片流れ屋根はなぜ雨漏りが多い?住宅に数多く採用されている理由と気になるデメリットを解説
更新日:2024年04月04日
片流れ屋根は近年のモダンな住宅にマッチする為、多くの新築住宅に取り入られている形状です!
住宅金融支援機構が行った調査によると、平成29年度の時点で約3割の住宅が片流れの形状となっているというデータが出ており、意外と多くて驚きですねΣ(・ω・ノ)ノ!
ですがインターネットで検索をかけてみると、『片流れ屋根は雨漏りしやすい』という情報も数多く見受けられます。
今回は片流れ屋根の住宅にお住い・もしくは購入を検討中の方に向け、気になるデメリットや太陽光パネルの設置に適しているのかなど情報をお伝えしたいと思います(^_-)-☆
目次【表示】
1. 片流れ屋根の基本とその魅力
片流れ屋根ってどんな屋根のこと?
片流れ屋根は、その名の通り屋根が一方向に傾斜している構造を持つ屋根形状です。
この単純ながらも洗練された形状は近年の建築デザインにおいて注目されています!
主に一枚の大きな屋根板が斜めに設置されており、シンプルながらも強い印象を与える外観が特徴です(^▽^)/
この屋根形状は倉庫や工場などでよく使用されていましたが、最近では住宅建築にも採用されるようになりました!
片流れ屋根の最大の特徴はその構造のシンプルさにあります。
このシンプルさが、近年の住宅デザインの好みとマッチして人気となっているのです(*^^)v
片流れ屋根のデザインの特徴
片流れ屋根はモダンかつスタイリッシュなデザインの象徴として現代建築において重要な位置を占めています!
この屋根形状は直線的でシャープな印象をもたらし、現代的な住宅デザインにマッチします。
外観上の多様性に富み、シンプルながらも存在感のある外観を作り出すことができるため、多くの新築住宅に採用されるようになったんですね♪(^∇^*)
さらに、片流れ屋根は太陽光パネルの設置に適している形状だという点も大きな魅力です。
広い一面の屋根面積を活用することで効率的に太陽光パネルを設置しやすく、エコフレンドリーな住宅設計を実現するのに役立ちます(^▽^)/
これは環境意識が高まっている現代において、特に重要視される要素の一つとなっています!
また、片流れ屋根は斜線制限などの建築法規制に対応しやすいため、狭小地や都市部での住宅建築でも採用しやすいです。
2. 片流れ屋根のメリットとデメリット
片流れ屋根のメリット
片流れ屋根はその独特のデザインだけでなく、多くの実用的なメリットを持っています(*^^)v
◆施工コストが低い
最も顕著なメリットは、そのシンプルな構造によるコスト削減です!
一方向に傾斜する単一の屋根面は複雑な屋根構造に比べて材料費や施工コストが低く抑えられます(^▽^)/
ただ、コストの削減は屋根に限った話という点に注意が必要です(>_<)
片流れの傾斜の分だけ外壁の面積が増しますので、その分のコストはどうしても掛かってしまいます。
◆モダンなデザイン
デザイン面でのメリットも大きいです!
片流れ屋根はモダンな外観を作り出し、建物にスタイリッシュで洗練された印象を与えますヾ(≧▽≦*)o
加えて、片流れのデザインが室内空間を広げてくれたり、屋根裏の天井を高めに取ることで有効活用できるスペースを多く確保できる事もあります(*^^)v
お部屋の天井が高いと解放感もぐっと増しますよね!
◆太陽光パネルを設置しやすい
一方向に大きな面積を持つ片流れ屋根は太陽光パネルの設置に最適で、エコフレンドリーな住まいづくりに貢献してくれます(*^^)v
ただ、屋根面の方角によって太陽光パネルの発電量も変わってきますので、お住いの片流れ屋根との相性は事前に確認しておくべきです!
※片流れ屋根と太陽光パネル設置の関係性については後ほど詳細にご紹介いたします(^▽^)/
また、片流れ屋根は自然光を多く取り入れやすい構造を持ち、室内の明るさと開放感を向上させることができます(^_-)-☆
片流れ屋根のデメリット
一方で、片流れ屋根にはいくつかのデメリットも存在します(>_<)
◆雨漏りが発生しやすい
最も注目すべき点は、特定の方向への雨水の流れによる外壁や雨樋への影響です。
片流れ屋根は一方向へ傾斜しているため、雨水が集中して流れることがあり、これが外壁の劣化や雨樋の過負荷につながる可能性があります(-_-;
これは長期的な外壁のメンテナンスコスト増加や、雨樋の頻繁な修理を必要とする可能性があるということです。
2016年に日経ホームビルダーにて公表された雨漏り調査では、雨漏り発生住宅の約75%が片流れ屋根だったという集計結果があります(>_<)
※国土交通大臣指定住宅瑕疵担保責任保険法人「株式会社日本住宅保証検査機構(JIO)」の雨漏り調査です。
◆デザインが被りやすい
また、片流れ屋根は外観デザインの面でオリジナリティに欠けるとされることがあります。
特に住宅地域では似たようなデザインの家が並ぶことで、個性的な外観を求める人にとっては物足りなさを感じる可能性があります。
周囲の景観がお住いに与える影響は意外にも大きいんです!
◆強風の影響に弱い
さらに、片流れ屋根は風の影響を受けやすいという特徴もあります。
片流れの屋根は一方向に広い面積がある形状ですので、面数が多い屋根形状よりも強風の影響を受けやすいのです(>_<)
特に台風時には被害が発生しやすいため、事前の点検などで屋根に問題がないかを確かめておくことがオススメです。
◆屋根内部の空気の循環が他の形状よりも悪い
また、屋根の大きさによっては内部の空気の循環や換気が不十分になることもあります。
特に片流れ屋根は空気の流れが一方向に限られるので(一方向に換気口がある為)、特に屋根裏の熱気がこもりやすくなることがあります(-_-;
これは、屋根裏の過熱による居住空間の温度上昇や、断熱材の効果低下につながる可能性があります。
これらのデメリットを考慮すると、片流れ屋根はデザインの魅力やコスト効率の高さに対して、メンテナンスや耐久性の面での検討が必要になることが分かりますね。
3. 片流れ屋根の雨漏り対策と防水性
片流れ屋根が雨漏りしやすい理由
片流れ屋根は、その特徴的なデザインから多くの人に選ばれていますが、その構造が雨漏りのリスクを高める原因となることもあります。
この屋根の形状は一方向にのみ傾斜しているため、雨水の流れが集中しやすく、特定の部分に大きな負担がかかります(>_<)
特に、屋根の頂上部分や外壁との接合部は雨水の集中とそれによる水圧の増大により、雨漏りが発生しやすい領域です。
また、片流れ屋根は傾斜が急であるため、強風により雨水が屋根の下に吹き込まれやすく、これが雨漏りの原因となることがあります。
雨水が吹き込む事が多いと、内部で雨漏りを防いでいる防水紙が傷みやすいのです(>_<)
雨樋の設計にも問題が生じることがあり、一方向にのみ設置された雨樋が雨水の量に対応できず、溢れた水が壁面を伝って建物内部に浸入することも雨漏りの要因として挙げられます(-_-;
片流れ屋根の雨漏りの予防方法
片流れ屋根の雨漏りを防止するためには、いくつかの重要な対策が必要です。
そもそも、大量の雨水を効率的に排水するためには、十分な大きさと強度を備えた雨樋の設置が重要です!
雨樋が適切な位置に設置されていることを確認し、定期的なメンテナンスを行うことで、雨水のオーバーフローを防ぎます(^▽^)/
屋根の施工では、透湿ルーフィングや水切り板金の使用が効果的です。
透湿ルーフィングは水分を通さないのですが、内側で発生する湿気を逃がすことができる材料で、屋根の裏面、特に棟部分へ適切に施工することで雨水の浸入を防ぎます!
また、水切り板金は屋根と外壁の接合部に設置され、雨水が建物内部に浸入するのを防ぎます!
屋根に限らず、お住いは建材が接合する部分への防水対策がしっかりできていないと、浸入してくる雨水によって雨漏りや構造部の劣化被害が発生します(>_<)
最後に、定期的なメンテナンスと検査が重要です!
片流れ屋根は定期的な点検を行い、劣化や損傷が見られた場合は速やかに修理を行うことが必要です(^▽^)/
特に、雨季や台風シーズン前には屋根の状態を確認し、必要に応じて補修を行うことで、雨漏りのリスクを減らすことができます(^_-)-☆
4. 片流れ屋根のへカバー工法でのリフォームを行った施工事例
片流れ屋根で起きやすい被害やその要因をご紹介してきましたが、実際に問題が発生した場合には信頼できる業者に修理や解決を依頼することが重要です(^▽^)/
今回は『強風による片流れ屋根のスレート材の飛散』についての施工事例をご紹介したいと思います!
◆墨田区隅田で片流れ屋根のスレート材が飛散したため、スーパーガルテクトでのカバー工法を実施しました!
「台風でスレートが落ちてきてしまった」とのお問い合わせをいただき、調査にお伺いしたことが工事のきっかけでした(^▽^)/
まずは屋根材落下による人的被害がないことにホッとしましたが、この状況を放置していては雨漏りに繋がってしまいます。
特にスレートは飛散した部分で釘が露出しており、釘穴から雨水が浸入してしまうため雨漏りのリスクが高まる状態です(-_-;
被害が発生しているのは片流れ屋根の腰折れ部分で、形状からも風を受けやすい箇所となっていました。
他にもスレートではひび割れの目立つ箇所が散見され、全体的なリフォームが必要な状態でしたので、屋根カバー工法での解消を行和せていただきました!
◆施工開始
屋根カバー工法とは、既存の屋根の上に新しい防水紙と屋根材、そして棟板金を設置して問題を解消する方法です。
既存屋根材の撤去費用が掛からないため、葺き替えよりもリーズナブルに屋根の耐久性を復活させることができます!
今回使用したのは軽量な金属屋根材のスーパーガルテクトです(^▽^)/
スーパーガルテクトはスレートと違い屋根材が重なる部分は上下で篏合するため、強風にも強い耐性を得ることができます!
新規屋根材を葺いたあと、棟板金を設置します。
片流れ屋根は棟部分が直接外壁とも干渉するため、雨水の浸入対策には特に注意を払う部分となります(*^^)v
工事が無事に完了し、風に強い屋根へと生まれ変わった事で大変満足していただけました!
>>こちらの工事のより詳細な内容・写真は施工事例ページをご覧ください
5. 片流れ屋根と他の屋根形状との比較
切妻屋根との比較
切妻屋根は、日本の住宅において最も一般的な屋根形状の一つです。
よく屋根を思い浮かべる際のイメージが三角形かと思いますが、それに最も近いのが切妻屋根です。
片流れ屋根との比較では、いくつかの重要な違いがあります。
切妻屋根は屋根の両端が傾斜していることが特徴であり、これにより雨水は屋根の両側に均等に流れるため、負担が分散されます。
これに対して、片流れ屋根は一方向にのみ傾斜しているため、雨水の流れが集中し、特定の部分に大きな負担がかかります(>_<)
寄棟屋根との比較
寄棟屋根は屋根の頂点から四方向に傾斜する屋根形状を指し、日本の伝統的な建築によく見られる形状です。
片流れ屋根と比較すると、寄棟屋根は複雑な構造をしており、その分、建築コストが高くなる傾向があります。
一方、片流れ屋根は構造が単純であり、コストを抑えやすい点が大きなメリットです(^▽^)/
寄棟屋根の特徴の一つは、四方向に軒があることです!
これにより外壁や窓を雨風から守ることができ、建物の保護に役立ちます(*^^)v
片流れ屋根では屋根の傾斜によって外壁の一部が直接雨風にさらされるため、外壁の保護面で劣るというデメリットがあります。
また、見た目のデザイン性においても、寄棟屋根は伝統的で落ち着いた印象を与える一方で、片流れ屋根はモダンでスタイリッシュな外観を作り出すという違いが見受けられます!
これらの比較から、片流れ屋根と切妻屋根、そして寄棟屋根はそれぞれ異なる特徴とメリット・デメリットを持ちます。
6. 片流れ屋根と太陽光発電の関係性
太陽光パネルの設置とエネルギー効率について
片流れ屋根は太陽光パネルの設置に適していることをメリットとしてご紹介しましたね(^▽^)/
屋根の一面が大きく傾斜していることにより、広い面積にわたって太陽光パネルを一貫して配置することが可能なためです!
これは、他の屋根形状に比べて太陽光パネルを多く、効率的に設置できるという意味です。
◆重要なのは『屋根面の方角』
特に屋根が南向きになっている場合、太陽の位置を最大限に活用して発電効率を高めることができます。
逆に北側では発電量が南側に比べてガクっと下がっていしまいます(-_-;
東京で傾斜角を30度という環境を例に挙げると、南側の太陽光発電量は約100%に対し、北側は約63%まで落ち込んでしまうのです(>_<)
地域によっては北側斜線制限の影響で屋根面の方角を北に向けるしかないというケースもあり、その場合では太陽光パネルのエネルギー効率を活かしにくい環境になると言えます。
その点に注意を払うことができれば、片流れ屋根は非常に効率的な太陽光パネルの活用が望めるのです!
7. まとめ
片流れ屋根はそのシンプルかつ直線的なデザインが特徴で、モダンな住宅建築において重要な役割を果たしています!
構造のシンプルさは建築コストの削減に貢献し、広い面積の屋根は太陽光パネルの設置に適していると言えるでしょう(^▽^)/
しかし、雨水の流れが一方向に集中することによる雨漏りのリスクや、外壁への影響がデメリットとして挙げられます。
これらのリスクを管理するためには、適切な雨樋の設置や定期的なメンテナンスが不可欠です。
「片流れ屋根の家に住んでいるけど、一度状態を確かめておきたい!」
「片流れ屋根の雨漏りを解消して欲しい!」
そんなお悩みなどございましたら、ぜひ一度街の屋根やさんの無料点検とお見積もり作成をご活用ください(*^^)v
街の屋根やさんでは片流れ屋根を始め、多くの屋根形状の施工を行ってきておりますので、ご安心してお任せいただければと思います。
今回は片流れ屋根について解説いたしました!
皆様のお住いのメンテナンスに役立つことができれば幸いです(*^^*)
最後までご覧いただきありがとうございました!
この記事の監修者
富田 功義
▼保有資格
2級建築施工管理技士・雨漏り診断士・一般建築物石綿含有建材調査者
20,000棟以上の施工実績を持つ『街の屋根やさん』多摩川支店の支店長。
赤外線カメラを使用した雨漏り調査など、幅広いお悩み事に対応可能なリフォームアドバイザー。
街の屋根やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
そのほかの料金プランはこちらからご確認いただけます。
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