垂木とは|屋根の構造部における重要性・役割から設置方法を解説!
更新日:2024年04月04日
こんにちは!街の屋根やさんです(^^)/
お住まいの部材において「垂木」という言葉をご存知の方は、非常に少ないと思われます。
しかし、垂木は屋根の構造部分において非常に重要な役割を担っています!
このページでは、垂木の役割から現在までの歴史・語源、種類や設置方法まで詳しくご紹介致します!
目次【】
1. 垂木とは
1-1. 垂木の特徴
垂木は屋根の勾配に従って配置される角材で、屋根材を直接支えることに加え屋根の全体的な構造と強度を維持するために不可欠な部材です!
通常、455mmの間隔で設置されることが多く、屋根材の種類や重さ、軒の出の寸法によってサイズや形状が異なります。
例えば、重い屋根材を使用する場合や軒の出が長い場合は、より大きな断面の垂木が用いられます。
また、工法によっても最適な垂木の寸法は変わってきます!
1-2. 垂木の歴史と語源
垂木の語源は垂木が母屋に対して垂直、または棟木から垂らすように取り付けられることから来ており、日本の伝統的な建築技術において垂木は長い歴史を持ちます(#^^#)
垂木を用いて屋根を適切に支える建築方式は、降雪・台風などで屋根に負荷が掛かる事の多い日本の気候に適しているとされます。
その為、垂木は現代の建築技術においても屋根の重要な構成要素として活用されています!
2. 垂木の役割
2-1. 屋根下地・屋根材の下地として屋根の傾斜を形成
垂木は、屋根構造の中で棟木から軒先にかけて斜めに設置される角材であり、屋根材・防水紙・野地板の土台となっています😊屋根の傾斜を形成する事で屋根材の重さを均等に分散させ、建物全体の安定性を保ちます!
さらに、垂木は屋根の傾斜に沿って設置される事から、屋根形状を造っているとも言えます。
降り注ぐ雨水や雪などの過酷な環境にに耐えることが出来るのは、垂木が屋根を支えてくれるからです(^^)/
2-2. 屋根・建物全体の安全性と耐久性を保持
上記のことから垂木の設計・配置は、屋根の支持構造にとって非常に重要と言えます!
屋根の形状と垂木の強度・配置は、屋根の耐久性と機能性に直接影響を与えます!
重い屋根材を使用する場合や軒の出が長い場合にはより強固な垂木が必要になり、垂木の配置が適切でなければ雨水の排水や雪の滑り落ちが滞ってしまいます😢
このように、垂木は単に屋根材を支えるだけでなく、建物全体の構造的な強度を向上させるために不可欠な部材です!
垂木は、建物の安全性・耐久性を保ちます(^^)/
3. 垂木の設置方法・種類(サイズ)
垂木の種類は、使用される屋根材によって異なります!
軽い屋根材、例えば金属屋根やスレート屋根の場合は比較的細い垂木が使用されます。
これらの屋根材は重量が軽いため、垂木の断面寸法が比較的小さくても十分な支持力を確保することができます。
一方で瓦屋根のような重い屋根材の場合は、より太い垂木が必要になります。
また、垂木のサイズは、屋根の軒の出の長さにも影響されます。
軒の出が長い場合、垂木にかかる荷重は増大するため、より強固な垂木が必要となります。
上記のように、垂木の設置方法・種類は屋根の形状や使用される屋根材に大きく関係しています(^^)
屋根の強度・耐久性・機能性を確保するためには屋根材・構造に適した垂木の選定が不可欠です!
4. 垂木の設置間隔の重要性
前述させて頂きました通り、一般的に垂木の間隔は 455mmとされています(^^)/
適切に垂木を配置させることは屋根材を均等に支える事に繋がり、屋根強度に偏りが出てしまう事態を防ぎます!
間隔が広すぎると垂木が適切に屋根材の重量を支えられず、屋根の耐久性や安定性が低下する可能性があります😥
ですが、狭ければ良いという訳でも無く、垂木の間隔が狭すぎると材料コストが増加し、必要以上に施工が複雑になります。
そのため、建築規則や建物の設計に応じて垂木の間隔を適切に設定することが重要です!
また、垂木の間隔は屋根材の種類や重量、軒の出の長さによっても変化します。
例えば、重い屋根材や長い軒の出を持つ屋根では屋根の重量を分散させる必要がある為、より密な間隔で垂木を設置することが一般的です。
5. 垂木の損傷原因・悪影響
ここまで、屋根の構造部材として垂木の重要性をお伝え致しました!
しかし、その一方で垂木の損傷は建物全体の安全性に影響を及ぼすリスクが大きいとされています(>_<)
続いて、垂木の損傷とその悪影響についてご紹介させて頂きます!
5-1. 垂木が損傷する原因とは
垂木の損傷は、以下のような要因が挙げられます。
- 〇自然環境による損傷
台風による強い雨風・降雪は、垂木に大きな負荷をかけることがあります。
特に豪雪地帯でなどで見られる屋根に降り積もった雪の重みは想像以上で、歪み・損傷の大きな原因となります(>_<)
また、長期間に渡って雨漏り被害を受け続ける事で、垂木が腐食してしまう場合もあります。
雨漏り・雪の重みの影響は、垂木が損傷する2大理由と言えます! - 〇建材の経年劣化
当然ですが、垂木に使用される木材も経年と共に劣化が進行します(>_<)
その為、築年数の長いお住まいの場合、それだけで垂木の強度が大きく低下している可能性があります。
特に、湿度の高い環境や適切な防腐処理がなされていない場合、垂木の腐食や虫害が進行しやすくなります。 - 〇施工不良
非常に残念ですが、施工不良によって垂木の損傷が引き起こされる可能性も0ではありません😰
垂木の設置方法・間隔・サイズは非常に重要とお伝え致しましたが、それがおろそかになっている状態では時間とともに安定性を失い、屋根の構造に問題を引き起こす原因となります。
全ての施工に言える事ですが、信頼できる業者へ依頼する事も非常に大切です!
5-2. 垂木の損傷が及ぼす悪影響
垂木が損傷した場合、その影響は屋根全体に及びます。
以下に、その悪影響について詳しくご紹介致します!
- 〇屋根形状の変化
垂木の損傷によって屋根の形状が変わってしまう場合があります(>_<)
これは、垂木が屋根材を支える役割を果たせなくなるためです。
屋根に傾斜の不均等・部分的な沈下などが生じる事で、美観が崩れる事はもちろん、屋根の漏水・損傷拡大の大きな原因となる危険な状態です! - 〇屋根材の破損
垂木が適切に機能しなくなると屋根材にも過度の負荷が掛かりますので、破損や漏水の原因となります。
特に、重い屋根材の場合にはその影響も大きく、屋根材の脱落や破裂につながる可能性があります(>_<) - 〇建物自体の安全性低下
垂木の損傷は、建物全体の安全性に影響を及ぼす可能性があります。
特に、大規模な損傷や複数の垂木が影響を受けた場合、屋根全体が崩壊してしまうリスクさえあります。
垂木の損傷は屋根に限った問題では無く、お住まい全体の安全性に繋がります。
上記の様に、垂木の損傷は屋根に限らずお住まいに様々な悪影響を及ぼします😰
垂木の損傷を未然に防ぐためにも、定期的な点検と適切な修理が不可欠です!
6. 垂木のメンテナンスと補修
6-1. 垂木の定期的な点検・メンテナンスの重要性
屋根の点検・メンテナンスが必要な部分と言えば、瓦・スレートなどの屋根材をイメージされる方が多いのではないでしょうか。
しかし、屋根を構成する要素には防水紙・野地板などの屋根下地材が存在し、それを支えているの垂木の存在もあります
屋根の状態を健全に保つ為には、垂木を含む構造部・下地材の定期的な点検・メンテナンスが必要となります(^^)/
また、点検頻度の目安にとらわれず、勢力の強い台風が過ぎ去った後や、多くの雪が屋根に降り積もった後などに点検を行う事も大切です!
特に築年数が著しく経過しているお住まいの場合、上記の様な点検は重要となりますので注意しましょうね(^^♪
6-2. 垂木の修理方法
垂木に修理が必要となった場合、その方法は損傷の程度や性質によって異なります。
まず、軽微な損傷の場合は、補強や部分的な交換で対処できることが多いです。
例えば、ひび割れや軽度の腐食がある垂木は、新しい垂木を損傷した垂木に隣接して取り付け、両者を固定する「抱かせ」工法と呼ばれる方法などで補修が行われます(#^^#)
ですが、重度の損傷が確認出来る場合には、垂木の全交換が必要となる場合があります(>_<)
いずれにしても、まずは専門業者による状態確認が必要となりますので、不安を感じましたらお早めに点検を依頼しましょう!
7. 「抱かせ」工法による垂木の補強を行った実際の施工事例
品川区尾山台にお住まいのK様より、雨漏りが発生して困っているとのお問合せを頂きました。
現地調査にお伺いさせて頂きますと、トタンの瓦棒葺きは著しく劣化が進行しており、錆の進行による穴空きが何カ所も見られました(>_<)
野地板や構造部分の垂木の腐食も進行している事から、「抱かせ」工法による垂木の補強を行った上で、屋根葺き替え工事を施工させて頂く事となりました!
写真は、「抱かせ」工法による垂木補強の様子です。
新しい木材を垂木に添わせる形で固定し、垂木の補強を行います(#^^#)
既存の垂木は腐食が進行している事から、ビスを打つ場所によっては垂木が割れてしまう事も起こりえます(>_<)
その為、職人の腕・技術が試されますが、無事に補強を完了させることが出来ました😊
垂木の補強が終われば、あとは通常の葺き替え作業と同様です!
新しい野地板・防水紙・屋根材を順に敷設していきます(#^^#)
新規屋根材には、「オークリッジスーパー」を使用させて頂きました。
金属屋根材には及びませんが、軽量で防水性に優れた屋根材です!
以上で、「抱かせ」工法、並びに屋根葺き替え工事が完了致しました!
垂木の補強と併せて屋根全体が新しくなりましたので、既存の屋根とは比べ物にならない程、保護機能が回復しました!
これで、お客様を悩ませていた雨漏りとも無縁の生活となりますの(^^♪
8. 垂木に関するよくある質問と回答
Q1: 垂木の損傷はどの様に確認出来ます
A1:
垂木の損傷は、一般的に屋根裏・小屋裏からの目視検査などによって確認します。
この時、ひび割れ、曲がり、腐食、釘や金具の緩みなどが損傷の兆候として見られる事が多いです。
ただし、ご自身での点検は危険が伴いますし、損傷状態の診断には技術・経験が必要です(>_<)
垂木の状態確認をご検討されている場合には、専門業者へご依頼されることをおすすめいたします。
Q2: 垂木の交換は自分で行うことができますか?
A2:
点検と同様、垂木のDIYは大変危険です!
落下の危険性はもちろんですが、垂木の交換には高い専門技術・知識が必要である為、最悪の場合にはお住まいの構造部分の機能不全や、重大な事故にも繋がります。
必ず、専門業者へ依頼しましょう!
Q3: 垂木のメンテナンスにはどのような作業がありますか?
A3:
垂木のメンテナンスには定期的な点検、損傷の修理、防腐処理や防虫処理などがあります。
修理方法でご説明させて頂きました、「抱かせ」工法もその一つとなります!
Q4: 屋根材を変更する場合、垂木も変更する必要がありますか?
A4:
屋根材の重量や種類が変わると、垂木のサイズや強度もそれに合わせて調整しなければならない場合があります。
特に、重い屋根材に変更する場合には、垂木を強化する必要性が出てくる可能性があります。
9. 垂木・屋根の構造部分のご不安事も街の屋根やさんにご相談下さい!
垂木は屋根の勾配に沿って配置される角材を指し、屋根材を支える重要な役割を担っています!
その為、垂木の劣化進行・損傷は、屋根のみならずお住まい全体の安全性にも大きな悪影響を及ぼします(>_<)
屋根のメンテナンスと言えば塗装・葺き替え・カバー工法などが一般的ですが、著しく築年数が経過している場合や、降雪による屋根への荷重、長期に渡る雨漏り被害は、垂木の損傷を招きます😰
屋根材の異常に限らず、下地材・構造部分にご不安・ご心配を抱えられてる方がおられましたら、ぜひお気軽にご相談下さい!
点検・お見積りの作成まで無料にて承っておりますので、ご安心ください😊
最適な施工方法をご提案させて頂きます(^^)/
この記事の監修者
富田 功義
▼保有資格
2級建築施工管理技士・雨漏り診断士・一般建築物石綿含有建材調査者
20,000棟以上の施工実績を持つ『街の屋根やさん』多摩川支店の支店長。
赤外線カメラを使用した雨漏り調査など、幅広いお悩み事に対応可能なリフォームアドバイザー。
記事内に記載されている金額は2024年04月04日時点での費用となります。
街の屋根やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
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