ケラバ板金とは何だろう?ケラバ板金の機能やメンテナンスについてご紹介します
更新日:2024年04月18日
屋根には様々な部位があり、それぞれ意味を持っています!
「ケラバ」とは屋根の一部で、切妻屋根や片流れ妻側の屋根の端のことです。ちょっとわかりにくいですが、雨樋がついていない側の端とも表現できますね( ˘ω˘ )
とてもわかりにくい場所であることと、ケラバという名前自体にも馴染みのない部位ですが、雨水の侵入を防いだり外壁への日当たりを調整するなどの役目があるのです!
実はそんなケラバは雨漏れしやすい箇所でもあります。それを防ぐためにケラバ板金を設置する必要があるということで、このページではケラバ板金の必要性やメンテナンスについてご紹介いたします(*^_^*)
ケラバ板金の役割
前述した通り、ケラバとは「屋根の側面の妻側部分」のことです。それではケラバ板金の機能とは一体何でしょうか?(‘_’)
●吹き込む雨水を防ぐ水切りの役割
雨漏りはどこかに穴が開いていたり、壊れているなどの理由から発生すると思われがちですが…実はどこからか雨水が回り込んで入り込み、雨漏りが起こっている!というケースが非常に多いです。
特にケラバは屋根の端ということで、雨漏りしやすい箇所ですので、そこに水切り処理をしておくことで雨漏りを防いでいるのです。
※雨漏りについてもっと詳しく知りたい方は専用ページをご覧ください。
●外壁に紫外線が当たるのを防ぐ
外壁は常に日が当たっているところと、そうでないところで劣化の速さに違いがあります。
その理由の一つは紫外線です!
紫外線は外壁の塗料などに悪影響を与えます。もちろん外壁塗装に使われる塗料はそれに耐えうる性能がありますが、紫外線が当たりやすいとそれだけ劣化も早まってしまいます(/_;)
また、外壁の目地に使われるシーリングも紫外線によって劣化します。ケラバは日差しを遮ってくれますので、外壁や目地を長持ちさせることができます!
●室内への日当たり調整
部屋に日光が入り込む調整にもケラバは一役買っています!(^^)/
特に窓からの日差しは夏場は強烈ですが、ケラバがあることで日差しを遮り快適な生活ができます!
逆に冬になると日差しが入らなくて寒くなるのでは?と思われるかもしれませんが、冬場は太陽の照射角が低いため遮られることがありません。
ケラバがあることで、夏は日差しを遮り、冬は日差しを取り込むことで四季の変化にも対応することができます(^^♪
水切りとは
屋根は雨水が直接当たりますが、それを屋内に侵入させないための工夫が色々されています。
その一つが屋根水切りです。
水切りとは、「屋根に限らず外壁などに当たった雨水がそこを伝って侵入させないような処理」のことを言います。
切妻屋根だけでなく、色々な種類の屋根には雨樋がありますが、雨樋が設置された軒先部分から雨漏りしないように水切りする処理は軒先水切りと言います!(^-^)
他にも谷部の板金や、外壁と屋根の接触部分は壁止まり板金を設置して水切りします。
ケラバ板金も水切り処理の一つですので、一言で「ケラバ水切り板金」や「ケラバ捨て水板金」などとも呼ばれます。
ケラバの構造と種類
ケラバの構造と種類は、屋根の材質によって大きく異なります。瓦屋根とスレート屋根では、ケラバの作り方や機能に顕著な違いが見られますので注意が必要です!瓦屋根とスレート屋根のケラバの根本的な違いは、素材の特性とその取り扱いにあります。
◎瓦屋根
瓦屋根のケラバは、特に袖瓦(そでかわら)と呼ばれる専用の瓦を使用して構成されます。瓦は伝統的な素材であり、美しい外観を重視する一方で、取り扱いに注意が必要です。これらの瓦は、屋根の端部分に特化した設計で、雨水の侵入を防ぎつつ、美観を保つ役割も担っています。
◎ スレート屋根や金属屋根
スレート屋根のケラバでは、現代的な素材を使用し、メンテナンスの容易さと機能性を重視します。主に金属板金を使った「ケラバ包み」と呼ばれる方法で雨仕舞いを行います。この方法は、耐久性が高く、屋根の端部をしっかりと保護することができます。
切妻屋根と片流れ屋根におけるケラバ
切妻屋根と片流れ屋根は、ケラバの構造において異なる特徴を持っています。
切妻屋根は、屋根が二つの斜面から成り立っており、これらの斜面が上部で交差する形状をしています。このタイプの屋根では、ケラバは屋根の端部、特に妻側に位置しています。切妻屋根のケラバは、雨水の流れを適切にコントロールし、建物の側面への水の侵入を防ぐ重要な役割を果たします。
一方、片流れ屋根は、屋根が一方向に傾斜している形状をしており、このタイプでは、ケラバは傾斜のある側の端部に位置します。片流れ屋根のケラバは、特に水の流れを効果的に外側へ導く機能が重要視されます。
切妻屋根と片流れ屋根のケラバは、それぞれの屋根の形状に最適化された設計となっており、屋根全体の機能と美観を高めるための重要な要素です。これらの屋根タイプにおけるケラバの設計と機能の理解は、屋根工事における専門性を高め、より良いリフォーム結果を導くために必要不可欠です!
都市部や狭小地におけるケラバ
都市部や狭小地においては、限られたスペースの中で最大限の機能を確保するために、ケラバの設計は建物全体のプランニングに密接に関わってきます。ケラバの設計は特に慎重に行う必要があるのです!
都市部では、建物間の狭い間隔や周囲の環境を考慮して、ケラバの長さや傾斜を調整する必要があります。狭いスペースでのケラバの設計では、隣接する建物への影響を最小限に抑えつつ、十分な日射調整と雨水管理を実現することが重要です。また、建物の高さ制限や見た目の統一性など、都市計画上の規制にも配慮しながら設計を進める必要があります。
狭小地においては、ケラバを設けることで生じる影響を特に慎重に考慮する必要があります。ケラバの出を最小限に抑えることで、空間を有効に活用できますが、その場合でも雨漏りや外壁の劣化を防ぐための対策は必須です。高度な防水技術や、建物のデザインに合わせた独創的なケラバの形状が求められることもあります。
また、現代の建築では、狭い土地だからという理由だけでなく、デザインの観点からケラバを出さない住宅も増えてきました。
ケラバの無いお住まいは軒ゼロ住宅と呼ばれることもあり、スタイリッシュでモダンな雰囲気が素敵なのですが…ケラバのない住宅は、雨漏りのリスクが高まることや外壁の汚れが目立ちやすくなるなど、その機能性に影響が出る可能性があります。
ケラバの設計は単なる外観の問題ではなく、住宅の保護とメンテナンスの観点からも重要な要素となります。
ケラバと唐草板金の違い
屋根の世界には多様な部位と技術が存在します。
今回ご紹介しているケラバもそうなのですが、近い存在として「唐草板金」があります(^▽^)/
中には「ケラバ唐草」と一括りで見積書に記載されることもある為、「この唐草とは一体なんだろう?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ですので、こちらでは唐草板金の説明とケラバとの違いについてご紹介したいと思います。
唐草板金とは
唐草板金は屋根材の一部で、屋根の軒先部分に設置する板金を指します。
名称の由来は、日本の伝統的な軒先瓦に唐草模様が描かれていたことにちなんでいます(*^^*)
唐草板金の主な役割は、軒先に流れた雨水を雨樋に導くこと、また軒先の木材を雨水から守ることです。
勢いよく雨水が流れれば雨樋が受け止めてくれる為問題ありませんが、伝うように流れる雨水は唐草板金がなければそのまま鼻隠しなどの木部へ浸透し、傷める原因となってしまいます(-_-;
鼻隠しも雨水が屋根の内部へ吹き込まないように設置されており、雨樋の下地にもなる部分ですので、しっかりと保護する必要があるんですね!
唐草板金があることにより、屋根と住宅の耐久性が高まっているんです(^▽^)/
唐草板金とケラバの違い
ケラバと唐草板金は屋根の異なる部分に位置し、異なる機能を果たします。
ケラバは屋根の一部で、切妻屋根や片流れ屋根などの斜面にある部分を指して使用されます。
唐草板金は屋根の軒先を覆う部材です。
軒先の保護と雨水の適切な流れを確保するために使用されます。
どちらも似たような役割を持ち、基本的には位置によって名称が異なっていると考えてもらっても問題ございません(^▽^)/
ケラバの重要性について本記事ではご紹介してきましたが、同様の役割を果たす唐草板金にもメンテナンスは必要です。
特に築年数が経過しているお住いでは唐草部分が錆びている可能性もありますので、定期的な点検を業者に依頼し、工事の必要性がないか屋根を全体的に診断してもらうことがオススメです(^▽^)/
ちなみに・・・唐草とは?
唐草板金についてはお伝えしましたが、そもそも用語の元になっている唐草とはどんなものでしょうか。
唐草はマメ科の「ウマゴヤシ」という植物の別名です。
巻いたツルは「唐草模様」としてよく風呂敷などのデザインに用いられています(*^^*)
ケラバ板金の納める手順
雨漏りしやすい箇所であることからわかる通り、ケラバ板金を設置するには専門的な知識と技術が必要です!
「知識も技術も未熟な業者が施工を行ったことで雨漏りするケース」も多いので、施工する業者を選ぶ場合はケラバ板金の施工実績が多い業者にお願いするといいでしょう。
私たち街の屋根やさんは屋根全般の工事を承っており、もちろんケラバ板金の施工も多く行っています。また、他業者による施工での雨漏りにお困りの方もお気軽にご相談ください!(^^♪
「ケラバ板金を納める」という表現は比較的建築業者側に使われる表現で、「ケラバ板金の設置」と言った方がわかりやすいかもしれませんね( ˘ω˘ )
ケラバの設置は屋根材の上からではなく、屋根材の下に設置された防水紙の上から取り付け、L字型に外壁の方に板金を曲げて雨水が流れ落ちるように納めます!
ちなみに瓦屋根の場合は、ケラバ板金ではなく「袖瓦」と呼ばれるケラバ専用の瓦を使うことになります。
このようにケラバの納め方は屋根や屋根材によっても変わることもあるため、やはり施工実績が多い業者への依頼が重要です。
ケラバ板金の台風被害について
写真は台風によってケラバ板金が外れてしまった様子です(>_<)
このように台風などの強風はケラバは特に影響を受けやすく、またここからの雨漏りもしやすい箇所です!
経年による板金の変形などで水分が入り込むと、内部の木部も傷んでしまい、固定用のビスや釘も効きにくくなります。
そのようなタイミングで強風に煽られることで破損してしまうケースが多いです。
※お住まいのメンテナンスについての詳細ページはこちら
ケラバの修理方法
また、ケラバの修理には塗装、板金巻き、破風板の交換など、さまざまな方法があります。どんなメンテナンスを行うかはお住いの状況によって異なりますので、街の屋根やさんにお気軽にお問合せください!
・塗装
破風板の塗装は、比較的軽度の損傷や劣化に対する修理方法です。塗装を新たに施すことで、破風板を雨水や紫外線から守り、外観を改善します。塗装は費用が比較的安く済みますし、見た目のリフレッシュにも効果的です!
・板金巻き
板金巻きは、破風板を金属の板で覆う方法で、耐久性の向上に役立ちます。破風板の劣化が軽度な場合に有効で、塗装に比べて耐久性が高く、メンテナンスの頻度を減らすことができますが、塗装と比べて費用は若干高めです。
・破風板の交換
破風板の交換は、損傷や劣化が激しい場合に必要となる修理方法です。破風板自体を新しいものに交換することで、ケラバの機能を完全に回復させることができます。この方法は、劣化や損傷が進んでいる場合に適しており、費用は高めですが、長期的な視点で見ると建物の保護に大きく寄与します。
街の屋根やさんで実際に行った工事の様子をご紹介!
●ケラバ瓦の補修工事を行ったN様
点検の様子
瓦が落ちてしまったとのご相談を頂き、早速調査に伺うと…ケラバ部分の瓦が落下して無くなっている状態でした!
左の写真は、落ちてしまったという瓦の写真です。釘が緩んで落下してしまったものと考えられます。
瓦は、数ある屋根材の中でも特に重たい屋根材です。落下した際にもし人や動物などに当たってしまったら…大けがを負う可能性もあります!
幸いにも、今回はそのような二次被害は起きていないようでした。
ケラバ部分の瓦が外れたまま放置すると、屋根内部に雨水が浸入して雨漏りを引き起こす可能性があります。部分的な補修工事をご提案し、行わせていただくことになりました!
工事の様子
ケラバ瓦が無くなってしまい、防水紙などの屋根下地が剝き出しになっています。
ケラバ瓦が飛散しないよう、土台となる木材をしっかりと固定します。
土台作りを終えたら、ケラバ瓦を錆びず抜けにくいステンレス製のビスで固定して、工事は完了です!
これで、雨漏りが起こる心配を解消することが出来ました!(^^)/
修理費用を削減するには
「修理に掛かる費用、少しでも減らしたい…」
お住まいのメンテナンスはできるだけ安く済ませたいとお考えの方も多くいらっしゃると思います。
ケラバの修理費用を削減するためには、いくつかの方法がありますのでご紹介します!
①火災保険の活用
②定期的な点検を行う
③見積もりは複数の業者から貰い、見比べる
まず重要なのが、火災保険の利用です。ケラバの損傷が風災などの保険適用事項である場合、火災保険を利用して修理費用をカバーすることが可能です!風災での損傷は、強風や台風によるものが多く、この場合、保険金を申請することで修理費用を大幅に軽減することができます。
また、定期的な点検を行いましょう。不具合の早期の問題発見も費用削減に繋がります!ケラバの小さな損傷や初期の劣化を早期に発見し対処することで、大きな修理が必要になる前に問題を解決することができるのです。長期的な目で見てもコスト削減に繋がるので、是非継続的に続けていただければと思います(^^)/
さらに、複数のリフォーム業者から見積もりを貰い、比較検討することも重要です。異なる業者からの見積もりを比較することで、最もコスト効率の良い修理方法を選択することが可能になります!値段だけでなく、安心できる業者に任せたいですよね。この過程では、費用だけでなく、業者の技術力や信頼性もしっかりと考慮することが重要です!
まとめ
ケラバ板金は屋根にあるため、ご自分で状況を確認するようなことが難しいです。
もちろん梯子などで確認することは可能ですが、落下の危険があることや専門家でなければわからない不具合もありますのでお勧めしません。
家の寿命は屋根で決まると言われますが、その上でケラバ板金の状態を常に正常に保つこともひと役かっていることも重要なのです。
私達街の屋根やさんでは、現地調査にお伺いする時に必ず屋根まで届く梯子を持参してお伺いします。
そして可能な限り屋根の上に上り、目視と必要な場合は手で触れて状態をチェックします。現地調査費は無料ですし、もし不具合があった場合の工事のお見積りも無料でお作りいたします。
長年屋根のメンテナンスをしていない方は、お気軽にご連絡ください!(^^♪
記事内に記載されている金額は2024年04月18日時点での費用となります。街の屋根やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
そのほかの料金プランはこちらからご確認いただけます。
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