面が劣化し、穴が開いてしまうこともあります。
また、屋根の釘やビスといった細かい金属部品にも塩害の影響が及び、錆びた部分が拡大することで屋根材の固定力が弱まり、強風時に飛散するリスクも高まります。
一方で、瓦屋根やスレート屋根といった金属を使用しない屋根材は、塩害による錆の影響は受けませんが、表面に付着した塩分が劣化を早める原因となることがあります。
また、屋根材以外にも金属材が使用されている場合、その部分が錆びる可能性もあります。
こうした塩害の影響を最小限に抑えるためには、耐久性の高い屋根材を選ぶことが重要です。
ガルバリウム鋼板屋根の特徴

ガルバリウム鋼板とは、鉄を芯材とし、その表面にアルミニウム・亜鉛・シリコンを組み合わせた合金をメッキ加工した金属素材です。
この特殊なコーティングにより、従来のトタン屋根よりも耐久性が大幅に向上しています。
特にアルミニウムの特性を活かし、表面が傷ついても酸化被膜が生成されて内部の鉄部分を保護するため、錆びにくいという大きなメリットがあります。
また、ガルバリウム鋼板屋根は軽量であるため、建物の耐震性向上にも貢献します。
一般的な瓦屋根と比べると、約3分の1の重量しかないため、地震時の揺れを軽減し、建物全体の負担を減らすことができます。
さらに、シンプルなデザインから高級感のある仕上げまで幅広いバリエーションがあり、住宅から商業施設までさまざまな用途に対応できる点も魅力のひとつです。
ガルバリウム鋼板はなぜ錆びにくい?
ガルバリウム鋼板が錆びにくい最大の理由は、その表面を覆う「アルミ亜鉛合金メッキ層」にあります。
通常の鉄製屋根材では、表面に傷がつくとすぐに錆が広がってしまいますが、ガルバリウム鋼板の場合はアルミニウムの働きによって酸化被膜が形成され、傷ついた部分を保護します。
この自己修復機能があることで、塩害の影響を受けにくくなっています。
また、メッキ層に含まれる亜鉛には、犠牲防食作用という性質があります
。これは、亜鉛が先に腐食することで内部の鉄を守る仕組みで、万が一塩分の影響を受けたとしても、すぐに屋根材が劣化することを防ぎます。
さらに、シリコンの含有によってコーティングの耐久性が高まり、通常の金属屋根よりも長期間にわたって錆びにくい特性を維持できるのです。
定期的な塗装メンテナンスが大切

ガルバリウム鋼板屋根は非常に錆びにくいとはいえ、完全にメンテナンスフリーというわけではありません。
特に沿岸地域では、海風に乗って運ばれる塩分が屋根に付着し、長期間放置すると表面の劣化が進む可能性があります。
そのため、定期的な点検や塗装によるメンテナンスが必要です。
塗装は、ガルバリウム鋼板の表面をさらに保護する役割を果たします。
劣化が進む前に適切な塗装を施すことで、屋根の寿命を延ばし、錆の発生を防ぐことができます。
特に、海沿いの地域では、耐塩害性能の高い塗料を使用することで、より効果的な保護が可能です。
また、屋根に付着した塩分を定期的に洗い流すことも、長持ちさせるためのポイントとなります。
まとめ
塩害による屋根材の劣化は、沿岸地域に住む方にとって避けられない問題ですが、耐久性に優れたガルバリウム鋼板屋根を採用することで、大幅に影響を軽減できます。
アルミ亜鉛合金メッキの特性により、従来の金属屋根に比べて錆びにくく、長期間にわたって美観と機能を維持することができます。
ただし、ガルバリウム鋼板屋根も適切なメンテナンスが必要です。
特に塩害の影響を受けやすい地域では、定期的な洗浄や塗装を行い、屋根を長持ちさせる工夫をすることが大切です。
屋根の劣化を放置すると修理費用が高額になることもあるため、専門業者による点検を定期的に受けることをおすすめします。
ガルバリウム鋼板屋根の特性を理解し、正しく活用することで、安心して長く住み続けられる住まいを実現しましょう!
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