
HOME > 施工事例 > 足立区一ツ家にある3階建てアパートの雨漏り改善にウレタン塗膜.....
【施工前】
【施工後】
【お問い合わせのきっかけ】
ITS事業部:根本
ITS事業部:根本
【3階建てアパートにて雨漏り発生】
調査にお伺いしたのは3階建てALCのアパートです。3階の室内に雨水が浸入しクロスが濡れてしまっているということで、雨漏り点検と適切なメンテナンスをご希望されていました。天井クロスには異変が感じられないため、外壁から雨水が入り込んでいる可能性もあります。特にALCは塗膜が劣化してしまうと吸水性が高くなってしまい、雨水の影響を大きく受けますので、早急に対処していく必要があります。
天井を確認してみると雨水は真上から入り込み外壁を伝って入り込んでいるようですので、外壁ではなく屋上(陸屋根)の防水層に問題があると判断できます。陸屋根とは傾斜がほとんどない屋根の事で、ビルやマンション等に多く採用されます。屋上とも呼ばれますので、意外と身近な場所に利用されている屋根形状ではないでしょうか?見えにくいのですが継ぎ目や重なり部がある事から、アパートの陸屋根に施工されていたのはシート防水でした。ALC建物は動きが多い為、伸縮性の高いシート防水が使用されることが多いのですが、強風によって捲れや剥がれを起こす危険性がありますので定期的な点検を心がけましょう。
雨水が集まっているコーナー部はドレンと呼ばれる雨樋に接続するための排水口があります。このドレンに向かって僅かな勾配がついていますので雨水が集まっているのは正常なのですが、詰まっているせいで流れるべき雨水が溜まってしまっています。ドレンが正常に機能していない状態ですし、雨水が溜まる事で防水層を傷める原因にもなってしまいます。陸屋根全体の経年劣化も見られる事から、平場やドレンのどこからからか雨漏りを発生させているのでしょう。
今回はシート防水を撤去し全体的なウレタン塗膜防水工事を行います。雨漏りを起こしたことで下地が吸水している可能性も高いことから、防水層が今後膨れを起こさないよう絶縁(通気緩衝)工法での補修をご提案致しました。そこで補修方法を順番にご紹介したいと思います。
1.既存防水層の撤去
まずは設置している笠木やシート防水を撤去していきます。シート防水は改修時に上に既存防水層の上に被せて施工することが出来るのですが、シート防水が下地となる場合は今後剥がれや捲れを起こす可能性があります。長期的に強靭な防水層を保護するために今回はシート防水を撤去していきます。下地に取り付けられているディスク鋼板もきれいに取り除きます。
2.下地調整
シート防水を撤去した状態はそのまま雨漏りを起こしてしまいますので、ここから防水層を形成するまでは作業を止めないように作業を進めていきます。まずは下地調整です。樹脂モルタルで陸屋根の細かなクラックや凹凸を綺麗に整えていきます。絶縁工法は下地の影響を受けにくいのですが、下地調整を行った方が防水層の耐久性も向上します。
樹脂モルタルが乾燥後はプライマーで防水層の密着性を高めていきます。塗装工事も屋根リフォームでも最も重要なのは下地調整です。工事完了後は確かめようがない部分ですが、仕上がりの出来も耐久性も全く異なりますので、日数が掛かっても行っておくべき作業工程です。
3.改修用ドレンの設置
防水層と同時に雨水を流すドレン内部も経年劣化を起こします。内部が腐食していると外壁内部で雨水が溢れだし、見当もつかない場所で雨漏りを起こす危険性もありますので、防水メンテナンスに合わせ改修用ドレンで内部の腐食を防ぎましょう。改修用ドレンを使用することで下地を傷めて補修する必要が無くなります。が、ドレンの口径が一回り小さくなってしまいますので、現在既に排水が追い付いていない場合は使用することが出来ませんのでご注意ください。
4.通気緩衝シート・脱気筒の設置
続いては通気緩衝シートを歩行面に貼り付けていきます。このシートには無数の穴が開いていますので、防水層と下地は半分接着し半分接着していない状態を維持しますが、実はこの接着していない空間が防水層の膨れを防ぐ大事な役割を担っています。雨漏りを起こしたことのある場合や築年数が経過している場合の下地は雨水を吸い込んでいる可能性があります。乾燥することで蒸発するのですが、その上に防水層を形成してしまうと蒸気の出口が無くなり、防水層に膨れを起こしてしまいます。絶縁工法はシートの隙間に蒸気を一時的に溜め、同時に設置する脱気筒から蒸気を逃がすことで、防水層の膨れを防ぐことが出来ます。一般住宅では歩行の妨げにならない脱気盤を使用しますが、屋上・陸屋根の場合は面積に応じて脱気筒を取り付けていきます。脱気筒周辺から雨漏りが起きないように、メッシュシートやシーリング施工で雨水の浸入を防いでいきます。
5.ウレタン塗膜防水・トップコート
笠木と立ち上がり部分からメッシュシートで補強しながらウレタン樹脂を塗っていきます。平場部分はローラーで均一に仕上がるように丁寧に塗装していきます。ここまでの作業を見ていると非常に簡単な工事だと思われがちですが、粘性のある塗料を均一に塗装するのは熟練の技術が必要です。何度か塗り重ねて3㎜程の防水層に仕上げていきます。ウレタン防水は塗料ですので、凹凸のある複雑な形状にも簡単に施工することが出来ます。
ウレタン樹脂で形成した塗膜は太陽光に晒されることで劣化してしまいますので、最後にトップコートで表面保護を行っていきます。トップコートには防水性能がありませんので、数年後にひび割れや亀裂が発生することがあっても雨漏りに直結することはありません。しかし防水層の耐久性保持の為にも定期的な塗り替えを行っていきましょう。改修用ドレンで補修を行った排水口は、L型のルーフドレンでゴミの浸入を防ぎます。
【工事を終えて】
丁寧な下地調整と防水層の膨れを防ぐ絶縁(通気緩衝)工法によるウレタン塗膜防水工事を行った事で、現在起こっている雨漏りを改善しつつ長期的な再発を防止することができました。絶縁工法は密着工法と呼ばれる通常の防水工事よりも補修費用がかかりますが、耐用年数は長くなりますので安全且つ確実な防水方法といえます。陸屋根からの雨漏りにお悩みの方、防水メンテナンスをご検討中の方、施工費用や他の防水方法に関して気になる点がある等、ご不明点がある方はお気軽に街の屋根やさんへご相談ください。点検・お見積りは無料にて承っておりますので、状況確認をさせて頂いた上で最適な防水工事をご提案させていただきます。
記事内に記載されている金額は2021年05月13日時点での費用となります。防水工事で雨漏り防止!陸屋根・屋上のチェックポイント【プロが解説!街の屋根やさん】
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【施工内容】
雨漏り修理、防水工事
【施工内容】
雨漏り修理
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