
HOME > 施工事例 > 多摩市桜ケ丘で雨漏りしている瓦葺き屋根を葺き直し工事で雨漏り.....
【施工前】
【施工後】
【お問い合わせのきっかけ】
担当:富田
担当:富田
雨漏りしている瓦葺き屋根です。雨が降るたびに雨漏りする訳ではないのですが、雨量が多かったり強風を伴った時に雨漏りしてしまうそうです。
1階の下屋が雨漏りしている箇所で、どこに雨漏りしているのか室内から確認していきます。
屋根の下は和室になっていて、木目の天井にはシーリングライトが取り付けあります。昨年の台風の時にこの照明器具から雨水がポタポタと垂れて来たそうです。照明器具は天井裏に電気配線がありますので、雨漏りして入り込んだ雨水が配線と伝わって照明器具に流れ込む事があります。今のことろ大丈夫という事ですが、電気が通ったところに水が入るのは非常に危険ですので、原因を突き止めてしっかりと対処する必要がありあります。
下屋に上って屋根の状態を見てみます。割れている瓦はありませんでしたが、よく見ると一列に並んでいるはずの瓦がズレているのが確認出来ます。屋根が波打つようになっているというのではなく、横に瓦がズレてしまった状態ですので、台風などの強風によって動いてしまった可能性があります。
此方の建物は、4年程前に街の屋根やさんで棟の漆喰詰め直し工事をおこなっております。その時に屋根全体の調査もおこないましたが、今回の様なズレはありませんでした。
昔ながらの陶器瓦葺き屋根の場合、瓦は瓦桟という横に打ち付けた木に引っかけてあるだけですので、簡単に瓦を外す事が可能です。先程の瓦がズレてしまったのもこの固定方法が原因になっています。
瓦を剥がして下地の状態を確認すると、下に葺いてある防水紙が大分劣化している事が確認出来ました。瓦葺き屋根は必ず瓦の下に雨水が回り込みますので、その雨水を防ぐ防水紙(ルーフィング)が劣化していると、雨水が小屋裏へ流れ込んで雨漏りに繋がってしまう事になります。
防水紙(ルーフィング)の寿命は20年~25年程が目安になりますので、経年によって固くなってヒビ割れが起きたり、重ねた部分が捲れあがってしまいます。また、雨水に流れに対してせき止める様に瓦桟を打ち付けてありますので、瓦桟部分での排水の事も考えないと雨水が溜まってしまう事になり、防水紙の劣化部分から雨漏りしてしまいます。
壁際には屋根と外壁の取り合いとして板金が納めてありますが、板金と防水紙の取り合い部分には完全に隙間が出来ているところがあり、小屋裏へそのまま雨水が流れてしまう造りになっていました。板と板の間から室内の天井裏が見れる状態でしたので、下地を直す目的で葺き直し工事をおこなう事になりました。
今回は葺き直し工事をおこないます。他の屋根材に変える葺き替え工事の場合でも、瓦を撤去して下地を新しくする事は変わりませんが、葺き直し工事の場合は既存の瓦を再利用する事が葺き替え工事と全く違う部分です。葺き直し工事の目的は下地を直す事にあり、建物のイメージを変えたくない場合や、今回の様に1階の屋根だけ直す時などにおこなうのですが、下地を直した後に剥がした瓦を元に戻さなければなりませんので、再利用する為に撤去作業の時には破損させない様に丁寧に扱う必要がありますので、葺き替え工事と比べて非常に手間の掛かる作業になります。
また、瓦は全く同じ形状というわけではなく、それぞれに特徴がある事があります。反りが他よりも大きかったりと多少のばらつきがありますので、戻す際にはその点も考えて葺き直さなければなりません。
とはいえどんなに慎重に作業していても破損してしまう事がありますので、予備の瓦は必ず用意する必要があります。
余談ですが、この様に葺き直し工事の場合は必ず予備の瓦を用意する事になりますので、廃盤品で製造されていないセメント瓦などは葺き直し工事が出来ない屋根材になります。
既存の瓦を撤去した後は古い防水紙(ルーフィング)も撤去します。屋根材を全てどかして全体が見えた事で分かったのですが、防水紙の傷みは大分進行していました。今の所室内への雨漏りは1カ所だけでしたがこのままにしておけば被害が拡大した可能性が非常に高い状態でした。
古い防水紙を剥がして下地の状態を確認しましたが、腐食ているところは幸いな事にありませんでしたので新しい防水紙を葺いていきます。
古い野地板はバラ板といって9cm程度の幅の板を敷き並べてありましたが、板同紙に大きな隙間もなく並べてあり強度もしっかりしていましたので、下地の補強は時におこなわず防水紙(ルーフィング)を敷いていきます。先程もお伝えさせていただきました、屋根は屋根材と防水紙で雨水から建物を守っていますので、防水紙はしっかりと雨水を軒先に逃がす様に施工しなければなりません。
防水紙(ルーフィング)を葺いた後は瓦を引っかける瓦桟を取り付けるのですが、その時にキズリテープという白いテープを貼ります。
キズリテープの上に瓦桟を打つことで、キズリテープの厚み分の隙間が出来るため、瓦の裏側に回った雨水が瓦桟でせき止められるのを防ぐ事が出来ます。雨水が流れる所に横向きに障害物があるのと同じですので、キズリテープによって隙間を作る事がとても重要になります。
下地を新しく直しましたので瓦を元に戻します。瓦に癖がついている事もありますので、高さ調整をおこないながら戻していきます。
軒先と屋根の側面のケラバが側から戻して行く事で瓦の配置を決めます。癖がついて歪みが酷いものや破損してしまった瓦が何枚かありますのでを新しい物に差し替えます。新築の時に何枚か予備を残している事がありますので、今回の差し替え瓦もストックしてあった予備瓦を使用しました。
平らな面の桟瓦を葺き直したら、最期に棟瓦を積みます。元々は土を土台にして積み上げていましたが、南蛮漆喰のシルガードを土台に使用します。土の場合は棟を積んだ後漆喰を塗って土が雨によって浸食させるのを防ぐのですが、土台をシルガードにする事で雨水の影響を受けず、工事後に漆喰が剥がれて詰め直しなどのメンテナンスも必要無くなります。
糸で瓦の位置を出して棟を積みます。最初は平らな熨斗瓦(のしかわら)を積んで位置を決め、一番上に丸い冠瓦を乗せて銅線で固定して完成します。
葺き直し工事は、仕上がった時には元の状態と変わりが無い様に見えますが、屋根で一番重要な防水紙(ルーフィング)が新しくなっていますので、今後雨漏りの心配も無くなり安心してお住まいになれる様になりました。
街の屋根やさんは東京都以外にも神奈川県、千葉県などでも屋根工事を承っております。日本全国に展開中ですので、貴方のお住まいの街の屋根さんをお選びください。
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