
HOME > 施工事例 > 世田谷区成城で階段手摺の工事中、下地の腐食が判明したため鉄骨.....
【施工前】
【施工後】
【お問い合わせのきっかけ】
担当:高田
担当:高田
世田谷区成城にお住まいのK様より、お住いの外階段が雨漏りを起こしているので調査をお願いしたいとお問い合わせをいただいたことが今回の工事のきっかけでした。階段が雨漏りとはどのような状態だろうかと考えながら現地にお伺いすると、オシャレなタイル張りの階段がございました。一見すると問題なさそうに見受けられますが、裏側に回ってみると階段裏を隠すようにはられていたはずの石膏ボードが半分以上剥がれ落ちている状態でした。
剥がれ落ちた階段裏のボードの一部が左の写真のものです。それなりの重さがあるので、危ないところでした。ボードが外れた部分から手摺壁の内部も少しだけ見ることができ、雨漏りの症状の酷さが伺えます。最近になってボードが外れて雨漏りが発覚したそうですが、状態から見て長い間雨漏りを起こしていたと考えられます。では、雨漏りの原因はどこにあるのでしょうか。詳しく見ていきます。
階段の踏み面はタイル張りで仕上げられていました。経年劣化とともに元のタイルが何枚か割れてしまったとのことで、数枚が新しいタイルに変わっていました。K様はタイルのひび割れが雨漏りの原因かと考えていたとのことです。確かにひび割れからの浸水もあると考えられますが、この造りの場合はタイル張りであることそのものが雨漏りの原因と考えた方がよいです。タイル目地などはモルタルがむき出しになっていますが、セメントを材料としたモルタルやコンクリートといった建材は、実は水を透過する特徴があります。ひび割れの有無は関係ないということです。特に防水対策などが施されているわけではなかったようで、長年浸水を繰り返す度に、本体の鉄骨が錆びて穴が空いてしまったものと考えられます。
K様のご希望としては雨漏りの原因となっているタイルそのものを全て撤去した上で、防水・防滑の長尺シートを貼って雨漏りしない階段にリフォームしたいというご依頼をいただきました。点検の際に手摺部分の腐食も確認できたことから、手摺は腐食部分を撤去した上で下地を補強し元に戻すという内容で工事を行うこととなりました。
工事着工とともに、まずは手摺壁の側面を解体していきます。予定ではこの1面だけを剥がして下地を補強する予定でしたが、解体してみると内部は予想を遥かに上回る腐食具合でした。どうやら雨漏りはタイル部分だけではなく、手摺の飾り窓部分からも起こっていたようで、下地は全てボロボロの状態でした。もはや手摺はほとんど表面のモルタルの強度だけで保っていたような状態で、体重をかければいつ倒れてもおかしくない状況になっていたようです。また、手摺の中腹部でシロアリの存在も確認できました。シロアリは腐った木材に住み着き、腐食部を食べることで更に木材の痛みを進めてしまう厄介者です。
ここまで腐食が進んでいる状態では補強工事のしようがなく、全て作り変えるような内容になってしまいます。シロアリも住み着いていることから既存部分を残しておくことは適切ではないと判断し、K様に状況を報告させていただきました。手摺の全撤去・新規取り付け工事への変更をご相談させていただき、工事内容変更となりました。このように、雨漏りの工事は実際に解体してみて判明する被害なども多く、工事内容の変更となる可能性が高くなります。状況に応じてご相談させていただきますので、そのような可能性がある点をお含みおきいただければ幸いです。
残念ではありますが手摺を全て撤去いたしました。部分的に切れ込みを入れて、体重をかけるだけで比較的簡単に外れてしまうほど傷んでいました。K様が階段を使われている際に倒壊しなかったことは幸いであったと思います。踏み面や踊り場部分のタイルについては予定通り全て撤去していきます。タイルの撤去は電動ハンマーを使って行いますが、電動とはいえかなりの力を入れながらでないとタイルは砕けていきません。また、粉砕する際の音はとても大きく、振動も家の中まで響いてきます。できれば平日でご近所さんが家に居ない時間帯を狙って行いたい作業です。
手摺を撤去した後に下地の固定などで使われていた出っ張り部分などをサンダーカッターで撤去していきます。全ての撤去が終わった階段が右の写真です。とてもスッキリとした印象となりました。ここからは新しい階段へと生まれ変わらせていく作業となります。
踏み台・踊り場部分は電動ハンマーでタイルを剥がした影響で、凸凹の状態になっていました。そのままでは長尺シートを貼ることができないため、モルタルで左官工事をして平らにしていきます。しっかりと平らに仕上げることは非常に難しいことで、職人の腕の見せどころでもあります。左官工事と併せて鉄骨階段を全体的に防錆塗装もしていきます。各部撤去工事に伴い鉄部がむき出しになっている箇所も多かったので、早い段階で錆止めの塗装をして鉄骨の傷みを防止します。十分な乾燥期間を設けてから、手摺の設置へと進んで行きます。
新しい手摺は鉄骨で作成いたしました。既存の階段が鉄骨階段であったため、溶接で接合できるためです。アルミやステンレスではだめなのかという質問もありそうですが、基本的に鉄に対して溶接するには同じ素材の鉄である必要があります。異種金属では融点や硬度、電気抵抗値などに違いがあり溶接が困難である場合が多くなっています。また、異種金属が接地していると異種金属接触腐食という現象を起こし、どちらか一方が錆びていくという現象が起こります。そのため、鉄同士での溶接が適切となります。
溶接時には火花が飛び散るため、水で濡らした毛布や防火性のシートで入念に養生を行います。各溶接箇所に衝立を立てることも難しいため、お隣さんへ飛ぶ面については職人さんが防火シートを持って身を挺して火花から守ります。頭が上がりません。
手摺の溶接が無事に終了いたしました。手摺の接続部分の真下にも鉄骨を溶接していますが、これはリブと言われる補強用の溶接です。これがあるのと無いのとでは、溶接した手摺の強度が大きく変わってきます。溶接した部分については錆止めの塗装も溶けてしまい、鉄部がむき出しとなるため部分的に追加で錆止め塗装を行います。細かい配慮も工事には大事な要素です。しばらく手摺がない状態で単管足場を使った仮の手摺を設置していましたが、これでキレイな手摺を使うことができるようになりました。
手摺の溶接が終わったので、全体に色付けの塗装を行って行きます。使った塗料は関西ペイントの「セラMレタン」という塗料です。色はベージュに近い「KP-357」という色をお選びいただきました。耐候性が強く、防汚・防カビ・防藻性能に優れた塗料で、今回のような外階段などの鉄部塗装で活躍する塗料です。親水性にも優れており、雨が降るだけで汚れを洗い流してくれます。もともとは濃ゆい茶色の階段でしたが、明るい色になることで雰囲気も明るくなったように感じます。階段裏もきっちりと塗っていきます。
塗装が乾いたら最後の仕上げとして防水・防滑のシートを踏み面と踊り場に施工していきます。今回使用したのはタキロンマテックス株式会社の「タキステップ3W」という製品です。色はお住まいの雰囲気と併せて茶色の「3W-885」をお選びいただきました。マンションの階段や廊下でもよく見かける製品で、40年以上の歴史がある信頼できる長尺シートです。タイルの踏み面では雨の際に滑ってしまう恐れもあったため、今回のタキステップに変更できたことは安全の面でもとてもよかったと感じています。シートを貼るだけではなく、際の部分も防水コーキング処理を行うことで水が浸透しないように入念に施工します。写真に映っている青い缶はプライマーと呼ばれる塗布剤で、このプライマーをコーキング前に塗ることでコーキングの剥がれなどを防止することができます。見えない部分であるためこの工程を行わない業者さんも中にはいますが、年数が経ったときに大きく違いが出てくる部分なので私達はしっかりと施工いたします。
急な工事内容の変更などもあって大変な工事となりましたが、無事に全ての工程が終了し外階段が綺麗に生まれ変わりました。手摺は鉄骨の手摺へ変更となり、持ちやすい太さにしたことでより上り下りを助けることができるようになっています。踏み面はタキステップへと変更し、上り下りの際の安全性にも配慮しながら防水もしっかりと行っています。色も明るい色に変更することで、階段全体の雰囲気が明るくなりました。K様にもキレイな階段になったことでとても喜んでいただけました。毎日使う階段なので、新しい階段で安全に日々の生活を送っていいただければ幸いです。
私達街の屋根やさんでは新型コロナウィルスへの感染対策としてマスクの着用や手指の消毒を徹底して実施いたしております。お問い合わせの際はご安心いただければ幸いです。
記事内に記載されている金額は2021年05月13日時点での費用となります。【工事前】
【工事後】
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今回の記事で登場した工事やお住まいのトラブルに関連する動画をご紹介します!
こちらの動画では、工事の内容やお住まいのトラブルの対処方法などをより詳しく説明しています。
お役立ち情報が満載ですのでぜひご覧になってみてください。
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