4つのチェックポイントで瓦屋根の点検・メンテナンスのタイミングを知ろう
更新日 : 2024年04月18日
更新日 : 2024年04月18日
「瓦屋根はメンテナンスフリーだから安心」
と、ご自宅の瓦屋根のメンテナンスを怠っていませんか?
瓦屋根は半世紀、またはそれ以上もの耐用年数を期待できる大変寿命の長い屋根材ですが、台風や強風が吹いた際に最も多くの補修や点検のご依頼をいただきます。
長寿命の瓦屋根をさらに安全に、安心してお住まいいただくための瓦屋根のメンテナンスについて解説いたします。
瓦屋根のメンテナンス時期やどういったメンテナンスが必要なのかなど掲載しておりますので是非参考になさってください。
目次【表示】
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。動画で見たいという方はこちらをご覧ください!
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瓦屋根の基本と特徴
瓦屋根は、日本の伝統的な建築技術の結晶とも言える屋根材です。
まずはその特徴や構造について詳しく掘り下げていきます!
瓦屋根の歴史
瓦屋根とは、一般的に粘土やセメントなどの素材を成型し、高温で焼いて硬化させた屋根材を使用する屋根のことを指します。
日本における瓦屋根の歴史は古く、なんと飛鳥時代ごろから使用されていたとされています!
この長い歴史を通じて、瓦屋根は日本の気候や文化に適応しながら進化を遂げてきました!
伝統的な和瓦は波形のある美しい形状で知られ、日本家屋の風情を際立たせています。
一方で、洋風の建築に適した洋瓦もあり、海外文化発祥ならではの平滑な表面やユニークな形状で多様な建築スタイルに対応するものもあります。
一口に瓦と言っても様々な種類があります
瓦屋根の特徴と構造
◆耐久性
瓦屋根の主な特徴はなんと言ってもその耐久性にあります!
粘土やセメントといった素材は耐火性や耐熱性に優れ、環境の変化にも強いため長期間にわたって建物を保護することができます!
また、瓦の形状は雨水の流れを効率よく導くため、防水性にも優れています。
瓦屋根の構造は、瓦を屋根に並べて固定する基本的なスタイルから、最新の技術を駆使したものまで多岐にわたります!
伝統的な屋根瓦は重量があるため建物の構造に影響を与える場合もありますが、近年では軽量で断熱性に優れた新素材の瓦も登場し、より多様な建築ニーズに応えることができいます
◆他の屋根材にはない独特な外観の演出
瓦屋根のもう一つの大きな特徴は、その美観です。
伝統的な和瓦は風情があり、「歴史的な建物といえば!」といったイメージがありますね!
一方で、洋瓦はモダンな建築にマッチし、新しいデザインの可能性を提供します。
このように、瓦屋根はその歴史的背景と進化を踏まえ、現代でも多くの建物に愛用されている屋根材です。
耐久性と美観を兼ね備えた瓦屋根は、これからも日本の建築文化を支え続けてくれるのではないでしょうか。
屋根瓦の種類とそれぞれの特性
前章で登場した和瓦と洋瓦の違いや、そして主な瓦の素材である粘土瓦、セメント瓦、コンクリート瓦について詳しく見ていきましょう!
和瓦、洋瓦の違いとは?
瓦屋根には大きく分けて和瓦と洋瓦が存在します。
◆和瓦
和瓦の特徴は緩やかな曲線を描く形状にあります。
この形状は、日本の気候や風土に適応した結果であり、雨水の効率的な排水や、雪の積もりにくさを考慮したデザインです。
普段見慣れた和瓦の独特な形にも、納得できる意味があります!
また、和瓦には「J形瓦」のように特有の名称があり、それぞれの形状によって建物に異なる趣をもたらします。
この○型というのは、次項の洋瓦でも使用される表現です。
◆洋瓦
洋瓦は西洋の建築様式に合わせて開発された瓦で、フラットな平板瓦(F形瓦)や、大きな山谷を描くS形瓦などがあります。
洋瓦は、そのスタイリッシュなデザインと多様な色彩で、現代的な建築に適しています。
素材の違い:粘土瓦、セメント瓦、コンクリート瓦
続いては瓦に使用されている素材ごとの比較です。
瓦屋根の素材には、主に粘土瓦、セメント瓦、コンクリート瓦の三種類があります。
◆粘土瓦
粘土瓦は粘土を成形し、1000℃以上の高温で焼いた伝統的な瓦です。
その耐久性は非常に高く、正しくメンテナンスされれば一般的には60年以上、そして100年以上持つことも珍しくありません!
粘土瓦にも釉薬瓦(ゆうやくがわら)、無釉薬瓦(むゆうやくがわら)などの種類があり、それぞれ異なる美観と特性を持ちます。
◆セメント・コンクリート瓦
セメント瓦はセメントと水を混ぜ合わせて作られる瓦で、粘土瓦よりも比較的低コストでの製造が可能です。
そのため、一時期では瓦人気も相まってセメント瓦の需要も非常に高かった過去があります。
しかし、セメントを主材料としていることから色褪せや劣化が進みやすいため、定期的な塗装が必要となります。
現在では、新しい屋根材の開発により使用が減少している種類の瓦です。
また、コンクリート瓦(モニエル瓦)は、セメントに砂利を混ぜて成型した瓦で、セメント瓦と同様にコストパフォーマンスに優れています。
しかし、こちらも定期的な塗装メンテナンスが必要で、劣化により脆くなる傾向があります。
セメント瓦についてはまだ日本市場において製造されてはいますが、あまり多くはありません。
また、コンクリート瓦(モニエル瓦)に関しては日本市場から完全に撤退してしまったため、現在は手に入れることがかなり難しい屋根材となっています。
瓦屋根のメリットとデメリット
耐久性や独特な風貌などを特徴として挙げてきましたが、瓦屋根にはデメリットも存在しています。
ここでは、瓦屋根のメリットとデメリットについて解説致します!
瓦屋根のメリット
瓦屋根のメリットは、なんと言ってもその耐久性と美観に他なりません。
また、瓦屋根は防火性にも優れており、火災の際の延焼を防ぐ役割も果たします。
意外かもしれませんが、瓦屋根は断熱性と遮音性にも優れています。
これは、瓦と屋根の下地との間に形成される空気層によるもので、夏の暑さや冬の寒さを和らげ、雨音などの外部の騒音も遮断する効果があるんです!
瓦屋根はメンテナンスが容易である点も大きな利点です!
瓦は一枚ずつ取り替えることが可能なため、部分的な修理が容易で、全体の葺き替えによるメンテナンスよりもコストを抑えることができます!
瓦屋根のデメリット・注意点
一方で、瓦屋根にはいくつかのデメリットも存在します。
最も顕著なのはその重量です。
瓦は他の屋根材に比べて重いため、建物全体の耐震性に影響を与えることがあります。
特に古い建物や耐震基準が現在のものよりも低かった時代に建てられた建物では、瓦屋根の重量が問題となることがあります。
また、瓦屋根の初期設置コストは他の屋根材と比較して高い傾向にあります。
これは瓦自体の価格だけでなく、その重量に耐えるために必要な強固な屋根構造や、専門的な施工技術が必要となるためですね。
さらに瓦屋根は自然災害、特に地震や強風の際に瓦が落下するリスクがあります。
特に旧式の施工方法で設置された瓦屋根において顕著で、強い地震などで瓦がズレたり、落下したりすることがあります。
これらのデメリットを解消していくためには、やはり定期的なメンテナンスと点検でいち早く瓦屋根の不具合に気が付くことが重要です!
瓦屋根を選択する際にはこれらのメリットとデメリットを十分に考慮し、建物の構造や地域の気候条件、メンテナンスを続けていけるかなどを総合的に評価することが大切です。
お住まいもお体と同じです。悪いところは早期に発見し、迅速にケアしてあげれば、大事に至ることはありませんし、維持やメンテナンスにかかる費用もお安くなります。
定期的な点検の他、悪天候後も検査してあげれば完璧でしょう。しかし、ご自身で屋根に上るのは危険ですし、体の病状の判断と同じように、その道の専門家でなければ不具合を見逃してしまうことも考えられます。
台風の時などにご自分のお住まいの心配をされ、屋根に上り、風に煽られ、落下してしまうという事故が毎年、後を絶ちません。点検は無理をしないで、見える範囲だけでも大丈夫です。それ以上のことは街の屋根やさんにお任せください。無料点検のご利用がお得です。
まずは台風や強風といった悪天候後はメンテナンスをする、屋根に用いられている部材の耐用年数に応じたこまめなメンテナンスをするということを意識していただけたらと思います。
ご自身でできるご自宅の屋根チェック 立地次第では二階の屋根もしっかり見える?
ご自宅の屋根ですから、誰よりもそこにお住まいになられているお客様自身が一番気になりますよね。ではご自宅の屋根を見たい場合はどうすれば良いか?
もしご自宅近くにお住まいよりも高い場所があり、そこから見晴らしがよければ、2階の屋根もしっかりとチェックできるでしょう。多少遠かろうと、双眼鏡や望遠鏡を使えば、バッチリです。ただしそういった道具を使った場合、明らかに怪しい人に映るので注意が必要です。
また二階建てのお住まいで、下屋があるような形状のお住まいであれば二階の窓を開けて一階の屋根を確認することもできます。もしその際に例えば瓦のずれ、劣化が激しければ「もしかしたら二階の屋根も?」と劣化状況を予想することもできます。
一階の屋根以上に二階の屋根は遮るものがなく、風雨や紫外線の影響を受けますから同様以上の劣化が見られる可能性があるということです。このようにこまめにご自宅の屋根の状況を確認することは屋根の健康状態を維持するうえで大変重要ですよね。
ただし先述もしましたが心配のあまり、ご自宅の屋根にのぼったことで落下し大けがを負ってしまった、亡くなってしまったという事故が毎年後を絶ちません。ご自身で屋根に上る、DIYで応急処置や補修をおこなうということはくれぐれも控えていただきますようお願いします。
棟とは屋根の面と面が重なる山(頂点)部分を指し、そこに施工されている瓦を棟瓦と言います。瓦屋根を点検する際は、この棟瓦が歪みなく真っ直ぐかどうかを確認。ご自宅の2階から1階の屋根が見える場合はご自身でも棟瓦をチェックすることができます。
少しでも歪んでいた場合は要注意です。徐々に歪みは大きくなり、最後は崩れてしまいます。
棟が歪んでいる、イコール瓦を固定する漆喰が弱ってきているということです。
歪みを放置してしまうと強風や地震時に上の写真のように棟瓦が崩れ、屋根の他の部分や1階の屋根にも悪影響を与えます。
雹や強風時の飛来物、アンテナの倒壊などによって瓦が割れたり、欠けたりしてしまうことがあります。その部分から雨水が浸入し、雨漏りすることもあります。
瓦の唯一の弱点が割れてしまうということです。割れたまま放置すると他の瓦がずれたり、干渉したりして、他の部分も破損することがあります。
破損した場所から雨水が浸入すると、防水紙や野地板を傷めます。最終的には雨漏りに繋がります。
地震や強風で瓦が動き、外れたり、ずれたりしてしまうことがあります。
しっかりと固定されていない状態なので、落下する危険性があり大変危険です。
外れたり、ズレたりした部分からは雨水が浸入することになりますので、雨漏りに繋がります。
瓦と瓦の隙間を埋めている漆喰が剥がれたり、崩れたりすると、その部分から雨水が浸入します。
また、瓦を固定している力が弱くなっていますので、ちょっとした風や地震でも瓦がズレたり、落下したりする危険性が高まります。
いびつな形のコンクリート片のようなものをベランダや庭先で見つけたら、剥がれた漆喰である可能性が高いです。業者に点検してもらいましょう。
漆喰にひび割れが発生し、今にも崩れそうな状態です。
漆喰が剥がれ落ち、中の土が露出しています。このままでは、土が流出して棟を支えられなくなります。
漆喰の耐用年数は20年程度で、上記のような目に見える劣化がなかったとしても経年で徐々にひび割れや剥がれが起こります。今現在、不具合がないという方でも新築から20年程度が経過し、一度も詳しい点検をしてこなかったという方は専門業者に見てもらうことをお勧めします。
前述では漆喰についてのポイントを解説しましたが、このように瓦屋根には屋根材としての瓦以外にも漆喰を始め多くの部材が施工され、屋根を形成しています。
当然それぞれの部材には部材ごとの耐用年数があるため、それに応じたメンテナンスが必要になることを是非覚えておいていただきたいと思います。ここでは瓦以外のチェックポイントを解説いたします。
水切り板金
屋根には直接打ち付ける雨水を効率よく、排水するための仕組みとして雨仕舞としての板金部材が施工されている場所があります。例えば外壁と屋根がぶつかる外壁取り合い部分、屋根の面と面とが重なり谷となっている谷部などがそうです。
こうした場所は雨の通り道となるため板金を施工することで隙間から雨水が建物内部へ浸入することを防ぎ、適切な場所へ受け流す役割を持っています。
雨水が集まりやすい場所であるがゆえに不具合があれば途端に雨漏りへと発展してしまう屋根の弱点部分になるため「錆がないか?」「外れてないか?」「穴が空いてないか?」といったチェックが必要となります。
防水紙(ルーフィング)
防水紙(ルーフィング)とは瓦の下に敷かれているシートのことです。表面から屋根を見ても瓦に隠れてしまっているためその姿をご覧になったことあるという方は少ないかもしれませんね。
しかしこの防水紙は屋根からの雨漏りを防ぐための超重要部材なのです。
一枚一枚重ねられている瓦には湿気や雨水を排水するための隙間が設けられています。隙間が設けられているのになぜ雨漏りしないかというとこの防水紙が建物内部への浸入を防いでくれているからなんですね。いわば雨漏りから建物を守る最後の砦なのです。
この防水紙も新築から20年程度で寿命を迎えます。もし防水紙が破れていたり、剥がれてしまっている場合は当然メンテナンスが必要となります。この場合、雨水の浸入によって屋根の土台である野地板も傷んでしまっている可能性がありますので併せて点検を行う必要があります。
このように瓦屋根と言えども、チェックポイントは瓦だけではないということを是非覚えておきましょう。
漆喰の傷みが軽度な場合、劣化した部分を取り除き、詰め直します。瓦が一部、割れてしまっている場合は部分交換をします。 大規模ではないので、工事というよりも補修といった感じです。この程度の不具合でしたら、費用もお安く済みます。
●漆喰詰め直し
●瓦一部交換
漆喰の剥がれと崩れが進み、棟瓦が歪んでいる場合や固定する強度に問題が出てきた場合、棟瓦を取り外し、積み直します。全ての棟瓦を取り外し、再び積み直しますので、漆喰詰め直しや瓦の一部交換よりも費用はかかります。
●棟取り直し
優れた耐久性を持つ屋根材が瓦です。漆喰や瓦のズレなどのメンテナンスの仕方によっては、その下の防水紙や野地板の方が先に劣化してしまう場合もあります。
屋根から全ての瓦を取り外し、防水紙や野地板の補修、交換を行ってから、再び瓦を積み直します。
●防水紙や野地板の補修、交換
●再び瓦を積み直し
瓦が廃盤になっていて葺き直しはできないこともあります。それ以外にも工事可能な条件が限られますので、この機会にガルバリウム鋼板を使った軽い金属屋根へ葺き替える方が多いようです。
屋根葺き直し工事のメリット・デメリット
瓦と下地、双方の劣化が激しい場合は屋根の葺き替え工事を行います。
これまでの瓦の廃材処理費、新しい屋根材の材料費、そして工事費が掛かるので、高額になります。大規模な屋根リフォームで、工期も長くなります。
最近は耐震性を考えて、老朽化とは関係なく、重い瓦屋根から軽いハイブリッド瓦に葺き替える方も多くなっております。
●葺き替え
葺き替え工事のメリット・デメリット
瓦屋根のリフォームにおける費用相場
瓦屋根のリフォーム費用は、行う作業や瓦の種類、屋根の面積などによって大きく異なります。
そのため、こちらでは一般的な費用の目安としてご紹介いたします!
部分修理の費用相場
破損した瓦の差し替えは、一枚あたり2,500円~5,000円程度が相場です。
ただし、使用している瓦の種類や施行現場の難易度によって費用は変動いたします。
瓦屋根葺き替えの費用相場
瓦の葺き替えは、一般的に平方メートルあたり約16,000円から20,000円が相場です。
街の屋根やさんでは、19,000円~/㎡(税込20,900円~/㎡)として参考費用を掲載しています。
ただし、葺き替え後の屋根材の種類やグレードによっても価格は大きく異なりますので、是非無料のお見積もり作成をご活用ください!
瓦屋根葺き直しの費用相場
瓦屋根の葺き直しは、一般的に約13,200円~/㎡(税込)が相場となっています。
やはり葺き替えに比べると費用を抑えられることが分かりますね!
ただ、築年数が経過しているお住いですと重量のある瓦屋根を支えきれない可能性もあるため、点検時の判断で葺き替えを推奨させていただくケースもございます。
屋根のリフォームは家の外観や構造に大きな影響を与えるため、十分な計画と予算設定が重要です。
信頼できる専門家に相談し、家全体のバランスを考慮しながら最適なリフォーム計画を立てましょう!
瓦屋根をリフォーム/メンテナンス:実際の施工事例
では、実際に街の屋根やさんで瓦屋根をリフォームした例、そしてメンテナンスした例をご紹介したいと思います!
調布市調布ヶ丘で瓦屋根を葺き替え、雨漏り解消と耐震性向上を実現!
調布市調布ヶ丘にお住まいのH様は雨漏りに悩まされており、原因の解明と工事のご依頼をいただきました!
他業者には漆喰の剥がれを指摘されたとのことでしたが、屋根に上って瓦を外してみると、防水紙がだいぶ傷んでしまっていたため、直接の原因は下地にありました。
防水紙の傷みとなると選択肢は屋根葺き替えか葺き直しによるリフォームです!
今回は今後の地震対策として屋根の重量を軽くしたいとのご要望から、瓦よりも軽量なスレート屋根への葺き替え工事をご選択いただきました。
まずは瓦の撤去です!
野地板としてはバラ板と呼ばれるタイプが使用されていました。
以前は通気性の確保などの理由からあえて隙間ができるバラ板での野地板が主流でしたが、現在では合板のようにピッタリ敷き詰めても腐食しない防水紙などが使用されていますので、今回は強度を高めるために構造用合板での野地板増し張りも進めていきます!
新しい防水紙です。軒先から葺いていき、上側を重ねるようにすることで雨水が防水紙の下に入り込まないようにします!
スレートにも様々な種類が存在しますが、今回はケイミューのコロニアルクアッドを使用しました!
アイスシルバーのスレートで、元の瓦の色からガラッとイメージチェンジですね。
雨漏りと地震対策を両立した葺き替え工事が完工し、お客様にもご安心頂ける結果となりました!
工事後にお客様にご感想をお伺いすると、「調査時の疑問点や工事検討中での要望をすべて答えてもらえたことが工事を依頼するきっかけだった」と教えていただけました!
→調布市で行いました今回の屋根葺き替え工事詳細はこちらでご覧ください!
江戸川区南葛西にて自然災害による瓦のズレを屋根葺き直し工事で復旧
近隣の方に瓦屋根が一部破損していることを知らされたことがきっかけとなり、調査と復旧の為お問い合わせいただいた事例となります。
どうやら台風によって瓦に不規則な崩れが発生してしまっており、長い間そのままだったため雨水が下地の防水紙に影響を与えやすい環境が続いていたようです。
自然災害によるメンテナンスの場合には、火災保険が適用できる可能性があります!
今回も瓦の崩れが発生してからおよそ1年が経過していましたが、保険の適用期間は3年以内の被災のため、無事に火災保険を使用しての葺き直し工事を行うことが出来ました!
葺き直し工事はこれまでの瓦を一度丁寧に撤去して保管し、野地板や防水紙のメンテナンス後に元へ戻します。
葺き直し工事のメリットでは、今回の施工例のように問題のあった部分のみの工事が可能であるという点です。
防水紙は経年劣化に加えて、雨水に当たりやすくなっていたため劣化が進んでいました。
新しい防水紙には耐久性の高い改質アスファルトルーフィングを使用し、今後の雨漏りをしっかりと予防します!
被災部の瓦屋根葺き直しが完了し、従来の安心できる状態へと復旧することが出来ました!
また、付近の棟瓦部分も漆喰が剥がれていましたので、今回は棟取り直し工事も合わせて実施しております。
→江戸川区で行いました今回の屋根葺き直し工事詳細はこちらでご覧ください!
なぜ台風後、強風後は瓦屋根のお住まいの被害が多いのか?
その原因は瓦屋根の施工方法にあります。例えばスレートや金属といた屋根材は屋根材を固定する際は専用のビスを用いて直接屋根の下地に固定します。一方で引っ掛け工法で施工されている瓦屋根の場合、瓦桟(かわらざん)と呼ばれる角材に瓦を引っ掛ける形で重ねていきます。
この場合、釘等で瓦を固定しているわけではないため台風や強風の影響を受けて、影響を受けた部分の瓦だけが飛散してしまったり、地震時にずれてしまったり、外れてしまうといったことが起こり得るのです。(防災瓦やガイドライン工法に則った施工がなされている瓦屋根の場合、釘やビスで固定されています。)
もし瓦屋根が飛散してしまったり、ずれて落下してしまうとどうなるのか?
お住まいの雨漏りリスクを高めてしまうことはもちろんですが、例えば落下した地点に人や物が置いてあったとすれば・・・。固い瓦屋根が落ちてくるわけですから怪我や破壊に発展してしまいますよね。こうしたことから台風後、強風後、地震後などは特に瓦屋根にお住まいの方は専門業者に異常がないか点検していただくことを強くお勧めします。
ガイドライン工法とは?
続いて、前項で少しご紹介させて頂きました「ガイドライン工法」についてご紹介いたします!
ガイドライン工法は、地震や台風に強い瓦屋根を実現するために開発された瓦屋根の施工方法です。
この方法は、2000年の建設基準法改正に基づいて2001年に設定されました。比較的新しい工法ですね!
ガイドライン工法の主な変更点としては、瓦を固定するための釘の本数が増加し、瓦の留め具にビスが使用されるようになったこと、そして棟瓦の施工方法が湿式工法から乾式工法へと変更されたことが挙げられます!
従来では瓦4枚ごとに釘1本を使用して屋根に固定していましたが、ガイドライン工法では瓦2枚につき1本(釘またはビス)が基準とされています。
湿式工法や乾式工法
ガイドライン工法以外にも「湿式工法」と「乾式工法」という瓦屋根の施工を表す言葉があります!
湿式工法は土を使って瓦を張る方法であり、土葺き屋根に代表されます。
こちらは関東大震災の発生した1923年まで採用されていた方法で、現在ではあまり見かけることはありません。
一方、乾式工法は桟木(さんぎ)に平瓦の裏のツメを引っかけて、クギで固定する方法で、現存する多くの瓦屋根に採用されています。
また、棟部分も土台に土を使うのではなく、専用の金具と垂木を使用して軽量化を実現した乾式工法が存在します(^▽^)/
そんな乾式工法にガイドライン工法を導入することで、より耐震性の高い瓦屋根が実現可能になりました。
ガイドライン工法でも瓦が飛ぶことはあります
ここまで瓦の固定力を強化したガイドライン工法をご紹介しましたが、それでも瓦が飛ぶことは完全に防げておりません。
2019年に発生した台風15号では、ガイドライン工法で施工された屋根でも被害が発生しました。
ガイドライン工法は1995年の阪神大震災の経験に基づいて作られたものであり、異常な台風まで想定していなかったことが台風15号時の被害の一因となっています。
令和元年房総半島台風がそれまで以上の風の強さであったことも被害発生に関係あるでしょう。
より強い風に耐えるためには、釘の代わりにビスを使用し、全数緊結するなどの施工方法が推奨されます。
実際に、国も全数釘打ちの義務化を検討し始めるなど、より瓦が飛ばない方向へ進もうとしています。
また、注意点としてガイドライン工法はあくまで自主規制であるため、必ず今後の瓦屋根に適用しなければならないという訳ではありません!
確かに耐震性を確保するためにはおすすめの基準でもありますが、義務かのように工事を迫ってくる業者には注意が必要です。
もし不安に思った時には、複数の業者に相見積もりを取ってみて最適な工事を判断してみましょう!
お住まいの屋根がセメント瓦・モニエル瓦の方へ
瓦の種類の項でご説明させて頂きましたが、セメント瓦やモニエル瓦は塗装メンテナンスが必要な瓦です!
現在、これらの瓦は現在新築で使用されることはほぼありませんが、私たちがお住まいの点検にお伺いすると築10年、20年を経過したセメント瓦やモニエル瓦のお住まいを見かけることもあります。
また、「瓦」と名前が付く事から「塗装メンテナンスが必要」である事をご存知無い方も多く、塗膜の劣化が進行したことで屋根材自体の劣化が著しく進行してしまっているお住まいも少なくありません!
セメント瓦・モニエル瓦については、下記のページでも詳しくご紹介しておりますので、ご自宅の屋根に使用されている可能性がある場合には、ぜひお読みください!
セメント瓦・モニエル瓦を長く安心してご使用いただく為には、定期的な塗装メンテナンスが必要不可欠です!
スレートや金属屋根など価格や施工性から流通量が増えてきた屋根材の影で、瓦屋根もいまだ根強い人気のある屋根材です。見た目も他の屋根材にはない重厚感、高級感がある上に耐用年数も長く、こまめな点検、定期的なメンテナンスを行うことでどの屋根材よりも長くお住まいを守ってくれます。
こちらのページをご覧いただいた方はすでにご理解いただけたかと思いますが、瓦屋根は決してメンテナンスフリーではないということです。適切な点検、メンテナンスを実施し、お住まいの屋根の健康状態を長持ちさせていただきたいと思います。
4つのチェックポイントで
瓦屋根の点検・メンテナンスのタイミングを知ろうまとめ
●瓦屋根のお住まいに安心してお暮しいただくため、台風や強風後などの悪天候後は専門業者に点検を依頼する、また屋根に用いられている部材の耐用年数に応じた適切なメンテナンスを行うことが重要です。
●DIYによるご自身での応急処置や補修は怪我や被害拡大の原因にもなりますので控えましょう。
●ジンカリウム鋼板のデメリットはほとんどカバーできるものですが、知らないまま工事を行ってしまうと後悔してしまう事態になるかもしれません。必ずジンカリウム鋼板がどういうものなのかを理解してから使用しましょう。
●瓦屋根のチェックポイントとして以下の4つが挙げられます
-棟瓦の歪みをチェック
-瓦の割れ(破損)や欠けをチェック
-瓦のずれと外れをチェック
-漆喰の剥がれと崩れをチェック
●水切り板金や防水紙、野地板など屋根を構成する部材は耐用年数に合わせた適切な点検、メンテナンスを行いましょう。
●瓦屋根のメンテナンスには状態別によって「漆喰詰め直し」「棟取り直し」「瓦の一部交換」「屋根葺き直し工事」「屋根葺き替え工事」などを検討しましょう。
●その施工方法から台風後、強風後など被害が多発するのが瓦屋根です。
●セメント瓦やモニエル瓦は素材もメンテナンス方法も日本瓦とは異なるため、屋根材に適したメンテナンスを行いましょう。
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