
HOME > 施工事例 > 杉並区堀ノ内で歪んでしまった棟瓦をシルガードで取り直し工事い.....
【施工前】
【施工後】
【お問い合わせのきっかけ】
担当:高田
担当:高田
近所の大工さんに「棟瓦がずれているから屋根やさんに見てもらった方がいいよ」と声をかけていただいたことで、杉並区堀之内にお住まいのT様より棟の調査依頼をいただいたことが今回の工事のきっかけでした。早速現地にお伺いして棟を拝見したところ、瓦屋根の棟が写真でもわかる通り大きく歪んでしまっている状態でした。棟を固定している銅線も切れてしまっていることから、本当に棟瓦をただ積んでいるだけの状態になってしまっており、大型の台風の強風や、大きめの地震がくれば崩れて落下してきてしまうような状態になっていました。このままでは屋根を心配しながら生活しなければならないとのことで、棟の取り直し工事のご依頼をいただきました。
屋根の寿命はおおよそ30年が目安となります。そのため、今回の屋根に関しても築50年ほどということを考慮すると、葺き直しや葺き替えといった全体的な工事をオススメさせていただくのですが、現在のお住まいは築年数も考慮して数年後に建て替えなどを考えているとのことでしたので、最低限危険を避けるためのメンテナンス工事ということで、棟の取り直し工事をご提案いたしました。お住まいの状況はもちろんですが、お客様のご要望もしっかりとお伺いしたうえで工事のご提案ができるように心がけております。
先端にある鬼瓦で、段々に積まれているのが熨斗瓦(のしがわら)、その上にある丸い瓦が丸瓦です。鬼瓦付近の熨斗瓦が外れて紛失してしまっています。そのせいで、熨斗瓦の中にある土が見えてしまっています。棟を積む際には、このように中に土を詰めて、一番外側を漆喰で埋めて瓦と瓦がずれないように固定して棟を造ります。土ではなく全てを漆喰で造った方が頑丈になるのではと感じますが、これはその通りで全て漆喰で造った方が間違いなく頑丈になります。ではなぜそうしないのかというと、漆喰が非常に高価な素材だからです。そのため、安価な土を内部に使うことで、安く仕上げているのが従来の棟の造りです。
右の写真の熨斗瓦を見ていただくと、がたがたにずれてしまっていることがわかります。固定している銅線も切れたりずれたりしてしまっており、固定ができていない状態です。地震などでバラバラになってしまう恐れがあります。
棟取り直し工事の開始です。まずは丸瓦やのし瓦を撤去していきます。内部に詰められた土が出てきますが、箒と塵取りで綺麗に掃除しながら解体を進めていきます。屋根の寿命は約30年と申し上げましたが、瓦そのものの寿命は非常に長く、古いお寺などを参考にすれば1000年近く長持ちしているものもあるほどです。そのため、今回の撤去で瓦を処分してしまうようなことはなく、とっておいて再利用いたします。スレート屋根などでは再利用は不可能であるため、再利用は瓦の特権とも言えます。
丸瓦、熨斗瓦の撤去が完了いたしました。土も結構な量が出てきます。土埃なども発生するため、本来は足場にネットをつけてご近所さんへの配慮などもするのですが、今回は足場無しでの作業となるため埃をなるべく立てないように注意しながらの作業となります。単純に撤去するだけならばさほど時間はかかりませんが、土の掃除などもしながらの作業なので時間もかかります。全て撤去し終えたら、次の工程に移っていきます。
この黒いセメントのようなものは、南蛮漆喰と言われる素材で、弊社では株式会社馬場商店の「シルガード」を使っています。漆喰の主成分は石灰であり、よく見る白い素材のものです。これに油脂や粘土、土などを混ぜたものがな南蛮漆喰です。南蛮とも呼ばれることから海外由来ものという人もいれば、日本で作られたものという人もいますし、海外からの工法や伝聞を日本人がアレンジしたものという人もいます。どうも正確な由来や発祥は今ひとつ定かではないようです。
南蛮漆喰は従来の棟でいうところの葺き土の部分と漆喰の部分を一つでこなしてしまう優れものです。もちろん土よりも圧倒的に丈夫であることから、新しく棟を取り直す際にはほとんどの場合でこの南蛮漆喰が使われることが多くなっています。色は特に指定がなければ黒色を使いますが、白いものもあるので白がいい場合はご相談いただければ幸いです。また、黒のタイプを使ったとしても、経年劣化で色が白になっていくという特徴があるため、結局は白くなります。
土台としてシルガードを敷き終えたら、その上に熨斗瓦を重ねて、その上にシルガード、その上に熨斗瓦と、ミルフィーユの様に重ねていきます。このように施工することで、熨斗瓦がずれずない造りにしているのです。これを熨斗瓦の段数分だけ作業していくため、熨斗瓦の段数分の手間がかかります。一般的なお住まいでは三段ほどのものが多く、今回のT様邸も三段となっていました。地主さんの家などは五段や十段などの高い段数になっていることも多く、大変な作業になります。昔はこの熨斗の段数でその家の位がわかるとも言ったようで、段数を競う文化もあったようですが、今ではほとんど聞かなくなっています。
最後の丸瓦を取り付ける部分にもシルガードを盛っていきます。見えない部分ですが、このように最後までしっかりと仕上げることが大事です。見えない部分こそ大切に施工いたします。ちなみに私たち街の屋根やさんでは、このような施工中のお写真も完工時にお客様にお渡ししています。屋根の上の作業では工事中に現場を見に来るということも難しいので、写真に残すことでどのような作業をしたのかしっかりと提示させていただきます。少しでも工事に対してご安心いただければという想いです。
棟の取り直し工事が無事に完了いたしました。作業中に雨が降ってきてしまい、瓦の表面が濡れてしまいました。基本的に屋根の上の工事は雨が降ったら中止とさせていただきます。表面が滑りやすくなるので職人の安全性が確保できなくなるためです。今回はちょうど工事が終わるタイミングで降ってきたので、滑り込みセーフといったところでした。
まっすぐと綺麗になり、以前よりも丈夫な棟に仕上がりました。ここ最近また地震が増えてきたため、地震のたびに屋根が落ちてこないか心配していたというT様も、これで安心して暮らしていけますとお喜びいただけました。
私たち街の屋根やさんでは、感染拡大の続く新型コロナウィルスへの感染対策として、マスクの着用や手指の消毒を徹底して行っています。お問い合わせの際はご安心いただければ幸いです。
記事内に記載されている金額は2021年05月13日時点での費用となります。【工事前】
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どのリフォームが最適?屋根リフォームの種類【街の屋根やさん】
今回の記事で登場した工事やお住まいのトラブルに関連する動画をご紹介します!
こちらの動画では、工事の内容やお住まいのトラブルの対処方法などをより詳しく説明しています
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お役立ち情報が満載ですのでぜひご覧になってみてください。
街の屋根やさんは東京都以外にも神奈川県、千葉県などでも屋根工事を承っております。日本全国に展開中ですので、貴方のお住まいの街の屋根さんをお選びください。
【施工内容】
棟瓦取り直し 、漆喰取り直し
【施工内容】
屋根葺き直し、棟瓦取り直し 、雨漏り修理
【施工内容】
棟瓦取り直し 、漆喰取り直し