多摩市で屋根の棟瓦がズレ始めていたので、棟の積み直しで元通りに復旧
【施工前】
【施工後】
【お問い合わせのきっかけ】
担当:富田
多摩市で瓦屋根の調査をおこないました。屋根に葺いてある瓦の棟部分から白い欠片が屋根の上に落ちている、というのがお問合せのきっかけでした。瓦屋根の状態を確認してみると確かに欠片があるのですが、漆喰(しっくい)とは違うようです。棟瓦と屋根面に葺いてある桟瓦(さんかわら)との取り合い部分には、漆喰(しっくい)の替りにモルタルが詰めてありました。漆喰(しっくい)と違い食いつきが強いので簡単に剥がせず、棟瓦を一旦取り外して下地を直して積み直す、『棟取り直し工事』をおこないました。モルタルを綺麗に剥がしてから新しく漆喰(しっくい)を詰めて下地を造っていきます。同じ様にのし瓦を積んで最後に丸瓦を積んで完成です。棟瓦は定期的なメンテナンスで、漆喰(しっくい)などを詰め直さないと崩れる事があります。大掛かりな工事になる前に、おかしいな、と思った時にはすぐに直しましょう。
担当:富田
- 【工事内容】
- 棟瓦取り直し
- 【工事詳細】
-
- 使用材料
- 施工期間
- 1日
- 築年数
- 35年
- お施主様
- K様邸
- 【工事内容】
- 棟瓦取り直し
- 【工事詳細】
-
- 使用材料
- シルガード
- 施工期間
- 1日
- 築年数
- 35年
- お施主様
- K様邸
【工事前】
屋根に葺いてある瓦の状態は酷い訳ではありません。ズレたり浮いたりしている所も無く、全体的には状態は良い方だと思います。右の画像の部分が棟瓦です。屋根の面と面がぶつかる所に設けるのですが、平らな『のし瓦』を何段か積んでから半円の丸瓦を乗せて固定します。
この平らなのし瓦と屋根面の瓦との隙間に詰めるのが漆喰(しっくい)で、棟の下地が崩れるのを防いでいるのですが、こちらの瓦屋根には、漆喰(しっくい)の替りにモルタルが詰めてありました。古くなって割れたり浮いたりしているのは漆喰(しっくい)と同じで、一旦剥がしてから詰め直す詰め直しが必要なのですが、モルタルは漆喰(しっくい)に比べて食いつきが良く簡単に剥がす事が出来ない為に、今回は棟瓦を一旦取り外してモルタルを撤去して、新しく下地を造ってから積み直す『棟取り直し工事』をおこないます。
漆喰(しっくい)の剥がれが酷くなると、棟瓦の一番下に積んであるのし瓦が外側に広がってしまい、支えが無くなる事で棟瓦が崩れてしまう事になります。若干ズレ始めているので、取り直し工事で元通りの状態に戻してあげましょう。
【棟取り直し工事】
上から丸瓦、のし瓦と順番に外していって、モルタルと下地になっている土を綺麗に除去していきます。今回のは通常の棟瓦の取り直し工事をおこなっていきます。元々土を下地としていた部分に漆喰(しっくい)を詰めていきます。この真っ黒なのがシルガードという南蛮漆喰(なんばんしっくい)の一種で、耐久性と撥水性に優れているので、この様な改修工事の時にはお薦めの材料です。
シルガードで下地を造った後は、のし瓦の一断面を積んでいきます。一枚が平らな様に見えますが、実際は湾曲しているので、一番外側の位置と、横から見た時の角度が重要になります。広げすぎたり角度が内側に向いてしまうと雨水を呼び込んでしまう事になりますので、微妙な調整をおこないながら進めていきます。一段積んだ上に少し内側に二段目ののし瓦を積んでいきます。
二段目まで積み終えたら最後に断面が半円の丸瓦を乗せていきます。一番最初にシルガードを詰めた時に銅線を通してあるので、左右から伸びた銅線を丸瓦の上で結んで固定します。
天気が良すぎて分かり難いのですが、ズレかかっていた棟瓦も元通りになり、下地もシルガードで新しく作り変えましたので、安心です。今までの様に土の下地にモルタルを塗っていた納まりと違い、下地まで全て漆喰(しっくい)のシルガードが詰まっていますので、剥がれ落ちる心配もありません。多摩市の屋根葺きの屋根は棟瓦がズレ始めていましたが、棟の取り直し工事で元通りになり、お客様にも喜んでいただけました。
記事内に記載されている金額は2021年05月13日時点での費用となります。
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