まずは、劣化していた塩ビ波板の撤去作業を行いました。
塩ビ波板は木下地に傘釘(押え金具付きの釘)で固定されていたため、バールとハンマーを使用して傘釘を撤去し、波板の固定を緩めながら作業を進めました。
劣化が進んだ塩ビ波板は素材の柔軟性が失われており、少しの衝撃でも破損しやすい状態です。
そのため、周囲への破片飛散に注意しながら作業を行います。
また、雨樋やベランダ内部に落下した破片は必ず清掃・回収します。
放置すると、排水不良やオーバーフローの原因となるため注意が必要です。
下地補強作業

波板の撤去後、一部の木下地に劣化が見られたため補強作業を行いました。
劣化は部分的でしたが、全体に新しい木材を既存の木材に添える形で設置し、しっかり固定しました。
波板設置

新しく設置する波板には、住友ベークライト製のポリカナミを使用いたします。
ポリカーボネート製のため、従来の塩ビ波板と比べて耐久性や性能に優れており、
近年では多くの波板や平板製品に採用されています。
また、耐衝撃性・耐候性・耐久性・採光性に優れた素材でもあります。
色はお客様と相談のうえブロンズマットを選択いただきました。
さらに、この波板は熱線カット機能を備えており、熱線を選択的に吸収・放出することで、明るさを確保しつつ、暑さを和らげる効果があります。

フレームのサイズはL=4000×W=1212でしたので、4尺(1212mm)の波板を7枚交換する形となります。
一般的な波板の規格サイズは655mmですが、2.5山分の重ね代を考慮すると有効幅は575mmとなります。
波板の必要枚数を計算する際は、有効幅で計算しないと枚数不足になる可能性があるため注意が必要です。

波板の固定にはステンレス製の傘釘を使用しました。
傘釘とは、頭部に傘状の押え材が付いた釘で、スクリュー状になっているため木下地に打ち込むと
抜け防止の効果があります。
さらに、押え材と波板の間にはパッキンが挟み込まれており、釘穴からの漏水の心配もありません。
一定間隔で波板をしっかり固定し、固定力を確保しました。
波板の固定後には、壁際の端部処理を行い、雨水の回り込みを防止する対策を実施。
最後に傘釘の打ち忘れがないことを確認し、施工完了となりました。
施工完了

交換後にはお客様立ち合いのもと仕上がりを確認していただき、大変ご満足いただくことができました。
私たち「街の屋根やさん」では、波板交換工事についてのご相談も受け付けております。
近年は不審な業者の増加も報告されていますが、お困りの際には安心してお問い合わせください。
























































































































































































































































