
HOME > ブログ > 厚型スレートのメリット・デメリットと今後のメンテナンス方法に.....
更新日:2024年08月20日
厚型スレートは一見すると陶器瓦や粘土瓦葺きの屋根に見えますが、成分は通常の化粧スレートと同じです。
瓦屋根の外観で価格が安かったことから以前には主要な屋根材として使用されていた厚型スレートですが、現在においてはそのメンテナンスに大きな注意点が存在します。
ご自宅が厚型スレート(セメント瓦)の屋根で、今後の対応についての情報をお調べの方に向け、メリットやデメリット、そして必要なリフォームについて知っておきたい内容を徹底解説いたします(^▽^)/
厚型スレートとは、厚みを持たせて瓦の形状にした化粧スレートであり、30年程前までは戸建て住宅で使用されることの多い屋根材でした。
厚型スレートは「セメント瓦」とも呼ばれます。
厚型がある一方で、平べったいスレートも存在しています。
平板スレートは薄い板状の化粧スレートであり、薄板スレートや薄型スレートとも呼ばれることがあり、現在の住宅の屋根に使用されているのはこちらのタイプとなっています(^▽^)/
両者の成分はほとんど同じで、セメントをに砂を混ぜて成型された屋根材となります。
大きな違いは厚みによる強度の差と言え、通常のスレートよりも厚型スレートの方が長持ちするとされています。
劣化が進んだとしても割れにくい厚さをしているため、寿命は30年~40年程の長さが見込めるでしょう(^▽^)/
ただ、この後に詳しくご説明いたしますが、厚型スレートは現在の新築工事やリフォームの現場では採用されなくなった屋根材です。
ですが、使用されていた時代に建てられたり、葺き替え工事で厚型スレートを取り入れた屋根を持つ住宅にお住いの方は、ぜひメンテナンス方法やメリット・デメリットを知っておいていただきたいと思います(*^^)v
厚型スレートが普及していた理由にも含まれるメリットとして、価格の安さが挙げられます。
厚型スレートは施工すると瓦屋根のような外観となり、陶器瓦よりも生産コストが安かったため、安価で和瓦や洋瓦の雰囲気を持つ屋根を葺くことができました(*^^)v
また、スレートと同様に塗装メンテナンスを必要としますが、それによって好きな色を瓦に選択できるという点も、陶器瓦との住み分けができていたため人気が高かったポイントと言えるでしょう。
しかし、デメリットも存在します。
まず、厚型スレートは陶器瓦よりも軽いものの、その厚みから通常の化粧スレートよりも屋根の重量が増すため、耐震性は低くなる傾向にあります。
建築基準法でも明確に「重い屋根」として分類されています。
当然、厚型スレートを想定して建てられた住宅の構造は重さに耐えられるようになっていますが、築年数が経過するにつれて傷みが進むと耐震性が下がっていくことも事実です(-_-;
また、厚型スレートは粘土瓦とスレートの中間的な位置づけであり、両方のメンテナンスが必要になります。
スレートとして定期的に屋根塗装をしなければ、厚型スレートの防水性や耐候性が低下して劣化が促進されてしまい、粘土瓦としては棟部分の漆喰補修を怠ると雨漏りのリスクや棟瓦崩壊の危険性がありますので、その両方の手入れを進めていく必要があるのです。
そのメンテナンスコストの高さによって人気にも陰りが生じ、現在ではほとんどのメーカーが製造・販売を止めてしまっています。
そのため新規の厚型スレートは手に入りにくく、瓦の差し替え補修では同じ商品を使用する必要があるのですが、入手の難しさからメンテナンスも行えなくなってきているのもデメリットとして挙げられるでしょう。
前項で、現在屋根に使用している厚型スレートは廃盤になっている可能性が高く、簡易的な瓦の差し替え補修が難しいとご説明いたしましたね。
そして、厚型スレートには漆喰補修に加えて屋根塗装が主なメンテナンスとなるのですが、塗装もあまりお勧めができません。
理由として、厚型スレート(セメント瓦)が新築やリフォームの現場で主要な屋根材として使用されていた時代からはおよそ30年以上が経過しているため、塗装を行ったとしてもすぐに寿命を迎えてしまう可能性が高いためです(-_-;
また、地震などの影響で瓦が割れてしまった場合に差し替えられる在庫が存在していないため、そういった要因から葺き替え工事を選択される方も多くいらっしゃるのです(^▽^)/
厚型スレート屋根の葺き替え工事は、屋根全体の耐久性を高めるために非常に有効な手段です。
厚型スレートだけではなく、古くなった防水シートや劣化した野地板も同時に交換や補修ができるため、屋根全体の強度を向上させることができます(^▽^)/
重い屋根材から軽量な金属屋根へと葺き替えることで、耐震性の著しい向上も図ることが可能です。
葺き替え工事には費用がかかるものの、長期的な視点で見れば必要な修繕やメンテナンスが減るケースは多いです。
また、自治体によっては「重い屋根」に分類された厚型スレートの葺き替えに、耐震性向上のリフォームとして補助金が出る場所もあるようですので、ぜひご自宅の対応地域の情報をチェックしてみてください(^▽^)/
参考までに、私たち街の屋根やさんでは屋根葺き替え工事の相場目安を約150万~200万としております(30坪ほどの戸建てを想定した相場)。
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瓦屋根工事
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