
HOME > 施工事例 > 世田谷区成城で漆喰が剥がれた棟瓦の取り直し工事と雪止め工事
【施工前】
【施工後】
【お問い合わせのきっかけ】
担当:富田
担当:富田
お問合せのきっかけの漆喰の剥がれを確認します。
棟瓦部分に詰めてあるのが漆喰(しっくい)で、調査した瓦屋根は7寸丸という丸い瓦が一つ乗せてある納め方をしています。平面な屋根と棟瓦の取り合い部分(隙間)に漆喰を詰めて棟部分からの雨水の侵入を防ぎ、下地の土が削られるのを防ぎます。
大きな屋根でドローンを飛ばして状況を確認しました。屋根は2面に分かれていて、それぞれ片寄せという片側が寄棟になっている屋根です。斜めになっている隅棟は固定するための釘が浮いているのが確認出来ます。
一番高い部分の大棟です。こちらも釘が浮き上がっていて漆喰も完全に剥がれ落ちて中が見えている状態になっていました。
棟瓦の固定は、7寸丸の下に通った芯木という木にパッキン付きの釘で固定してありますが、芯木が劣化してしまうと釘が効かなくなって浮き上がってしまいます。芯木の回りに土を詰めて一番外側に漆喰を詰めているのですが、劣化の酷いところでは漆喰と土が剥がれ落ちていて芯木が見えている所もあります。
この様な納め方の瓦屋根の場合は、漆喰の詰め直し工事ではなく、一旦瓦を取り外して芯木を新しく交換してから瓦を戻す、棟瓦取り直し工事をおこなう必要があります。
1か所割れている瓦がありましたので、棟取り直し工事と併せて割れた部分の差し替えも行います。
作業を行うために建物を囲う様に足場を架けます。安全に作業をおこなう事はもちろん、棟取り直し工事は剥がした漆喰や土などが飛散してしまう事がありますので、飛散防止のためにも足場は必要になります。
冬場の作業で気を付けなければならないのは、夜露です。夜間から明け方にかけて屋根材の表面が結露して、気温によっては霜が降りたような状態になります。濡れている屋根材は滑ってしまう危険性がありますので、乾くのを待つ必要があります。
日当たりの良い南面は比較的直ぐに乾いてしまいますが、工事の際には注意が必要です。
工事開始です。まずは棟瓦の撤去からおこなっていきます。パッキン付きの釘が使われていますが、芯木が劣化していてるので簡単に抜くことが出来ます。
パッキンが付いた真鍮製のスクリュー釘が使用されています。芯木に腐食などがなければしっかりと固定する事が出来ます。錆びにくい素材ですので、釘自体には問題はありませんが雨水の侵入を防ぐためのゴムパッキンは硬化していて効果が発揮できていません。
瓦を剥がすと中が確認出来ます。漆喰の裏側の土が乾燥していてボロボロになっています。
漆喰の裏は棟土が詰めてあります。棟の7寸丸を固定するための芯木があり、芯木を固定するための強力棟金物が取り付けてあり、これらで棟が作られています。
土と漆喰によって雨水の侵入を防いでいますが、漆喰や土が崩れてしまうと雨水の侵入を許すことになり、瓦の下に大量の雨水が回り込んでしまう事で雨漏りの可能性が高くなってしまいます。芯木が雨水によって劣化していましたので、ここも新しいものに交換をおこないます。
真ん中の通っている芯木が大分腐食している部分があります。ここに釘を打ちますので、殆ど効いておらず釘が浮き上がってしまいます。パッキン部分が硬化しているために雨水を止めらないためですので、新しく交換すれば問題解決します。
新しく使用する漆喰は『シルガード』です。南蛮漆喰で、シリコンや不凍液などが入っていることで、耐久性と施工性が高い材料ですので今回の様な改修工事には最適な材料になります。
また、土を下地として表面だけ漆喰を塗っていましたが、改修工事では棟土部分もシルガードを詰めますので、棟土と漆喰が剥がれてしまうという様な症状も起きなくなり、剥がれる心配も無くなります。
割れた部分の瓦を差し替えます。同じ色の瓦が手に入りませんので、在庫としてお客様が保管していた瓦を使用します。三州瓦です。
古い漆喰、棟土、芯木、強力棟を撤去して清掃した後は、新たに棟瓦を積んでいきます。
今までと同様の納め方をおこないますので、強力棟を固定した後に新しい芯木を取り付けていきます。画像では分かりにくいのですが、防腐剤を浸透させた木材を使用しています。
棟土と漆喰が一体となる様に芯木の下や回りにシルガードを詰めていきます。漆喰には黒色と白色があり、黒い方が若干ですが耐久性が高い材料です。黒だとイメージが変わってしまう、と思われる方もいらっしゃると思いますが、年数が経過するとともに白っぽく色が変化していきますので、殆ど違和感はなくなると思います。実際に白だと思っていた漆喰が剥がしてみたら黒だった、という事も有るくらいです。
7寸丸での納め方の場合、棟瓦と桟瓦との隙間が狭いので、後から鶴首などの漆喰専用のコテで抑えることが難しいので、棟の瓦を戻す前に両側の表面は平らに仕上げておきます。
瓦を被せて芯木にパッキン付きのビスを打って固定していきます。
大きな屋根ですので棟の長さも普通の住宅2件分以上の長さになりますので、一度に全て撤去してしまうと雨が降った時の雨仕舞いが出来なくなるために、一日で終わる部分だけ撤去して復旧、という進め方で棟の取り直し工事をおこなっていきます。
棟の取り直し工事が完成しました。同じ棟瓦を使用していますので工事前との違いが分かりにくいのですが、下地が全て新しくなっていますので、漆喰の剥がれや棟のずれなどの心配も無くなりました。
漆喰は表面だけでなく中まで一体に詰めてありますので、がっちりと固定されています。芯木も新しくなり釘の替わりにビスを使用していますので固定も強固になりました。
今回の棟瓦取り直し工事と一緒に雪止め工事もおこないました。
軒先には雪止めが取り付けてありませんでしたので、数年前の雪によって雨樋が曲がっていました。吊り金具が曲がっているだけでしたので持ち上げて勾配の微調整をおこないましたので、今後の落雪対策として雪止めを取り付けることになりました。
瓦屋根専用のステンレス製の雪止めを取り付けていきます。
先が下向きに折れ曲がっているので、この部分を瓦に引っ掛けていきます。
瓦を持ち上げて隙間に雪止めを差し込みます。奥まで差し込んで引っ張ってくると瓦に引っかかるので、持ち上げた瓦を戻していきます。
瓦の表面はツルツルとしていますので、雪が非常の滑りやすくなります。富士型という富士山の様な形をしている雪止めを取り付けるだけでも、落雪には非常に有効です。
軒先に雪止めを取り付けて工事完了です。
先日もそれほど量は多くありませんでしたが雪が降ったので、シーズン前に取り付けが出来て良かったとお客様にも大変喜んでいただけました。
記事内に記載されている金額は2022年01月14日時点での費用となります。瓦屋根の雨漏り原因とは?屋根の構造をもとに詳しく解説!【アメピタ!】
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